三井倉庫ホールディングスの強みとは:倉庫・国際輸送などの「物流事業」が営業収益の約97%、日本橋のビル賃貸の「不動産事業」も。2026年3月期は航空貨物の取扱増で営業利益221億円(+24.0%)
三井倉庫ホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日、東証の適時開示)で分析しました。営業収益2,995億円(+6.7%)、営業利益221億円(+24.0%、営業利益率7.4%)、経常利益213億円(+18.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益112億円(+11.1%)、ROE8.6%、自己資本比率45.7%。セグメントの営業利益は、物流245億円(+14.4%、航空貨物輸送の取扱増、欧州の物流拠点の通期寄与、流通小売業向け・ヘルスケアの新規業務)、不動産37億円(+69.4%、MSH日本橋箱崎ビルへの新規テナント入居)。年49円の配当(株式分割後)、2027年3月期は営業収益3,160億円・営業利益230億円・年50円の予想。NIPPON EXPRESSホールディングス・SGホールディングスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美三井倉庫って、倉庫を貸している会社?

プレ男決算短信を見ると、倉庫だけじゃなくて、航空貨物などの輸送もする物流の会社なんだって。日本橋にビルも持っているみたい
企業分析の連載、229社目は三井倉庫ホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のNIPPON EXPRESSホールディングスの強みとは・SGホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、三井倉庫ホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
倉庫・港湾運送・国際輸送・陸上輸送などの物流サービスを組み合わせて提供する「物流事業」と、ビル賃貸の「不動産事業」の会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 2,995億円 | +6.7% |
| 営業利益 | 221億円 | +24.0% |
| 営業利益率 | 7.4% | 前期 6.4% |
| 経常利益 | 213億円 | +18.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 112億円 | +11.1% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 8.6% | 前期 8.8% |
| 自己資本比率 | 45.7% | 前期 41.8% |
| 配当 | 年49円(配当性向33.0%) | 前期 146円(株式分割前) |
- 物流事業の航空貨物輸送の取扱増と、不動産事業の新規テナントの入居で、増収増益でした
- 2025年5月1日に1株を3株に分割したため、前期の配当(146円)とは単純に比べられません(→株式分割と投資単位)
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 営業収益 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 物流 | 航空貨物輸送の取扱増、欧州の物流拠点の通期寄与、国内の流通小売業向け・ヘルスケアの新規業務 | 2,920億円(+6.1%) | 245億円(+14.4%) |
| 不動産 | マルチテナント化したMSH日本橋箱崎ビルへの新規テナント入居 | 86億円(+28.6%) | 37億円(+69.4%) |
- 営業収益の約97%が物流です(計算値)。不動産は売上は小さいものの、営業利益率が高い事業です
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 総合的な物流サービス
- 倉庫・港湾運送・国際輸送・陸上輸送などを組み合わせて提供しています。当期は、航空貨物の荷動きが堅調で取扱が増えました
② 新しい業務の獲得
- 欧州の物流拠点や、国内の流通小売業向け・ヘルスケアの新規業務など、中期経営計画の重点分野で新しい業務を獲得しています
③ 都心の不動産
- 東京のオフィスの空室率が下がり賃料が上がる中で、日本橋のビルに新しいテナントが入り、不動産の営業利益は+69.4%でした
4. 弱み・リスク
① 国内の荷動き
- 国内貨物の荷動きは横ばいでした。会社は、荷動きが底を打って徐々に上向くと見込んでいます
② コストの上昇
- 為替の変動、労働力不足、資源価格の高止まりなどで、原価の上昇圧力が続くとしています
③ 全社費用の増加
- 2027年3月期は、DX投資やサイバーセキュリティの強化、人的資本への投資などで、全社費用が増える見込みです
5. ライバルとの比較
物流の会社と並べます。会計基準(NXはIFRS)と決算期(NXは12月期)が違うので、おおまかな比較です。
| 三井倉庫HD(2026年3月期) | NX HD(2025年12月期) | SGホールディングス(2026年3月期) | |
|---|---|---|---|
| 営業収益(売上収益) | 2,995億円(+6.7%) | 2兆5,748億円(−0.1%) | 1兆6,448億円(+11.2%) |
| 営業利益 | 221億円(+24.0%) | 514億円(+4.9%) | 902億円(+2.7%) |
| 営業利益率 | 7.4% | 2.0% | 5.5% |
| ROE | 8.6% | 0.3% | 10.5% |
| 自己資本(親会社所有者帰属持分)比率 | 45.7% | 34.3% | 44.4% |
- 三井倉庫HDは規模は小さいものの、営業利益率は3社でいちばん高い水準です(→NIPPON EXPRESSホールディングスの強みとは、SGホールディングスの強みとは)。宅配便の会社はヤマトホールディングスの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
三井倉庫HDの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 物流事業の営業利益 | 245億円 | 決算短信(セグメントの概況) |
| 不動産事業の営業利益 | 37億円 | 決算短信(セグメントの概況) |
| 航空貨物・国内貨物の荷動き | 航空は堅調、国内は横ばい | 決算短信(事業環境) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 営業収益3,160億円、営業利益230億円、当期純利益125億円 | 決算短信 |
| 配当 | 年49円、2027年3月期予想50円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美航空貨物が伸びて、日本橋のビルも稼いだのね。国内の荷動きが戻るかを見ておきたいな
まとめ
- 三井倉庫HDは、物流(営業収益の約97%)と不動産の会社
- 2026年3月期は営業利益221億円(+24.0%)
- 航空貨物の取扱増、欧州拠点、新規業務で物流が増益
- 不動産は日本橋のビルの新規テナントで+69.4%
- 2027年3月期は営業利益230億円・年50円の予想
参考文献
- 三井倉庫ホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/93020/140120260512525306.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- NIPPON EXPRESSホールディングス. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日). https://pdf.irpocket.com/C9147/YpwX/xR9Z/nTUC.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- SGホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/91430/140120260508520546.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。