SGホールディングスの強みとは:佐川急便の「デリバリー事業」が営業利益の約8割。越境ECで宅配便は13億6,000万個(+4.0%)、海外のMorrison社を買収してグローバル物流を拡大。2026年3月期は営業収益1兆6,448億円(+11.2%)・営業利益902億円(+2.7%)
SGホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日、東証の適時開示)で分析しました。営業収益1兆6,448億円(+11.2%)、営業利益902億円(+2.7%、営業利益率5.5%)、経常利益918億円(+3.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益591億円(+1.6%)、ROE10.5%、自己資本比率44.4%(Morrison社の買収で前期55.8%から低下)。セグメントの営業利益は、デリバリー701億円(+2.6%、取扱個数13億6,000万個・+4.0%、越境ECが増加、平均単価は低下)、不動産104億円、ロジスティクス63億円(+48.5%、名糖運輸の連結)、その他26億円、グローバル物流1億円(−96.1%、運賃の下落)。年53円の配当、2027年3月期は営業利益970億円・年54円の予想。ヤマトホールディングス・NIPPON EXPRESSホールディングスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男佐川急便の会社って、宅配便の数は増えているの?

メル美決算短信を見ると、海外のネット通販からの荷物(越境EC)が増えて、宅配便の数は4%増えたんだって。でも小さい荷物が多くて、1個あたりの単価は下がったみたい
企業分析の連載、215社目はSGホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のヤマトホールディングスの強みとは・NIPPON EXPRESSホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、SGホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
佐川急便の宅配便などの「デリバリー事業」を中心に、倉庫・3PLの「ロジスティクス事業」、フォワーディング・海外3PLの「グローバル物流事業」、不動産などをもつ物流の会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 1兆6,448億円 | +11.2% |
| 営業利益 | 902億円 | +2.7% |
| 営業利益率 | 5.5% | 前期 5.9% |
| 経常利益 | 918億円 | +3.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 591億円 | +1.6% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 10.5% | 前期 10.0% |
| 自己資本比率 | 44.4% | 前期 55.8% |
| 配当 | 年53円(配当性向54.0%) | 前期 52円 |
- 営業収益が大きく増えたのは、2025年度にMorrison社を連結したことなどによるものです。買収にともない、のれんなどが増え、自己資本比率は下がりました
- 2026年3月期から、セグメントに「グローバル物流事業」を新しく設けました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 営業収益 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| デリバリー | 宅配便の取扱個数が増加、越境ECの増加、平均単価は低下、人件費・外注費の増加 | 1兆485億円(+4.5%) | 701億円(+2.6%) |
| 不動産 | 保有不動産の売却 | 154億円(−35.6%) | 104億円(−1.4%) |
| ロジスティクス | 名糖運輸の連結、国内3PLの適正料金 | 2,028億円(+41.7%) | 63億円(+48.5%) |
| その他 | 大型トラックの新車販売、システム関連 | 564億円(+6.9%) | 26億円(+39.3%) |
| グローバル物流 | Morrison社の連結、航空・海上運賃の下落 | 3,216億円(+25.4%) | 1億円(−96.1%) |
- 営業収益の約64%、セグメントの営業利益の合計896億円のうち約78%がデリバリーです(計算値)
| 宅配便の取扱個数 | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 合計 | 13億6,000万個 | +4.0% |
| └ 飛脚宅配便 | 13億2,400万個 | +4.2% |
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 越境ECと低温物流
- 越境ECや低温物流の宅配便を成長市場と位置づけ、取扱個数は6月以降、前年同月を上回って推移しました。BtoB・BtoCとも増えました
② 適正運賃と利益率の維持
- 平均単価は下がりましたが、取引ごとの取扱量やコストを考えた価格設定で、費用が増える中でもセグメント全体の営業利益率を維持したとしています
③ 国内外の物流網の拡大
- 名糖運輸の連結でロジスティクスが増益になり、Morrison社の買収でグローバル物流の基盤を広げました。会社は、2027年3月期にグローバル物流の営業利益40億円を見込んでいます
4. 弱み・リスク
① 大手EC事業者の自社配送
- 会社は、一部の大手EC事業者が自社の配送網を広げていることから、競争環境は厳しいとしています
② 人件費・委託費の上昇と「2024年問題」
- パートナー企業への委託単価の引き上げやベースアップで、人件費・外注費が増えています。トラックドライバーの時間外労働の上限規制(2024年問題)への対応も続いています。11月には想定以上の荷物の増加で、追加の車両・人員のコストも発生しました
③ 国際物流の運賃
- 米国の通商政策の影響などで航空・海上運賃が下がり、グローバル物流の営業利益は1億円にとどまりました
5. ライバルとの比較
物流の会社と並べます。会計基準(NXはIFRS)と決算期(NXは12月期)が違うので、おおまかな比較です。
| SGホールディングス(2026年3月期) | ヤマトHD(2026年3月期) | NX HD(2025年12月期) | |
|---|---|---|---|
| 営業収益(売上収益) | 1兆6,448億円(+11.2%) | 1兆8,657億円(+5.8%) | 2兆5,748億円(−0.1%) |
| 営業利益 | 902億円(+2.7%) | 283億円(+99.2%) | 514億円(+4.9%) |
| 営業利益率 | 5.5% | 1.5% | 2.0% |
| ROE | 10.5% | 2.4% | 0.3% |
| 自己資本(親会社所有者帰属持分)比率 | 44.4% | 44.6% | 34.3% |
- SGホールディングスは、利益率とROEが3社でいちばん高い水準です(→ヤマトホールディングスの強みとは、NIPPON EXPRESSホールディングスの強みとは)。郵便・物流もある会社は日本郵政の強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
SGホールディングスの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 宅配便の取扱個数 | 13億6,000万個(+4.0%) | 決算短信(デリバリー事業) |
| デリバリーの営業利益 | 701億円 | 決算短信(セグメント) |
| グローバル物流の営業利益 | 1億円 | 決算短信(セグメント) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 営業収益1兆7,400億円、営業利益970億円、当期純利益600億円 | 決算短信 |
| 配当 | 年53円、2027年3月期予想54円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男宅配便の数は増えたけど、単価とコストのバランスが大事なんだね。買収した海外の会社がどう稼ぐかも見ておこう
ほかの物流の会社はセンコーグループホールディングスの強みとは・上組の強みとはも参考にしてください。
まとめ
- SGホールディングスは、佐川急便のデリバリーが中心の物流の会社
- 2026年3月期は営業利益902億円(+2.7%)、ROE10.5%
- 営業利益の約8割がデリバリー、宅配便は13億6,000万個(+4.0%)
- 越境ECが増え、平均単価は低下。大手ECの自社配送とコスト上昇がリスク
- Morrison社の買収でグローバル物流を拡大、2027年3月期は営業利益970億円の予想
参考文献
- SGホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/91430/140120260508520546.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- ヤマトホールディングス. 2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日). https://www.yamato-hd.co.jp/investors/pdf/4q_tansin_2026_03.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- NIPPON EXPRESSホールディングス. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日). https://pdf.irpocket.com/C9147/YpwX/xR9Z/nTUC.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。