企業分析2026年10月12日

SGホールディングスの強みとは:佐川急便の「デリバリー事業」が営業利益の約8割。越境ECで宅配便は13億6,000万個(+4.0%)、海外のMorrison社を買収してグローバル物流を拡大。2026年3月期は営業収益1兆6,448億円(+11.2%)・営業利益902億円(+2.7%)

SGホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日、東証の適時開示)で分析しました。営業収益1兆6,448億円(+11.2%)、営業利益902億円(+2.7%、営業利益率5.5%)、経常利益918億円(+3.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益591億円(+1.6%)、ROE10.5%、自己資本比率44.4%(Morrison社の買収で前期55.8%から低下)。セグメントの営業利益は、デリバリー701億円(+2.6%、取扱個数13億6,000万個・+4.0%、越境ECが増加、平均単価は低下)、不動産104億円、ロジスティクス63億円(+48.5%、名糖運輸の連結)、その他26億円、グローバル物流1億円(−96.1%、運賃の下落)。年53円の配当、2027年3月期は営業利益970億円・年54円の予想。ヤマトホールディングス・NIPPON EXPRESSホールディングスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男佐川急便の会社って、宅配便の数は増えているの?

メル美決算短信を見ると、海外のネット通販からの荷物(越境EC)が増えて、宅配便の数は4%増えたんだって。でも小さい荷物が多くて、1個あたりの単価は下がったみたい

企業分析の連載、215社目はSGホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のヤマトホールディングスの強みとは・NIPPON EXPRESSホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、SGホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

佐川急便の宅配便などの「デリバリー事業」を中心に、倉庫・3PLの「ロジスティクス事業」、フォワーディング・海外3PLの「グローバル物流事業」、不動産などをもつ物流の会社

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
営業収益 1兆6,448億円 +11.2%
営業利益 902億円 +2.7%
営業利益率 5.5% 前期 5.9%
経常利益 918億円 +3.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 591億円 +1.6%
ROE(自己資本当期純利益率) 10.5% 前期 10.0%
自己資本比率 44.4% 前期 55.8%
配当 年53円(配当性向54.0%) 前期 52円

2. 何で稼いでいるか

セグメント 主な動き(決算短信の記載) 営業収益 営業利益
デリバリー 宅配便の取扱個数が増加、越境ECの増加、平均単価は低下、人件費・外注費の増加 1兆485億円(+4.5%) 701億円(+2.6%)
不動産 保有不動産の売却 154億円(−35.6%) 104億円(−1.4%)
ロジスティクス 名糖運輸の連結、国内3PLの適正料金 2,028億円(+41.7%) 63億円(+48.5%)
その他 大型トラックの新車販売、システム関連 564億円(+6.9%) 26億円(+39.3%)
グローバル物流 Morrison社の連結、航空・海上運賃の下落 3,216億円(+25.4%) 1億円(−96.1%)
宅配便の取扱個数 2026年3月期 前期比
合計 13億6,000万個 +4.0%
└ 飛脚宅配便 13億2,400万個 +4.2%

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 越境ECと低温物流

② 適正運賃と利益率の維持

③ 国内外の物流網の拡大

4. 弱み・リスク

① 大手EC事業者の自社配送

② 人件費・委託費の上昇と「2024年問題」

③ 国際物流の運賃

5. ライバルとの比較

物流の会社と並べます。会計基準(NXはIFRS)と決算期(NXは12月期)が違うので、おおまかな比較です。

SGホールディングス(2026年3月期) ヤマトHD(2026年3月期) NX HD(2025年12月期)
営業収益(売上収益) 1兆6,448億円(+11.2%) 1兆8,657億円(+5.8%) 2兆5,748億円(−0.1%)
営業利益 902億円(+2.7%) 283億円(+99.2%) 514億円(+4.9%)
営業利益率 5.5% 1.5% 2.0%
ROE 10.5% 2.4% 0.3%
自己資本(親会社所有者帰属持分)比率 44.4% 44.6% 34.3%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

SGホールディングスの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
宅配便の取扱個数 13億6,000万個(+4.0%) 決算短信(デリバリー事業)
デリバリーの営業利益 701億円 決算短信(セグメント)
グローバル物流の営業利益 1億円 決算短信(セグメント)
会社の業績予想 2027年3月期 営業収益1兆7,400億円、営業利益970億円、当期純利益600億円 決算短信
配当 年53円、2027年3月期予想54円 決算短信

プレ男宅配便の数は増えたけど、単価とコストのバランスが大事なんだね。買収した海外の会社がどう稼ぐかも見ておこう

ほかの物流の会社はセンコーグループホールディングスの強みとは・上組の強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. SGホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/91430/140120260508520546.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. ヤマトホールディングス. 2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日). https://www.yamato-hd.co.jp/investors/pdf/4q_tansin_2026_03.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  3. NIPPON EXPRESSホールディングス. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日). https://pdf.irpocket.com/C9147/YpwX/xR9Z/nTUC.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。