企業分析2026年10月12日

電源開発(J-POWER)の強みとは:水力・火力などの発電所で電気をつくって売り、送電線や海外の発電事業ももつ会社。2026年3月期は米国の持分譲渡で経常利益1,585億円(+13.2%)、減損などで純利益は585億円(−36.7%)

電源開発(J-POWER)を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日)で分析しました。売上高1兆1,823億円(−10.2%、タイの販売電力量の減少、松島火力発電所の休廃止、容量市場価格の下落)、営業利益1,010億円(−27.0%)、経常利益1,585億円(+13.2%、米国火力発電事業の持分譲渡による持分法投資利益の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益585億円(−36.7%、豪州の再エネ設備・高砂火力の減損、大間原子力発電所計画の機器除却損)、ROE4.3%、自己資本比率37.6%。セグメント利益は海外事業948億円(+174.9%)、発電事業453億円(−33.8%)、電力周辺関連169億円(−50.2%、豪州の石炭価格の低下)、送変電17億円。発電事業の販売電力量667億kWh。有利子負債1兆8,832億円。年100円の配当、2027年3月期は経常利益1,250億円・年105円の予想。中部電力・九州電力との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男J-POWERって、どんな電力の会社なの?

メル美決算短信だと、水力や火力の発電所で電気をつくる「発電事業」と、送電線の事業、それに海外の発電事業があるんだって

企業分析の連載、256社目は電源開発(J-POWER)です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日)で確認しました。比較には、この連載の中部電力の強みとは・九州電力の強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、電源開発株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

水力などの再生可能エネルギーと火力の発電所で電気をつくって売る「発電事業」、送電線などの「送変電事業」、豪州の炭鉱権益などの「電力周辺関連事業」、タイや米国などの「海外事業」をもつ会社

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 1兆1,823億円 −10.2%
営業利益 1,010億円 −27.0%
経常利益 1,585億円 +13.2%
親会社株主に帰属する当期純利益 585億円 −36.7%
ROE(自己資本当期純利益率) 4.3% 前期 7.2%
自己資本比率 37.6% 前期 36.4%
配当 年100円(配当性向30.7%) 前期 100円

2. 何で稼いでいるか

セグメント 主な動き(決算短信の記載) 売上高 セグメント利益
海外事業 タイの販売電力量が減少、米国火力発電事業の持分譲渡の利益 2,278億円(−6.9%) 948億円(+174.9%)
発電事業 松島火力の休廃止、容量市場価格の下落、修繕費の増加 8,656億円(−10.5%) 453億円(−33.8%)
電力周辺関連事業 豪州の炭鉱権益子会社の石炭販売価格の低下 899億円(−12.4%) 169億円(−50.2%)
送変電事業 託送収益の減少、支払利息の増加 498億円(−1.2%) 17億円(−37.4%)
その他 — 160億円(−11.8%) 4億円

発電事業の販売電力量(2026年3月期)

区分 販売電力量 前期比
再生可能エネルギー 98億kWh −2.6%(水力の出水率が91%→88%)
火力 418億kWh +1.5%(発電所の利用率が58%→67%)
卸電力取引市場などから調達した電力 150億kWh −9.3%
合計 667億kWh −1.7%

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 大きな発電・送電の設備

② 海外事業

③ 増配の予想

4. 弱み・リスク

① 一時的な要因の大きさ

② 大間原子力発電所計画

③ 借入の多さ

5. ライバルとの比較

電力会社と並べます。どれも2026年3月期です。事業の形が違うので、おおまかな比較です。

電源開発 中部電力 九州電力
売上高 1兆1,823億円(−10.2%) 3兆5,460億円(−3.4%) 2兆2,472億円(−4.7%)
経常利益 1,585億円(+13.2%) 2,910億円(+5.3%) 2,071億円(+6.4%)
当期純利益 585億円(−36.7%) 2,277億円(+12.7%) 1,545億円(+20.0%)
ROE 4.3% 7.7% 14.1%
自己資本比率 37.6% 41.0% 19.9%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

電源開発の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
発電事業のセグメント利益 453億円 決算短信(セグメントごとの経営成績)
販売電力量 667億kWh 決算短信(発電事業)
水力の出水率・火力の利用率 88%・67% 決算短信(発電事業)
会社の業績予想 2027年3月期 売上高1兆3,800億円、経常利益1,250億円、当期純利益810億円 決算短信のサマリー
配当 年100円、2027年3月期予想105円 決算短信

メル美2026年3月期は一時的な利益と損失が大きかったのね。ふだんの発電の稼ぎを見ておきたいな

まとめ


参考文献

  1. 電源開発. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www.jpower.co.jp/news/pdf/kessan2026-4/all.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. 中部電力. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日). https://www.chuden.co.jp/ir/ir_siryo/kessan/__icsFiles/afieldfile/2026/04/28/2025tanshin_4qua_1.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  3. 九州電力. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日). https://www2.jpx.co.jp/disc/95080/140120260428513397.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。