電源開発(J-POWER)の強みとは:水力・火力などの発電所で電気をつくって売り、送電線や海外の発電事業ももつ会社。2026年3月期は米国の持分譲渡で経常利益1,585億円(+13.2%)、減損などで純利益は585億円(−36.7%)
電源開発(J-POWER)を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日)で分析しました。売上高1兆1,823億円(−10.2%、タイの販売電力量の減少、松島火力発電所の休廃止、容量市場価格の下落)、営業利益1,010億円(−27.0%)、経常利益1,585億円(+13.2%、米国火力発電事業の持分譲渡による持分法投資利益の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益585億円(−36.7%、豪州の再エネ設備・高砂火力の減損、大間原子力発電所計画の機器除却損)、ROE4.3%、自己資本比率37.6%。セグメント利益は海外事業948億円(+174.9%)、発電事業453億円(−33.8%)、電力周辺関連169億円(−50.2%、豪州の石炭価格の低下)、送変電17億円。発電事業の販売電力量667億kWh。有利子負債1兆8,832億円。年100円の配当、2027年3月期は経常利益1,250億円・年105円の予想。中部電力・九州電力との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男J-POWERって、どんな電力の会社なの?

メル美決算短信だと、水力や火力の発電所で電気をつくる「発電事業」と、送電線の事業、それに海外の発電事業があるんだって
企業分析の連載、256社目は電源開発(J-POWER)です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日)で確認しました。比較には、この連載の中部電力の強みとは・九州電力の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、電源開発株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
水力などの再生可能エネルギーと火力の発電所で電気をつくって売る「発電事業」、送電線などの「送変電事業」、豪州の炭鉱権益などの「電力周辺関連事業」、タイや米国などの「海外事業」をもつ会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆1,823億円 | −10.2% |
| 営業利益 | 1,010億円 | −27.0% |
| 経常利益 | 1,585億円 | +13.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 585億円 | −36.7% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 4.3% | 前期 7.2% |
| 自己資本比率 | 37.6% | 前期 36.4% |
| 配当 | 年100円(配当性向30.7%) | 前期 100円 |
- 経常利益は、米国火力発電事業の持分譲渡による持分法投資利益の増加などで増えました
- 当期純利益は、豪州の再生可能エネルギー発電設備や高砂火力発電所などの減損損失と、大間原子力発電所計画で一部の機器を除却した固定資産除却損で大きく減りました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| 海外事業 | タイの販売電力量が減少、米国火力発電事業の持分譲渡の利益 | 2,278億円(−6.9%) | 948億円(+174.9%) |
| 発電事業 | 松島火力の休廃止、容量市場価格の下落、修繕費の増加 | 8,656億円(−10.5%) | 453億円(−33.8%) |
| 電力周辺関連事業 | 豪州の炭鉱権益子会社の石炭販売価格の低下 | 899億円(−12.4%) | 169億円(−50.2%) |
| 送変電事業 | 託送収益の減少、支払利息の増加 | 498億円(−1.2%) | 17億円(−37.4%) |
| その他 | — | 160億円(−11.8%) | 4億円 |
発電事業の販売電力量(2026年3月期)
| 区分 | 販売電力量 | 前期比 |
|---|---|---|
| 再生可能エネルギー | 98億kWh | −2.6%(水力の出水率が91%→88%) |
| 火力 | 418億kWh | +1.5%(発電所の利用率が58%→67%) |
| 卸電力取引市場などから調達した電力 | 150億kWh | −9.3% |
| 合計 | 667億kWh | −1.7% |
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 大きな発電・送電の設備
- 水力・火力の発電所と送電線をもち、発電事業の販売電力量は667億kWhです。佐久間東西幹線の増強工事なども進めています
② 海外事業
- タイや米国などで発電事業を行い、2026年3月期は米国の持分譲渡で、海外事業の利益が948億円になりました。米国では太陽光発電所の建設も進めています
③ 増配の予想
- 2027年3月期の配当は年105円(+5円)の予想です
4. 弱み・リスク
① 一時的な要因の大きさ
- 2026年3月期は、持分譲渡の利益、減損、除却損など一時的な要因が大きく、2027年3月期の経常利益は1,250億円(−21.2%)の予想です
② 大間原子力発電所計画
- 大間原子力発電所計画で、品質・信頼性の確保の観点から一部の機器を除却し、固定資産除却損を計上しました
③ 借入の多さ
- 有利子負債は1兆8,832億円です(うち3,343億円は海外事業のノンリコースローン)
5. ライバルとの比較
電力会社と並べます。どれも2026年3月期です。事業の形が違うので、おおまかな比較です。
| 電源開発 | 中部電力 | 九州電力 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆1,823億円(−10.2%) | 3兆5,460億円(−3.4%) | 2兆2,472億円(−4.7%) |
| 経常利益 | 1,585億円(+13.2%) | 2,910億円(+5.3%) | 2,071億円(+6.4%) |
| 当期純利益 | 585億円(−36.7%) | 2,277億円(+12.7%) | 1,545億円(+20.0%) |
| ROE | 4.3% | 7.7% | 14.1% |
| 自己資本比率 | 37.6% | 41.0% | 19.9% |
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
電源開発の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 発電事業のセグメント利益 | 453億円 | 決算短信(セグメントごとの経営成績) |
| 販売電力量 | 667億kWh | 決算短信(発電事業) |
| 水力の出水率・火力の利用率 | 88%・67% | 決算短信(発電事業) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高1兆3,800億円、経常利益1,250億円、当期純利益810億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年100円、2027年3月期予想105円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美2026年3月期は一時的な利益と損失が大きかったのね。ふだんの発電の稼ぎを見ておきたいな
まとめ
- 電源開発は、発電・送変電・海外の電力の会社
- 2026年3月期は経常利益1,585億円(+13.2%)、米国の持分譲渡の利益が大きい
- 減損と大間原子力の機器の除却損で、当期純利益は585億円(−36.7%)
- 発電事業は、松島火力の休廃止や修繕費で減益
- 2027年3月期は経常利益1,250億円・年105円の予想
参考文献
- 電源開発. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www.jpower.co.jp/news/pdf/kessan2026-4/all.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 中部電力. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日). https://www.chuden.co.jp/ir/ir_siryo/kessan/__icsFiles/afieldfile/2026/04/28/2025tanshin_4qua_1.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 九州電力. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日). https://www2.jpx.co.jp/disc/95080/140120260428513397.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。