企業分析2026年10月10日

日本取引所グループ(JPX)の強みとは:取引所と清算機関(日本証券クリアリング機構)を持つ「取引所の会社」。株の売買が増えるほどもうかるしくみで、2026年3月期は営業収益1,987億円(+22.5%)、営業利益率58.5%。配当性向60%以上が目標

日本取引所グループ(JPX)を、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日)で分析しました。営業収益1,987億円(+22.5%)、営業利益1,162億円(+29.0%、営業利益率58.5%)、親会社の所有者に帰属する当期利益791億円(+29.5%)、ROE23.1%。営業収益の内訳は、取引関連収益773億円(現物の売買代金が増え取引料が増加、+20.0%)、清算関連収益542億円(+57.5%)、情報関連収益336億円(相場情報料・指数ビジネス)、上場関連収益186億円、システム関連収益138億円。日本証券クリアリング機構の清算業務の資産・負債を両建てで計上するため、資産合計は71兆円、持分比率は0.5%。配当は年61円(配当性向79.4%)、配当性向60%以上が目標。2027年3月期は1日平均売買代金(株券等)7兆5,000億円を前提に営業収益2,050億円・営業利益1,150億円の予想。香港取引所との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

メル美この連載でよく出てくる「日本取引所グループ」って、それ自体も上場している会社なの?

プレ男え、取引所の株も買えるの? みんなが株を売り買いするほどもうかるのかな

企業分析の連載、48社目は日本取引所グループ(JPX)です。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日)で確認しました。比較には、香港取引所(HKEX)の2025年の決算発表(2026年2月26日)を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、日本取引所グループ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。この連載では、JPXのルールや資料を出典としてよく使っていますが、JPXの株をすすめる意図はありません。

1. ひとことで言うと

東京証券取引所・大阪取引所や、売買の決済を引き受ける日本証券クリアリング機構などを持つ「取引所の会社」

項目(IFRS・連結) 2026年3月期 前期比
営業収益 1,987億円 +22.5%
営業費用 835億円 +11.4%
営業利益 1,162億円 +29.0%
営業利益率 58.5% 前期 55.6%
親会社の所有者に帰属する当期利益 791億円 +29.5%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 23.1% 前期 18.3%
配当 年61円(配当性向79.4%)

2. 何で稼いでいるか

営業収益の内訳(2026年3月期)です。2026年3月期から6つの区分に変わり、前期の数字も組みかえられています。

区分 中身(決算短信の記載から) 金額 前期比
取引関連収益 現物の売買代金やデリバティブの取引高に応じた取引料、アクセス料など 773億円 +20.0%
清算関連収益 日本証券クリアリング機構の清算手数料など 542億円 +57.5%
情報関連収益 相場情報料、指数ビジネス 336億円 +5.5%
上場関連収益 新規・追加上場料、年間上場料 186億円 +7.9%
システム関連収益 arrownet、コロケーションサービスの利用料 138億円 +4.3%

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① 日本の株式市場の中心

② 売買以外の稼ぎ

③ 高い利益率

4. 弱み・リスク

① 相場しだいの収益

② 費用の増加

③ 清算機関としてのリスク

5. ライバルとの比較

アジアの大きな取引所の香港取引所(HKEX)と比べます。決算期(HKEXは12月期)・会計基準・通貨が違うので、おおまかな比較です(金額は香港ドル)。

JPX(2026年3月期) HKEX(2025年12月期)
収益 営業収益1,987億円(+22.5%) 収益・その他収益291億6,100万香港ドル(+30%)
利益 当期利益791億円(+29.5%) 株主に帰属する利益177億5,400万香港ドル(+36%)
利益率の指標 営業利益率58.5% EBITDAマージン79%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

JPXの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
現物の取引料 552億円 決算短信(取引関連収益の内訳)
清算関連収益 542億円 決算短信
会社の業績予想の前提(1日平均売買代金) 2027年3月期 株券等7兆5,000億円 決算短信
会社の業績予想 2027年3月期 営業収益2,050億円、営業利益1,150億円 決算短信のサマリー
配当 年61円、2027年3月期予想61円(配当性向80.9%) 決算短信

メル美みんなが株を売り買いするほど取引所はもうかるのね。でも、相場が冷えたら逆になるから、売買代金の前提を見ておくといいんだ

証券会社は野村ホールディングスの強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. 日本取引所グループ. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日). https://www.jpx.co.jp/corporate/news/news-releases/0063/t13vrt0000013rwv-att/J_ER_JPX_Q4FY2025.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  2. Hong Kong Exchanges and Clearing Limited. 2025 Final Results(2026年2月26日). https://www.hkexgroup.com/-/media/HKEX-Group-Site/ssd/Investor-Relations/annouce/documents/2026/260226_final_e.pdf (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。