京浜急行電鉄の強みとは:品川・羽田空港・横浜・三浦半島を結ぶ鉄道とバスの「交通事業」が営業利益の約54%。羽田空港駅の輸送人員は+5.4%。2026年3月期は営業利益336億円(−5.9%)、品川駅西口ではトヨタと複合施設の建設に着手
京浜急行電鉄(京急)を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日、東証の適時開示)で分析しました。営業収益3,042億円(+3.5%)、営業利益336億円(−5.9%、前期の事業用地の持分売却の反動)、経常利益289億円(−17.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益275億円(+13.1%、品川駅西口の国道用地の譲渡などの固定資産売却益)、ROE7.2%、自己資本比率34.4%。セグメントの営業利益は、交通187億円(−1.0%、全線の輸送人員+2.3%、羽田空港駅+5.4%)、レジャー・サービス56億円(+12.4%、ビジネスホテルの単価・稼働率の上昇)、不動産47億円(−32.4%)、その他38億円、流通22億円。品川駅西口でトヨタ自動車と複合施設の建設に着手。年46円の配当、2027年3月期は不動産の売却益などで営業収益4,015億円(+32.0%)・営業利益450億円(+34.1%)の予想。京王電鉄・京成電鉄との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男京急って、羽田空港に行く電車の会社だよね

メル美決算短信を見ると、羽田空港駅の利用者が5%以上増えたんだって。品川駅の再開発も進んでいるみたい
企業分析の連載、226社目は京浜急行電鉄です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の京王電鉄の強みとは・京成電鉄の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、京浜急行電鉄株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
鉄道・バスの「交通」、分譲マンション・賃貸の「不動産」、ビジネスホテルなどの「レジャー・サービス」、ストア・百貨店の「流通」などを手がける会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 3,042億円 | +3.5% |
| 営業利益 | 336億円 | −5.9% |
| 営業利益率 | 11.0% | 前期 12.1% |
| 経常利益 | 289億円 | −17.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 275億円 | +13.1% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 7.2% | 前期 6.7% |
| 自己資本比率 | 34.4% | 前期 35.7% |
| 配当 | 年46円(配当性向45.1%) | 前期 26円 |
- 営業利益は、前期の事業用地の持分売却の反動などで減りました
- 当期純利益は、品川駅西口基盤整備事業にもとづく国道用地の譲渡などの固定資産売却益で増えました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 営業収益 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 交通 | 全線の輸送人員+2.3%、羽田空港駅+5.4%、人件費の増加 | 1,216億円(+2.6%) | 187億円(−1.0%) |
| レジャー・サービス | ビジネスホテルの客室単価・稼働率が上昇 | 346億円(+9.1%) | 56億円(+12.4%) |
| 不動産 | 分譲マンションの販売・引き渡し、賃貸は増収、前期の用地売却の反動 | 510億円(−5.5%) | 47億円(−32.4%) |
| その他 | 鉄道の安全対策工事など | 578億円(+19.6%) | 38億円(+4.7%) |
| 流通 | ストア・百貨店・ショッピングセンター | 849億円(+4.5%) | 22億円(+3.5%) |
- セグメントの営業利益の合計349億円のうち、交通が約54%です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 羽田空港アクセス
- 羽田空港駅の輸送人員は、国内線・国際線の航空旅客数の増加で+5.4%(第1・第2ターミナル駅+6.1%、第3ターミナル駅+3.2%)でした。クレジットカードなどのタッチ決済での乗車を全線全駅で始めました(→日本空港ビルデングの強みとは)
② 品川・横浜の開発
- 品川駅西口地区で、トヨタ自動車と共同で複合施設の建設に着手しました。横浜でも複合施設を開業しています
③ 不動産回転型ビジネス
- 事業用地を取得し、賃貸物件などを売却する「不動産回転型ビジネス」を進め、三井住友信託銀行などとの資本提携で私募リートの組成に向けた準備も進めています。2027年3月期は、不動産の売却益や分譲マンションの販売増で大きな増益を見込んでいます
4. 弱み・リスク
① 人件費と交通の減益
- 交通事業は、輸送人員が増えたものの、人件費の増加などで営業利益は1.0%減りました
② 不動産の売却による変動
- 不動産の利益は、用地や物件の売却の時期で年ごとに大きく変わります。2026年3月期は前期の売却の反動で減益でした
③ 財務
- 自己資本比率は34.4%で、前期より下がりました
5. ライバルとの比較
首都圏の私鉄と並べます。3社とも日本基準・2026年3月期です。
| 京浜急行電鉄 | 京王電鉄 | 京成電鉄 | |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 3,042億円(+3.5%) | 4,969億円(+9.7%) | 3,324億円(+4.1%) |
| 営業利益 | 336億円(−5.9%) | 523億円(−3.4%) | 340億円(−5.6%) |
| 営業利益率 | 11.0% | 10.5% | 10.2%(計算値) |
| ROE | 7.2% | 10.0% | 9.0% |
| 自己資本比率 | 34.4% | 37.0% | 47.2% |
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
京急の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 鉄道の輸送人員 | 全線+2.3%、羽田空港駅+5.4% | 決算短信(交通事業) |
| 交通事業の営業利益 | 187億円 | 決算短信(セグメント別) |
| 不動産事業の営業利益 | 47億円 | 決算短信(セグメント別) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 営業収益4,015億円、営業利益450億円、当期純利益300億円 | 決算短信 |
| 配当 | 年46円、2027年3月期予想46円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男空港へのアクセスと、品川の再開発が強みなんだね。来期は不動産の売却で大きく増える予想だから、その中身も見ておこう
まとめ
- 京急は、交通を中心に、不動産・レジャー・流通をもつ会社
- 2026年3月期は営業利益336億円(−5.9%)、当期純利益は売却益で+13.1%
- 営業利益の約54%が交通、羽田空港駅の利用は+5.4%
- 品川駅西口でトヨタと複合施設の建設に着手
- 2027年3月期は不動産の売却益などで営業利益450億円(+34.1%)の予想
参考文献
- 京浜急行電鉄. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日). https://www2.jpx.co.jp/disc/90060/140120260507517959.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 京王電鉄. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/90080/140120260512526310.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 京成電鉄. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/90090/140120260507518855.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。