京成電鉄の強みとは:成田空港と都心を結ぶスカイライナーなどの鉄道・バスに、不動産、流通、レジャー、建設。2026年3月期は営業収益3,324億円(+4.1%)・営業利益340億円(−5.6%)。営業利益より大きな持分法投資利益251億円が経常利益586億円を支える
京成電鉄を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日、東証の適時開示)で分析しました。営業収益3,324億円(+4.1%)、営業利益340億円(−5.6%)、経常利益586億円(−5.1%、持分法による投資利益251億円を含む)、親会社株主に帰属する当期純利益480億円(−31.4%、前期の関係会社株式売却益532億円の反動)、ROE9.0%、自己資本比率47.2%。セグメントの営業利益は、運輸176億円(−12.9%、新京成電鉄の吸収合併やバス事業の再編にともなうシステム改修・人的投資)、不動産116億円、建設26億円、レジャー・サービス15億円、流通3億円。3代目スカイライナーの利用者が6,000万人に。成田空港の機能強化に向けた新型有料特急の導入や複線化、成田スカイアクセス線の整備も。年21円の配当、2027年3月期は成田空港輸送の増加で営業収益3,598億円(+8.2%)、営業利益310億円(−8.8%)の予想。東急との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美成田空港に行くときは、京成のスカイライナーに乗るよ

プレ男決算短信を見ると、本業の営業利益より、持分法による投資利益のほうが大きいくらいなんだって
企業分析の連載、118社目は京成電鉄です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の東急の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、京成電鉄株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
成田空港と都心を結ぶ鉄道・バスなどの運輸を中心に、不動産、流通、レジャー・サービス、建設を手がける鉄道グループ
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 3,324億円 | +4.1% |
| 営業利益 | 340億円 | −5.6% |
| 持分法による投資利益 | 251億円 | 前期 257億円 |
| 経常利益 | 586億円 | −5.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 480億円 | −31.4% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 9.0% | 前期 14.6% |
| 自己資本比率 | 47.2% | 前期 46.5% |
| 配当 | 年21円(配当性向21.1%) | 前期 21円(分割後換算) |
- 持分法による投資利益(251億円)が営業利益(340億円)の7割を超える大きさで、経常利益を押し上げています(計算値)
- 純利益が減ったのは、前期に関係会社株式売却益532億円があった反動です
- 2025年1月1日に1株→3株の株式分割をしています(→株式分割と投資単位)
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 営業収益 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 運輸 | 鉄道・バス・タクシー。インバウンド需要の取り込み | 2,053億円(+4.3%) | 176億円(−12.9%) |
| 不動産 | 不動産の賃貸、中高層住宅(「ルネ柏ディアパーク」など)の販売 | 394億円(+8.1%) | 116億円(+2.4%) |
| 建設 | 鉄道施設改良工事、グループ外からの受注工事 | 430億円(+18.7%) | 26億円(+9.7%) |
| レジャー・サービス | ホテルなど | 178億円(+3.7%) | 15億円(−2.0%) |
| 流通 | ストア、旅行サービスなど | 610億円(+2.3%) | 3億円(−42.7%) |
- 運輸は、2025年4月の新京成電鉄の吸収合併やバス事業の再編にともなうシステム改修や人的投資などで減益でした
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 成田空港へのアクセス
- 2025年7月に、3代目「京成スカイライナー」の利用者数が6,000万人になりました。12月のダイヤ改正では、成田空港駅を夜間に出発するスカイライナーを1本増やしました
② 成田空港の機能強化に向けた投資
- 成田空港と都心を結ぶ新型有料特急の導入を決めて設計に着手し、成田空港周辺の単線区間の複線化と、成田スカイアクセス線の整備を進めています
③ 持分法の会社からの利益
- 持分法による投資利益は251億円と、営業利益に近い大きさです
4. 弱み・リスク
① 運輸の減益
- 事業の再編にともなうシステム改修や人的投資の強化で、運輸の営業利益は12.9%減でした
② 2027年3月期の減益の見通し
- 2027年3月期は、成田空港輸送の増加などで営業収益3,598億円(+8.2%)の一方、営業利益310億円(−8.8%)、当期純利益393億円(−18.2%)の予想です
③ 持分法の利益への依存
- 経常利益の多くを持分法による投資利益が占め、その会社の業績の影響を受けます
5. ライバルとの比較
首都圏の鉄道グループの東急と比べます。どちらも日本基準・2026年3月期です。
| 京成電鉄 | 東急 | |
|---|---|---|
| 営業収益 | 3,324億円(+4.1%) | 1兆862億円(+3.0%) |
| 営業利益 | 340億円(−5.6%) | 1,032億円(−0.3%) |
| 経常利益 | 586億円 | 1,161億円 |
| 持分法による投資利益 | 251億円 | 239億円 |
| ROE | 9.0% | 10.0% |
| 自己資本比率 | 47.2% | 31.2% |
- 規模は東急が大きい一方、京成は持分法による投資利益の比重が大きく、自己資本比率も高い形です(→東急の強みとは)。空港の利用にかかわる会社はJAL(日本航空)の強みとは、ANAホールディングスの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
京成電鉄の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 運輸の営業利益 | 176億円 | 決算短信(事業別) |
| 持分法による投資利益 | 251億円 | 決算短信(連結損益計算書) |
| 成田空港アクセスの投資の進み具合 | 新型有料特急、複線化など | 決算短信(運輸業) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 営業収益3,598億円、営業利益310億円 | 決算短信(今後の見通し) |
| 配当 | 年21円、2027年3月期予想22円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美成田空港へのアクセスに投資を続けているのね。持分法の利益がとても大きいから、その中身も見ておきたいな
まとめ
- 京成電鉄は、成田空港と都心を結ぶ鉄道を中心とした鉄道グループ
- 2026年3月期は営業利益340億円(−5.6%)、持分法による投資利益251億円
- 純利益は、前期の関係会社株式売却益の反動で31.4%減
- 新型有料特急や複線化など、成田空港の機能強化に向けた投資
- 2027年3月期は営業利益310億円の予想
参考文献
- 京成電鉄. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/90090/140120260507518855.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 東急. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/90050/140120260507517486.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。