企業分析2026年10月10日

JAL(日本航空)の強みとは:国際線・国内線のフルサービスキャリアに、ZIPAIRなどのLCC、マイル/金融・コマースを組み合わせた航空グループ。2026年3月期は売上収益2兆125億円(+9.1%)・EBIT2,180億円(+26.4%)。インバウンドと日本発ビジネス需要で国際線が伸びる

日本航空(JAL)を、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益2兆125億円(+9.1%)、EBIT(財務・法人所得税前利益)2,180億円(+26.4%)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,376億円(+28.6%)、ROE12.2%、親会社所有者帰属持分比率40.3%。セグメントのEBITは、フルサービスキャリア1,450億円(+30.5%、売上収益1兆5,874億円、国際線9,180億円・国内線6,431億円)、マイル/金融・コマース455億円(+19.5%)、LCC96億円(−17.1%、ZIPAIR・スプリング・ジャパンなど)。国際旅客はインバウンドと日本発ビジネス需要で旅客数・単価とも増加、3月の中東情勢の悪化では欧州線直行便への代替需要を取り込み。国際貨物も増加。航空燃油費は3,954億円。2026年3月に「JALグループ経営ビジョン2035」を発表。年96円の配当、2027年3月期は原油価格の高騰などの不確実性の中、EBIT1,800億円・年96円の予想。ANAとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男JALとANA、どっちも飛行機の会社だよね。何が違うの?

メル美JALは「マイル/金融・コマース」っていう事業を分けて数字を出しているんだって

企業分析の連載、86社目はJAL(日本航空)です。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のANAホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、JAL株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

国際線・国内線の旅客と貨物を運ぶ航空会社に、LCC(格安航空会社)とマイル・金融・コマースの事業を組み合わせた航空グループ

項目(IFRS・連結) 2026年3月期 前期比
売上収益 2兆125億円 +9.1%
EBIT(財務・法人所得税前利益) 2,180億円 +26.4%
EBITの売上収益に対する比率 10.8% 前期 9.4%
親会社の所有者に帰属する当期利益 1,376億円 +28.6%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 12.2% 前期 11.4%
親会社所有者帰属持分比率 40.3% 前期 34.9%
配当 年96円(配当性向31.3%) 前期 86円

2. 何で稼いでいるか

セグメント 中身 売上収益 EBIT
フルサービスキャリア JAL・日本トランスオーシャン航空などの国際線・国内線 1兆5,874億円(+9.3%) 1,450億円(+30.5%)
マイル/金融・コマース マイル、金融、コマース 2,222億円(+10.9%) 455億円(+19.5%)
LCC ZIPAIR、スプリング・ジャパンなど 1,149億円(+10.4%) 96億円(−17.1%)

フルサービスキャリアの売上収益の中身

2026年3月期 前期比
国際線 9,180億円 +10.6%
うち旅客 7,600億円 +9.1%
うち貨物郵便 1,562億円 +18.7%
国内線 6,431億円 +6.5%
うち旅客 6,091億円 +6.6%

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① 国際線の伸び

② 航空以外の利益

③ 国際貨物

4. 弱み・リスク

① 燃油の値段

② 2027年3月期の減益の見通し

③ LCCの減益

5. ライバルとの比較

同じ日本の大手航空グループ、ANAホールディングスと比べます。どちらも2026年3月期ですが、会計基準(ANAは日本基準の営業利益、JALはIFRSのEBIT)が違うので、おおまかな比較です。

JAL ANAホールディングス
売上 2兆125億円(+9.1%) 2兆5,392億円(+12.3%)
本業の利益 EBIT 2,180億円(+26.4%) 営業利益 2,174億円(+10.6%)
利益率 10.8% 8.6%
当期利益 1,376億円 1,690億円
自己資本の比率 40.3% 37.7%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

JALの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
国際線・国内線の売上収益 9,180億円・6,431億円 決算短信(フルサービスキャリア)
マイル/金融・コマースのEBIT 455億円 決算短信(セグメント)
航空燃油費 3,954億円 決算短信
会社の業績予想 2027年3月期 売上収益2兆950億円、EBIT1,800億円 決算短信(今後の見通し)
配当 年96円、2027年3月期予想96円 決算短信

プレ男飛行機だけじゃなく、マイルや金融でも稼いでいるんだね。燃料の値段と、来年の減益の見通しも見ておこう

羽田空港のターミナルの会社は日本空港ビルデングの強みとはも参考にしてください。

旅行の会社はエイチ・アイ・エスの強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. 日本航空. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日). https://www2.jpx.co.jp/disc/92010/140120260430514545.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  2. ANAホールディングス. ANAホールディングス株式会社 説明会 2026年3月期決算(2026年4月30日). https://www.ana.co.jp/group/investors/data/kessan/pdf/2026_04_1.pdf (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。