日本空港ビルデングの強みとは:羽田空港の旅客ターミナルの施設管理と、空港の売店・免税店の物品販売が営業利益をほぼ二分。2026年3月期は営業利益450億円(+16.8%)、羽田空港の旅客数は約9,166万人
日本空港ビルデングを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日、東証の適時開示)で分析しました。営業収益2,898億円(+7.4%)、営業利益450億円(+16.8%、営業利益率15.5%)、経常利益437億円(+22.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益291億円(+6.1%)、ROE14.7%、自己資本比率42.7%。羽田空港の旅客数は国内線約3%・国際線約7%の増加(2025年度実績は国内線6,709万人・国際線2,457万人)。セグメントの営業利益は、施設管理運営業283億円(+45.2%、旅客数の増加と施設利用料・ラウンジ・駐車場の価格改定)、物品販売業275億円(−6.5%、免税店は下期に回復、費用増)、飲食業12億円(+98.6%、機内食)。年95円の配当、2027年3月期は営業収益2,967億円・営業利益456億円・当期純利益242億円・年95円の予想。JAL・ANAホールディングスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美羽田空港のターミナルって、どこの会社が運営しているの?

プレ男日本空港ビルデングという上場企業なんだって。決算短信を見ると、ターミナルの施設の運営と、空港のお店の売上で稼いでいるみたい
企業分析の連載、183社目は日本空港ビルデングです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のJAL(日本航空)の強みとは・ANAホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、日本空港ビルデング株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の店をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
羽田空港の旅客ターミナルの施設を管理・運営し(施設管理運営業)、空港の売店・免税店(物品販売業)や飲食店・機内食(飲食業)も手がける会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 2,898億円 | +7.4% |
| 営業利益 | 450億円 | +16.8% |
| 営業利益率 | 15.5% | 前期 14.3% |
| 経常利益 | 437億円 | +22.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 291億円 | +6.1% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 14.7% | 前期 15.5% |
| 自己資本比率 | 42.7% | 前期 39.9% |
| 配当 | 年95円(配当性向30.4%) | 前期 90円 |
- 会社は、羽田空港の旅客数は前年比で国内線が約3%、国際線が約7%増えたとしています。訪日外国人数は2025年暦年で4,200万人を超えたとしています
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 営業収益 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 施設管理運営業 | 旅客数の増加、国内線旅客取扱施設利用料の改定、ラウンジ・駐車場の価格改定 | 1,212億円(+11.3%) | 283億円(+45.2%) |
| 物品販売業 | 国内線売店は増加、免税店は上期に反動減・下期に回復、他空港への卸売上の増加 | 1,556億円(+4.2%) | 275億円(−6.5%) |
| 飲食業 | 機内食は外国航空会社の旅客数増と単価改定 | 190億円(+7.5%) | 12億円(+98.6%) |
- 営業利益は、施設管理運営業と物品販売業でほぼ半分ずつです
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 羽田空港という拠点
- 2025年度の羽田空港の旅客数は、国内線6,709万人・国際線2,457万人・全体9,166万人(会社の実績)です。会社は、羽田空港旅客ターミナルが英国SKYTRAX社の評価で高い評価を受けているとしています
② 料金の改定
- 施設利用料やラウンジ・駐車場の価格改定で、施設管理運営業の営業利益は+45.2%でした
③ 免税店と卸売
- 国際線の免税店や、他空港への卸売など、訪日外国人の増加を取り込む事業をもっています
4. 弱み・リスク
① 航空需要の変動
- 会社は、中国の渡航自粛や中東情勢の悪化にともなう燃料価格の高騰などで航空需要が低迷する可能性を挙げています
② 物品販売の費用
- 物品販売業は、商品売上原価・支払家賃・人件費・広告宣伝費などが増え、営業利益が6.5%減りました
③ 2027年3月期の当期純利益は減益予想
- 2027年3月期は、第1ターミナル北側サテライト施設の完成にともなう減価償却費の増加などもあり、営業利益456億円(+1.2%)、当期純利益242億円(−17.0%)の予想です
5. ライバルとの比較
空港の会社は上場企業が少ないため、航空会社のJAL・ANAホールディングスと並べます。業種も会計基準(JALはIFRS)も違うので、おおまかな比較です。3社とも2026年3月期です。
| 日本空港ビルデング | JAL | ANAHD | |
|---|---|---|---|
| 売上(営業収益) | 2,898億円(+7.4%) | 2兆125億円(+9.1%) | 2兆5,392億円(+12.3%) |
| 利益(営業/EBIT) | 450億円(+16.8%) | 2,180億円(EBIT) | 2,174億円 |
| 利益率 | 15.5% | 10.8% | 8.6% |
| 自己資本(帰属持分)比率 | 42.7% | 40.3% | 37.7% |
- 規模は小さいものの、利益率は航空会社より高い水準です(→JAL(日本航空)の強みとは、ANAホールディングスの強みとは)。訪日客の影響を受けるレジャーの会社はオリエンタルランドの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
日本空港ビルデングの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 羽田空港の旅客数 | 国内線6,709万人、国際線2,457万人 | 決算短信(今後の見通し) |
| 施設管理運営業の営業利益 | 283億円 | 決算短信(セグメントの状況) |
| 物品販売業の営業利益 | 275億円 | 決算短信(セグメントの状況) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 営業収益2,967億円、営業利益456億円、当期純利益242億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年95円、2027年3月期予想95円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美旅行する人が増えると、施設の利用料もお店の売上も増えるのね。羽田の旅客数を毎回見ておきたいな
まとめ
- 日本空港ビルデングは、羽田空港の旅客ターミナルの運営と空港の物品販売の会社
- 2026年3月期は営業利益450億円(+16.8%)
- 営業利益は施設管理運営業と物品販売業でほぼ半分ずつ
- 料金の改定と旅客数の増加で施設管理運営業が+45.2%
- 2027年3月期は営業利益456億円・当期純利益242億円の予想
参考文献
- 日本空港ビルデング. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/97060/140120260508520224.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 日本航空. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日). https://www2.jpx.co.jp/disc/92010/140120260430514545.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- ANAホールディングス. ANAホールディングス株式会社 説明会 2026年3月期決算(2026年4月30日). https://www.ana.co.jp/group/investors/data/kessan/pdf/2026_04_1.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。