神戸物産の強みとは:「業務スーパー」1,122店を展開し、自社工場の商品と直輸入品を売る会社。セグメント利益の約95%が業務スーパー事業。2025年10月期は営業利益399億円(+16.1%)、ROE22.2%
神戸物産を、2025年10月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2025年12月12日、東証の適時開示)で分析しました。売上高5,517億円(+8.6%)、営業利益399億円(+16.1%、営業利益率7.2%)、経常利益481億円(+52.3%、デリバティブ評価益53億円を含む)、親会社株主に帰属する当期純利益319億円(+48.7%)、ROE22.2%、自己資本比率60.5%。業務スーパー事業の売上高5,305億円(+8.5%)・セグメント利益435億円で、出店49・退店11で総店舗数1,122。自社グループ工場のオリジナル商品と自社直輸入品のプライベートブランドが中心。外食・中食(神戸クック・ワールドビュッフェ、プレミアムカルビ、馳走菜)165億円、エコ再生エネルギー47億円。年30円の配当(特別配当4円を含む)、2026年10月期は営業利益430億円・年32円の予想。パン・パシフィック・インターナショナルHDとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男業務スーパーって、神戸物産の会社なんだね

メル美決算短信だと、フランチャイズのオーナーがお店を出していて、商品は自社の工場や直輸入でそろえているんだって。ROEは20%を超えているみたい
企業分析の連載、262社目は神戸物産です。2025年10月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2025年12月12日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のパン・パシフィック・インターナショナルHD(ドン・キホーテ)の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、神戸物産株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の店や商品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
自社グループ工場でつくるオリジナル商品と、自社で直輸入した商品などのプライベートブランドを「業務スーパー」で売る会社。外食・中食と、太陽光などの発電事業も
| 項目(日本基準・連結) | 2025年10月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 5,517億円 | +8.6% |
| 営業利益 | 399億円 | +16.1% |
| 営業利益率 | 7.2% | 前期 6.8% |
| 経常利益 | 481億円 | +52.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 319億円 | +48.7% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 22.2% | 前期 17.8% |
| 自己資本比率 | 60.5% | 前期 55.4% |
| 配当 | 年30円(特別配当4円を含む、配当性向20.8%) | 前期 23円 |
- 経常利益が営業利益より大きいのは、営業外収益にデリバティブ評価益(53億円)などがあるためです
- 会社は「食の製販一体体制」の強化をグループの目標にしています
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| 業務スーパー事業 | 出店49・退店11で1,122店。価格戦略とPB商品のメディア露出で集客力が向上 | 5,305億円(+8.5%) | 435億円 |
| 外食・中食事業 | 神戸クック・ワールドビュッフェ19店、プレミアムカルビ22店、惣菜店の馳走菜149店 | 165億円(+16.4%) | 11億円 |
| エコ再生エネルギー事業 | 太陽光発電所19か所(約81.0MW)、木質バイオマス1か所(約6.2MW) | 47億円(+2.1%) | 11億円 |
- 3つのセグメントの利益の合計のうち、約95%が業務スーパー事業です(計算値)
- 業務スーパーの新規出店は、直轄エリア28店、地方エリア21店でした
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 製造から販売まで
- 自社グループの食品製造工場の生産能力を増やし、商品開発を進めています。PB商品をベストプライスで売ることを強みとしています
② フランチャイズの出店意欲
- 古くなった店舗の移転などをFCオーナーにすすめ、FCオーナーの出店意欲は引き続き旺盛で、今後も新規出店を見込んでいるとしています
③ 高い ROE と厚い財務
- ROEは22.2%、自己資本比率は60.5%です。現金及び現金同等物は1,305億円あります
4. 弱み・リスク
① 為替と仕入れコスト
- 直輸入品も扱い、会社は不安定な為替の変動や物価上昇による仕入れコストの増加があったとしています(→FXのしくみとレバレッジ規制)
② 経常利益の振れ
- 2025年10月期の経常利益にはデリバティブ評価益がふくまれます。2026年10月期の経常利益は437億円(−9.1%)の予想です
③ 食の安全
- 会社は、2025年7月末から農産品の全輸入コンテナを対象に残留農薬の自主検査を始め、「食の安全・安心」への取り組みを強めています
5. ライバルとの比較
ディスカウントストアのパン・パシフィック・インターナショナルHDと並べます。決算期と売っているものが違うので、おおまかな比較です。
| 神戸物産(2025年10月期) | PPIH(2026年6月期) | |
|---|---|---|
| 売上高 | 5,517億円(+8.6%) | 2兆4,453億円(+8.8%) |
| 営業利益 | 399億円(+16.1%) | 1,748億円(+7.7%) |
| 営業利益率 | 7.2% | 7.2% |
| ROE | 22.2% | 16.8% |
| 自己資本比率 | 60.5% | 44.0% |
- 営業利益率は同じ水準で、ROEと自己資本比率は神戸物産が高い結果です(→パン・パシフィック・インターナショナルHD(ドン・キホーテ)の強みとは)。外食の会社はゼンショーホールディングスの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
神戸物産の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年10月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 業務スーパーの店舗数(出店・退店) | 1,122店(出店49・退店11) | 決算短信(業務スーパー事業) |
| 業務スーパー事業のセグメント利益 | 435億円 | 決算短信(セグメント情報) |
| デリバティブ評価益 | 53億円 | 決算短信(連結損益計算書) |
| 会社の業績予想 | 2026年10月期 売上高5,665億円、営業利益430億円、当期純利益295億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年30円、2026年10月期予想32円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男自分たちでつくって、フランチャイズのお店で売るしくみなんだね。為替の影響も見ておこう
まとめ
- 神戸物産は、業務スーパーを1,122店展開する会社
- 2025年10月期は営業利益399億円(+16.1%)、ROE22.2%
- 利益の約95%が業務スーパー事業
- 強みは製販一体とPB商品、FCの出店
- 2026年10月期は営業利益430億円・年32円の予想
参考文献
- 神戸物産. 2025年10月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2025年12月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/30380/140120251211517802.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス. 2026年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年8月18日). https://ppih.co.jp/ir/library/earnings/pdf/PPIH_FY2026_Q4_Financial_Results_J.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。