FXのしくみとレバレッジ規制:少ないお金で大きな額の外貨を売買できる取引。個人は証拠金4%以上(最大25倍)と決められているが、相場が急に動けば証拠金以上の損も。業者の「登録」は必ず確認
FX(外国為替証拠金取引)のしくみとリスクを、金融庁の「外国為替証拠金取引について」と国税庁のタックスアンサーでまとめました。個人の店頭FXは取引金額の4%以上の証拠金が必要(レバレッジ25倍以下)。2010年8月に2%以上、2011年8月に4%以上となりました。ロスカットがあっても、相場の急変時には証拠金を上回る損失が出ることがあります。スワップポイントは受け取りから支払いに変わることも。日本の居住者にFXを業として行うには金融商品取引業の登録が必要で、海外のライセンスだけの業者は違法。利益は「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税です。

プレ男FXって、10万円で250万円分のドルが買えるんでしょ? すごくない?

メル美それって、損するときも25倍ってことだよね…?
今回は、FX(外国為替証拠金取引)のしくみとレバレッジ規制です。金融庁「外国為替証拠金取引について」(令和2年2月21日更新)、金融庁の有識者検討会の資料、国税庁タックスアンサー No.1521で確認しました。
この記事はしくみとリスクの説明です。FX取引や特定の業者をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
FXとは
- 金融庁によると、FXは「証拠金を差し入れて、日本円と米ドルなど、2つの国の通貨の為替相場を予測して売買を行う金融商品」です。外国為替(Foreign Exchange)から「FX」と呼ばれます
- 少額で始められ、投資金額より大きな額の取引ができます。金融庁は、資金効率が良い反面、「証拠金以上の損失が生じるおそれがあり、元本も利益も保証されない取引」としています
- 取引のしかたは2種類あります
| 店頭FX | 取引所FX | |
|---|---|---|
| 相手 | FX業者と1対1(相対)で取引 | 金融商品取引所に上場された取引(東京金融取引所) |
| 証拠金の管理 | 業者が信託銀行などに分けて管理 | 取引所に預けられて管理 |
レバレッジ規制:個人は「4%以上」
- 個人が店頭FXをするときは、通貨ペアにかかわらず、取引金額の4%以上の証拠金を入れて、維持する必要があります。レバレッジに直すと25倍以下です(金融庁)
- この規制は段階的に入りました(金融庁の有識者検討会資料)
| 時期 | 証拠金率 | レバレッジ |
|---|---|---|
| 2010年8月〜 | 2%以上 | 50倍以下 |
| 2011年8月〜 | 4%以上 | 25倍以下 |
- 法人は、通貨ペアごとに過去の相場から計算した額以上の証拠金が必要です。取引所FXは、取引所が証拠金の基準額を計算します
25倍だと、どうなる?
あくまで仮の計算です(手数料・スワップポイント・税金は入れていません)。証拠金10万円で、最大の25倍、250万円分のドルを買ったとします。
| ドル円の動き | 損益 | 証拠金に対して |
|---|---|---|
| +1% | +2万5,000円 | +25% |
| −1% | −2万5,000円 | −25% |
| −4% | −10万円 | −100%(証拠金がなくなる) |
- 為替が4%動くだけで、証拠金はなくなる計算です
- 実際には、損が一定の水準になると「ロスカット」が働きます(次の項目)
ロスカットがあっても「証拠金以上の損」はありうる
- FX業者は、損失の拡大を防ぐためのロスカットルールを定めることになっています。評価損があらかじめ決めた水準に達すると、業者が強制的に決済します
- ただし金融庁は、「相場が急激に変動したときは、ロスカットルールが適用されても、証拠金の額を上回る損失が生じることがあります」と書いています。その場合、足りない分は自分で払うことになります
そのほかのリスク(金融庁)
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 相場変動リスク | 政策金利・景気・経済指標・金融政策・政治情勢・要人の発言などで為替は動く |
| 金利変動リスク | 通貨の金利差の調整額(スワップポイント)は毎日変わり、受け取りから支払いに変わることもある |
| 流動性リスク | 相場が急変すると、売値と買値の差(スプレッド)が広がり、思った取引ができないことがある |
| 信用リスク | 業者の財務が悪化すると、取引ができなくなるなどの不利益 |
| システムリスク | 取引所や業者、自分のネット環境の障害で、取引が遅れたり止まったりする |

メル美4%動いたら証拠金ゼロ。ロスカットがあっても、急変すればそれ以上の損もある。25倍って「上限」なんだね
業者は「登録」を確認
- FXは金融商品取引法上のデリバティブ取引です。日本に住む人にFXを業として行うには、金融商品取引業の登録が必要です
- 金融庁は、「たとえ海外で金融商品取引のライセンスを持つ業者であっても、日本で登録を受けずに日本に居住する者に対して金融商品取引を業として行うことは禁止されています」と書いています
- 無登録業者と取引すると、トラブルがあっても責任を追及するのはきわめて難しい、とされています
- 登録業者でも、業者の信用力を見ることが大切です。店頭FX業者は、カバー取引をしていない割合(未カバー率)や平均証拠金率などのリスク情報をウェブサイトで公表しています
- SNSで「海外FXならレバレッジ1000倍」などと勧められたときは、SNS型投資詐欺の手口と相談窓口もあわせて読んでください
禁止されている勧誘
金融庁によると、FXでは次のような勧誘は禁止されています。
- 勧誘を頼んでいない人に、訪問や電話で店頭FXを勧誘すること
- 勧誘を受ける意思があるかを確かめずに勧誘すること
- 「契約しない」「もう勧誘しないで」と言った人に勧誘を続けること
税金
- 国税庁によると、登録業者などを相手にした店頭FX・取引所FXの利益は、ほかの所得と分けて「先物取引に係る雑所得等」として、所得税15%・住民税5%(ほかに復興特別所得税)の申告分離課税です
- 損失は、ほかの「先物取引に係る雑所得等」とだけ相殺でき、引ききれない分は翌年以後3年間繰り越せます
- 一方、市場デリバティブにも店頭デリバティブ(登録業者などが相手)にもあたらない取引の利益は、一般に雑所得として総合課税になります
- くわしくは税金の話の分離課税へ
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為替の上か下かを当てる取引はバイナリーオプションのしくみとトラブルへ。
外貨を預金で持つ場合は外貨預金のしくみと注意点へ。
口座数や、資産が減った口座の割合などの統計はFXの統計を見るも参考にしてください。
まとめ
- FXは、証拠金を担保に、2つの通貨を売買する取引。元本も利益も保証されない
- 個人の店頭FXは証拠金4%以上=レバレッジ25倍以下(2011年8月〜)
- 25倍なら4%の値動きで証拠金がなくなる計算。ロスカットがあっても証拠金以上の損がありうる
- スワップポイントは支払いに変わることもある
- 日本の居住者向けには金融商品取引業の登録が必須。海外ライセンスだけの業者はだめ
- 利益は「先物取引に係る雑所得等」で申告分離課税
参考文献
- 金融庁. 外国為替証拠金取引について(令和2年2月21日更新). https://www.fsa.go.jp/ordinary/iwagai/ (閲覧日:2026年10月5日)
- 金融庁. 討議資料(店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会 第5回). https://www.fsa.go.jp/news/29/singi/20180530-1/02.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
- 国税庁. No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1521.htm (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。