企業分析2026年10月12日

神戸製鋼所の強みとは:鉄鋼・アルミの素材に、機械・エンジニアリング・建設機械(コベルコ)・電力(発電所)まで持つ会社。2026年3月期は売上高2兆4,366億円・経常利益1,213億円(−22.8%)。素材は不振で、利益の柱は機械(467億円)と電力(347億円)

神戸製鋼所を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日)で分析しました。売上高2兆4,366億円(−4.6%)、営業利益1,299億円(−18.2%)、経常利益1,213億円(−22.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益937億円(−22.0%)、ROE7.7%、自己資本比率44.0%。セグメントの経常利益は、機械467億円(+141億円、等方圧加圧装置の需要とサービス案件)、電力347億円(−175億円、神戸発電所3号機の定期点検の延長、燃料費調整の時期ずれなどの増益影響の縮小)、エンジニアリング126億円、建設機械123億円(前期の補償金収入の剥落)、素形材87億円、溶接58億円、鉄鋼アルミ28億円(−207億円、建設需要の停滞と在庫評価の悪化)。年80円の配当(前期100円)、2027年3月期は数量の回復とコスト改善で営業利益1,500億円・年80円の予想。日本製鉄との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男神戸製鋼って鉄の会社だよね。鉄が売れないと大変なんじゃない?

メル美決算短信を見ると、いま利益がいちばん大きいのは「機械」と「電力」なんだって。発電所も持っているのね

企業分析の連載、121社目は神戸製鋼所です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日)で確認しました。比較には、この連載の日本製鉄の強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、神戸製鋼所株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

鉄鋼・アルミ板、鋳鍛鋼などの素材に、溶接材料、産業機械、エンジニアリング、建設機械、発電所による電力の事業を組み合わせた会社

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 2兆4,366億円 −4.6%
営業利益 1,299億円 −18.2%
経常利益 1,213億円 −22.8%
親会社株主に帰属する当期純利益 937億円 −22.0%
ROE(自己資本当期純利益率) 7.7% 前期 10.8%
自己資本比率 44.0% 前期 40.2%
配当 年80円(配当性向33.6%) 前期 100円

2. 何で稼いでいるか

セグメント利益は経常利益で示されています。

セグメント 中身(決算短信の記載) 売上高 経常利益
機械 等方圧加圧装置(IP装置)など 2,827億円(+6.6%) 467億円(+141億円)
電力 神戸発電所などの売電 2,032億円(−21.5%) 347億円(−175億円)
エンジニアリング 廃棄物処理関連など 1,938億円(+10.9%) 126億円(−34億円)
建設機械 油圧ショベル、クローラクレーン 3,895億円(前期並み) 123億円(−64億円)
素形材 鋳鍛鋼、アルミ押出、サスペンションなど 3,328億円(+5.0%) 87億円(−20億円)
溶接 溶接材料 964億円(+2.7%) 58億円(+6億円)
鉄鋼アルミ 鋼材、アルミ板 9,969億円(−10.7%) 28億円(−207億円)

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 機械の好調

② 電力の安定収益

③ 事業の多さ

4. 弱み・リスク

① 鉄鋼の不振

② 電力の一過性要因

③ 減損

5. ライバルとの比較

鉄鋼大手の日本製鉄と比べます。会計基準(日本製鉄はIFRS)と事業の中身(神戸製鋼は機械・電力の比重が大きい)が違うので、おおまかな比較です(どちらも2026年3月期)。

神戸製鋼所 日本製鉄
売上(売上収益) 2兆4,366億円(−4.6%) 10兆632億円(+15.7%)
本業の利益 経常利益 1,213億円 事業利益 5,141億円
親会社株主(所有者)に帰属する当期純利益 937億円 171億円
自己資本(親会社所有者帰属持分)比率 44.0% 37.7%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

神戸製鋼所の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
セグメント別の経常利益 機械467億円、電力347億円、鉄鋼アルミ28億円など 決算短信(セグメント毎の状況)
機械の受注高・受注残高 2,701億円・2,412億円 決算短信(機械)
会社の業績予想 2027年3月期 売上高2兆5,600億円程度、営業利益1,500億円程度 決算短信
配当 年80円、2027年3月期予想80円 決算短信

プレ男鉄の会社だと思っていたけど、機械と発電所が利益を支えているんだね。鉄鋼の回復も見ておこう

まとめ


参考文献

  1. 神戸製鋼所. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日). https://www.kobelco.co.jp/ir/results/pdf/260511_kessan.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. 日本製鉄. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月13日). https://www.nipponsteel.com/ir/library/settlement/pdf/20260513_100.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。