企業分析2026年10月12日

三井E&Sの強みとは:船の大型エンジン(舶用推進システム)と港のコンテナクレーン(物流システム)が営業利益の約4分の3。2026年3月期は営業利益376億円(+62.7%)、ROE19.3%。アンモニア焚きエンジンの開発、米国向けクレーンも

三井E&Sを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日、東証の適時開示)で分析しました。受注高3,158億円(−25.1%)、売上高3,532億円(+12.1%)、営業利益376億円(+62.7%、営業利益率10.7%)、経常利益449億円(+61.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益385億円(−1.6%、関係会社株式売却益の減少)、ROE19.3%、自己資本比率46.3%。セグメントの営業利益は、舶用推進システム145億円(+93.6%、大型エンジン・二元燃料エンジン、アフターサービス)、物流システム139億円(+134.1%、コンテナクレーン)、成長事業推進88億円(+28.4%、産業機械)、周辺サービス8億円。2025年12月にR&Iから発行体格付「A−」を取得。年57円の配当、2027年3月期は営業利益320億円(−15.0%)・年60円の予想。川崎重工業・IHIとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男三井E&Sって、何をつくっている会社なの?

メル美決算短信を見ると、船を動かす大きなエンジンと、港でコンテナを積み下ろしするクレーンが利益の中心なんだって

企業分析の連載、157社目は三井E&Sです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の川崎重工業の強みとは・IHIの強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、三井E&S株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

船の大型エンジン・二元燃料エンジン(舶用推進システム)、港湾のコンテナクレーン(物流システム)、送風機・圧縮機などの産業機械(成長事業推進)を手がける会社

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
受注高 3,158億円 −25.1%
売上高 3,532億円 +12.1%
営業利益 376億円 +62.7%
営業利益率 10.7% 前期 7.3%
経常利益 449億円 +61.7%
親会社株主に帰属する当期純利益 385億円 −1.6%
ROE(自己資本当期純利益率) 19.3% 前期 25.1%
自己資本比率 46.3% 前期 37.8%
配当 年57円(配当性向15.0%) 前期 20円

2. 何で稼いでいるか

当期から報告セグメントの区分を変更しています(前期も組み替えて比較)。

セグメント 主な動き(決算短信の記載) 受注高 売上高 営業利益
舶用推進システム 大型エンジン・二元燃料エンジンの増加、アフターサービスが好調 1,311億円(−38.5%) 1,497億円(+10.5%) 145億円(+93.6%)
物流システム コンテナクレーンの大型工事が順調、採算が改善 666億円(−12.6%) 652億円(+3.9%) 139億円(+134.1%)
成長事業推進 産業機械製品の増加、アフターサービスが好調 433億円(−5.8%) 438億円(+9.3%) 88億円(+28.4%)
周辺サービス 国内のシステム関連・鋼構造物、海外子会社 ー 943億円(+25.5%) 8億円(前期は損失)

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 船のエンジンと環境対応

② コンテナクレーンの海外展開

③ アフターサービス

4. 弱み・リスク

① 受注高の減少

② 2027年3月期は減益の予想

③ 脱炭素市場の立ち上がり

5. ライバルとの比較

重工業の会社と並べます。会計基準(川崎重工・IHIはIFRS)と利益の指標が違い、規模もかなり違うので、おおまかな比較です。

三井E&S 川崎重工業 IHI
売上(売上収益) 3,532億円(+12.1%) 2兆3,112億円(+8.5%) 1兆6,434億円(+1.0%)
利益(営業/事業) 376億円(営業) 1,451億円(事業) 1,655億円(営業)
利益率 10.7% 6.3% 10.1%
ROE 19.3% 13.7% 28.4%
自己資本(帰属持分)比率 46.3% 26.4% 26.9%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

三井E&Sの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
受注高(セグメント別) 3,158億円 決算短信(経営成績の概況)
舶用推進システムの営業利益 145億円 決算短信(セグメント別の連結業績)
物流システムの営業利益 139億円 決算短信(セグメント別の連結業績)
会社の業績予想 2027年3月期 売上高3,700億円、営業利益320億円、当期純利益300億円 決算短信のサマリー
配当 年57円、2027年3月期予想60円 決算短信

プレ男船のエンジンとクレーンで大きく増益だったけど、受注は減っているんだね。受注高がまた増えるかを見ておこう

まとめ


参考文献

  1. 三井E&S. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/70030/140120260514531838.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. 川崎重工業. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/70120/140120260511523885.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  3. IHI. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/70130/140120260507518926.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。