企業分析2026年10月12日

川崎重工業の強みとは:航空機・防衛、船舶・プラント、鉄道車両、油圧機器・ロボット、二輪車などのパワースポーツの5本柱。2026年3月期は受注高2兆7,391億円・売上収益2兆3,112億円(+8.5%)・事業利益1,451億円(+1.4%)。関税でパワースポーツは減益

川崎重工業を、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月12日、東証の適時開示)で分析しました。受注高2兆7,391億円(+1,084億円)、売上収益2兆3,112億円(+8.5%)、事業利益1,451億円(+1.4%、事業利益率6.3%)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,082億円(+22.9%)、ROE13.7%、親会社所有者帰属持分比率26.4%。セグメントの事業利益は、航空宇宙システム624億円(防衛省向け・民間航空機の分担製造品)、エネルギーソリューション&マリン550億円、パワースポーツ&エンジン227億円(−251億円、関税コストと米国の競争環境)、精密機械・ロボット143億円(中国建設機械向け油圧機器、半導体製造装置向けロボット)、車両86億円(ニューヨーク市の地下鉄電車を受注)。2026年4月1日に1株→5株の株式分割。年171円の配当(分割前)、2027年3月期は売上収益2兆5,600億円・事業利益1,700億円・年40円(分割後)の予想。三菱重工業との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男川崎重工って、バイクの会社?

メル美決算短信を見ると、二輪車もあるけど、航空機や防衛、船、鉄道車両、ロボットまで手がけているんだって

企業分析の連載、138社目は川崎重工業です。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月12日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の三菱重工業の強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、川崎重工業株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

航空宇宙システム(防衛省向け・民間航空機の分担製造)、エネルギーソリューション&マリン(船舶・プラント)、車両(鉄道)、精密機械・ロボット(油圧機器・ロボット)、パワースポーツ&エンジン(二輪車・四輪車など)を手がける重工業の会社

項目(IFRS・連結) 2026年3月期 前期比
受注高 2兆7,391億円 +1,084億円
売上収益 2兆3,112億円 +8.5%
事業利益(会社の指標) 1,451億円 +1.4%
事業利益率 6.3% 前期 6.7%
親会社の所有者に帰属する当期利益 1,082億円 +22.9%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 13.7% 前期 13.2%
親会社所有者帰属持分比率 26.4% 前期 23.3%
配当 年171円(株式分割前、配当性向26.4%) 前期 150円

2. 何で稼いでいるか

セグメント 主な動き(決算短信の記載) 受注高 売上収益 事業利益
航空宇宙システム 防衛省向けや民間航空機向けの分担製造品が増加 8,109億円 6,136億円 624億円(+66億円)
エネルギーソリューション&マリン 船舶海洋・プラントの増収、持分法利益の増加 5,529億円 4,335億円 550億円(+107億円)
パワースポーツ&エンジン 北米向け四輪車・先進国向け二輪車は増加、関税コスト 6,817億円 6,828億円 227億円(−251億円)
精密機械・ロボット 中国建設機械向け油圧機器、半導体製造装置向けロボット 2,785億円 2,591億円 143億円(+73億円)
車両 国内・米国向けが増加 3,191億円 2,362億円 86億円(+2億円)

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 防衛と航空機

② エネルギー・環境のプラントと船

③ 鉄道車両とロボット

4. 弱み・リスク

① パワースポーツの減益

② 低い自己資本の比率

③ 航空宇宙の受注の減少

5. ライバルとの比較

重工業大手の三菱重工業と比べます。どちらもIFRS・2026年3月期で、事業利益はそれぞれの会社の指標です。

川崎重工業 三菱重工業
受注高 2兆7,391億円 7兆6,536億円
売上収益 2兆3,112億円(+8.5%) 4兆9,741億円(+14.1%)
事業利益 1,451億円(+1.4%) 4,322億円(+21.8%)
事業利益率 6.3% 8.7%
ROE 13.7% 12.2%
親会社所有者帰属持分比率 26.4% 37.3%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

川崎重工業の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
受注高(セグメント別) 2兆7,391億円 決算短信(経営成績の概況)
パワースポーツ&エンジンの事業利益 227億円 決算短信(セグメント別)
会社の業績予想 2027年3月期 売上収益2兆5,600億円、事業利益1,700億円、当期利益1,100億円 決算短信のサマリー
配当 年171円(分割前)、2027年3月期予想40円(分割後) 決算短信

メル美バイクだけじゃなくて、航空機や防衛、船のプラントが利益の中心なのね。関税でパワースポーツがどうなるかも見ておきたいな

船のエンジンとクレーンの会社は三井E&Sの強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. 川崎重工業. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/70120/140120260511523885.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. 三菱重工業. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月12日). https://www.mhi.com/jp/finance/library/result/pdf/fy20254q/kessan_tansin.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。