企業分析2026年10月12日

三菱ガス化学の強みとは:半導体パッケージ用BT材料・半導体向け薬液などの機能化学品が営業利益の大半、メタノールなどのグリーン・エネルギー&ケミカルも。2026年3月期は営業利益453億円(−10.9%)、減損784億円で当期純損失403億円

三菱ガス化学を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日)で分析しました。売上高7,382億円(−4.6%、エンジニアリングプラスチックスとメタノールの市況下落、オルソキシレンチェーンからの撤退)、営業利益453億円(−10.9%、営業利益率6.1%)、経常利益519億円(−13.9%)、親会社株主に帰属する当期純損失403億円(オランダのメタキシレンジアミン製造子会社、半導体向け薬液製造子会社など複数事業の固定資産の減損損失784億円)、ROE−6.1%、自己資本比率58.1%。セグメントの営業利益は、機能化学品438億円(+5.9%、BT材料などの電子材料がAIサーバー向けなどで増収増益)、グリーン・エネルギー&ケミカル56億円(−55.6%)。年100円の配当、2027年3月期は売上高8,400億円・営業利益590億円(+30.3%)・当期純利益460億円・年110円の予想。東ソー・三井化学との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男三菱ガス化学って、ガスの会社なの?

メル美決算短信を見ると、メタノールなどの化学品と、半導体のパッケージに使う材料や薬液が中心の化学の会社なんだって

企業分析の連載、169社目は三菱ガス化学(決算短信の上場会社名は三菱瓦斯化学株式会社)です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日)で確認しました。比較には、この連載の東ソーの強みとは・三井化学の強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、三菱ガス化学株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

メタノール・メタノールアンモニア系化学品・芳香族化学品・電力などの「グリーン・エネルギー&ケミカル」と、半導体向け薬液などの無機化学品・エンジニアリングプラスチックス・光学材料・電子材料(BT材料)・脱酸素剤の「機能化学品」を手がける化学の会社

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 7,382億円 −4.6%
営業利益 453億円 −10.9%
営業利益率 6.1% 前期 6.6%
経常利益 519億円 −13.9%
親会社株主に帰属する当期純損益 −403億円 前期 455億円
ROE(自己資本当期純利益率) −6.1% 前期 6.9%
自己資本比率 58.1% 前期 59.7%
配当 年100円 前期 95円

2. 何で稼いでいるか

セグメント 主な動き(決算短信の記載) 売上高 営業利益 経常利益
機能化学品 電子材料(BT材料)が増収増益、無機化学品は増収・減益、エンジニアリングプラスチックスと光学材料は減益 4,483億円(+0.9%) 438億円(+5.9%) 491億円(+11.8%)
グリーン・エネルギー&ケミカル メタノールの市況下落、メタキシレンジアミンの競争激化 2,869億円(−11.2%) 56億円(−55.6%) 38億円(−81.2%)

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 半導体パッケージ用のBT材料

② 半導体向け薬液

③ 2027年3月期の回復の見通し

4. 弱み・リスク

① 減損と最終赤字

② 汎用品の市況

③ メタノールの海外拠点

5. ライバルとの比較

化学の会社と比べます。会計基準(三井化学はIFRS)と利益の指標が違うので、おおまかな比較です。3社とも2026年3月期です。

三菱ガス化学 東ソー 三井化学
売上 7,382億円(−4.6%) 1兆199億円(−4.1%) 1兆6,688億円(−7.8%)
営業利益(三井化学はコア営業利益) 453億円(−10.9%) 955億円(−3.4%) 1,000億円(−0.9%)
利益率 6.1% 9.4% 6.0%
ROE −6.1% 5.0% 4.0%
自己資本(帰属持分)比率 58.1% 59.0% 40.2%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

三菱ガス化学の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
機能化学品の営業利益 438億円 決算短信(セグメント別の業績)
グリーン・エネルギー&ケミカルの経常利益 38億円 決算短信(セグメント別の業績)
減損損失 784億円 決算短信(損益計算書)
会社の業績予想 2027年3月期 売上高8,400億円、営業利益590億円、当期純利益460億円 決算短信のサマリー
配当 年100円、2027年3月期予想110円 決算短信

プレ男半導体向けの材料は伸びているけど、汎用品の減損で赤字になったんだね。来年の回復の予想どおりになるか見ておこう

まとめ


参考文献

  1. 三菱ガス化学. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www.mgc.co.jp/ir/files/260513-3.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. 東ソー. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/40420/140120260512526548.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  3. 三井化学. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/41830/140120260508519131.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。