三菱電機の強みとは:空調・家電、ビルシステム、FA(工場の自動化)、電力・防衛、半導体まで。2026年3月期は売上高5兆8,947億円・営業利益4,330億円で、すべてのセグメントが増益。営業利益が最も伸びたのはインフラ(防衛・電力)
三菱電機を、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日、6月11日に設備投資の数表を訂正)で分析しました。売上高5兆8,947億円(+6.8%)、営業利益4,330億円(+10.5%、営業利益率7.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益4,077億円(+25.8%)、ROE9.7%、親会社株主帰属持分比率60.9%。セグメントの営業利益は、ライフ(空調・家電、ビルシステム)1,705億円、インフラ(社会システム、電力、防衛・宇宙)1,547億円(+73%)、インダストリー・モビリティ(FA、自動車機器)1,310億円(+59%)、セミコンダクター・デバイス475億円、デジタルイノベーション119億円。FAはスマートフォン・AI関連の設備投資で増え、自動車機器は中国の日系メーカーの落ち込みで減りました。特別退職金などでその他の損益は悪化。年55円の配当、2027年3月期は調整後営業利益5,900億円の予想(配当予想は未定)。日立との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男三菱電機って、エアコンの会社? それとも家電の会社?

メル美防衛・宇宙や、工場の自動化(FA)の事業もあるらしいよ。どれで稼いでるんだろう
企業分析の連載、44社目は三菱電機です。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日)で確認しました。この決算短信は、2026年6月11日に設備投資の数表が訂正されているので、訂正後の全文を使っています。比較には、この連載の日立製作所の強みとはで確認した日立の数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、三菱電機株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
空調・家電やビル設備、工場の自動化(FA)、電力・交通・防衛のシステム、半導体などをつくる、総合電機メーカー
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 5兆8,947億円 | +6.8% |
| 営業利益 | 4,330億円 | +10.5% |
| 営業利益率 | 7.3% | 前期 7.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,077億円 | +25.8% |
| ROE(親会社株主帰属持分当期純利益率) | 9.7% | 前期 8.4% |
| 親会社株主帰属持分比率 | 60.9% | 前期 61.9% |
| 配当 | 年55円(配当性向27.7%) | 前期 50円 |
- 増収は、円安と価格改善などによるものです
- すべてのセグメントで増益でしたが、特別退職金の計上などで「その他の損益」が835億円悪化しました
2. 何で稼いでいるか
セグメント別の売上高(セグメント間を含む)と営業利益(2026年3月期)です。
| セグメント | 中身(決算短信の記載から) | 売上高 | 営業利益 | 前期 |
|---|---|---|---|---|
| ライフ | 空調・家電、ビルシステム | 2兆3,183億円 | 1,705億円 | 1,573億円 |
| インフラ | 社会システム(交通・UPSなど)、電力、防衛・宇宙 | 1兆4,634億円 | 1,547億円 | 895億円 |
| インダストリー・モビリティ | FAシステム、自動車機器 | 1兆6,739億円 | 1,310億円 | 826億円 |
| セミコンダクター・デバイス | 半導体・電子デバイス | 2,871億円 | 475億円 | 406億円 |
| デジタルイノベーション | ITインフラ・セキュリティ、製造DX | 1,580億円 | 119億円 | 109億円 |
- 利益がいちばん大きいのはライフ、いちばん伸びたのはインフラ(約1.7倍)です
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① 空調とビル
- 空調・家電は、欧州・国内・北米で家庭用・業務用の空調機器が増えました。ビルシステムは、中東の関係会社の連結子会社化や、海外(中国を除く)・国内のリニューアルで増えました
② 電力・防衛
- インフラは、国内外の電力流通事業、防衛システムの大口案件、国内の交通事業、海外向けUPS(無停電電源装置)で増え、営業利益は1,547億円(前期895億円)
③ 工場の自動化(FA)
- FAシステムは、スマートフォン・AI関連の設備投資や工作機械関連の需要で増えました
4. 弱み・リスク
① 自動車機器
- 自動車機器は、中国での日系自動車メーカーの販売の落ち込みや、北米向けカーマルチメディアの事業縮小で減りました
② 事業構造改革の費用
- 特別退職金などで、その他の損益が前期より835億円悪化しました
③ 為替
- 増収の要因に円安が挙げられており、円高になると逆の影響を受けます
5. ライバルとの比較
総合電機の日立製作所と比べます。どちらもIFRS・2026年3月期ですが、利益の指標の定義が違うので、おおまかな比較です。
| 三菱電機 | 日立製作所 | |
|---|---|---|
| 売上 | 5兆8,947億円(+6.8%) | 10兆5,867億円(+8.2%) |
| 利益 | 営業利益4,330億円(7.3%) | 調整後営業利益1兆1,992億円 |
| 親会社株主に帰属する当期利益 | 4,077億円(+25.8%) | 8,023億円(+30.3%) |
- 日立はIT・送電網の比重が大きく、三菱電機は空調・ビル・FAの比重が大きい会社です(→日立製作所の強みとは)。空調の専業はダイキン工業の強みとはへ
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
三菱電機の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| セグメント別の営業利益 | ライフ1,705億円、インフラ1,547億円など | 決算短信(セグメント情報) |
| その他の損益(特別退職金など) | 前期比835億円悪化 | 決算短信(経営成績) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高6兆2,000億円、調整後営業利益5,900億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年55円、2027年3月期は未定 | 決算短信 |
- 2027年3月期から、会社の予想は「調整後営業利益」(営業利益から事業・資産売却損益、減損損失などを除いたもの)で示されています
- 決算短信が訂正されることもあります。最新の版を確かめましょう(→適時開示(TDnet)の見方)
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美エアコンとビルで一番稼いで、防衛や電力が大きく伸びたのね。決算短信が後から訂正されることもあるんだ
まとめ
- 三菱電機は、空調・ビル・FA・電力・防衛・半導体の総合電機メーカー
- 2026年3月期は売上高5兆8,947億円、営業利益4,330億円、すべてのセグメントで増益
- 稼ぎ頭はライフ(空調・ビル)、大きく伸びたのはインフラ(防衛・電力)
- 課題は自動車機器、特別退職金などの費用、為替
- 2027年3月期は調整後営業利益5,900億円の予想
参考文献
- 三菱電機. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日、2026年6月11日訂正). https://www.mitsubishielectric.co.jp/ja/pr/2026/pdf/0428_co1.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- 日立製作所. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月27日). https://www.hitachi.com/content/dam/hitachi/global/ja_jp/press/files/2026/04/0427/2025_An.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。