三菱自動車工業の強みとは:アジアが利益の柱の自動車メーカー。2026年3月期は販売台数79万7千台(−5%)、営業利益755億円(−45.6%)、当期純利益100億円(−75.6%)。日本の拠点は451億円の営業損失、米国関税・中国メーカーの台頭が逆風
三菱自動車工業を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日、東証の適時開示)で分析しました。グローバル販売台数79万7千台(前年度比5%減)、売上高2兆8,965億円(+3.9%)、営業利益755億円(−45.6%、営業利益率2.6%)、経常利益789億円(−20.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益100億円(−75.6%、米国環境クレジット評価損161億円などの特別損失)、ROE1.1%、自己資本比率38.0%。会社の所在地別の営業損益は、アジア781億円、北米217億円、オセアニア60億円、欧州26億円、日本は451億円の損失。経営環境として米国関税、中国メーカーの台頭、各国の環境規制の変更を挙げ、新型デスティネーターなどで足元の収益性は改善基調。年10円の配当(配当性向133.7%)、2027年3月期は新型車の通年寄与で売上高3兆2,600億円・営業利益900億円・年10円の予想。マツダとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男三菱自動車って、どこでよく売れているの?

メル美決算短信を見ると、アジアの拠点がいちばん利益を出しているんだって。日本の拠点は赤字みたい
企業分析の連載、133社目は三菱自動車工業です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のマツダの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、三菱自動車工業株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
アジア・北米・オセアニア・欧州などで自動車を売り、販売金融も手がける自動車メーカー
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| グローバル販売台数 | 79万7千台 | −5% |
| 売上高 | 2兆8,965億円 | +3.9% |
| 営業利益 | 755億円 | −45.6% |
| 営業利益率 | 2.6% | 前期 5.0% |
| 経常利益 | 789億円 | −20.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 100億円 | −75.6% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 1.1% | 前期 4.2% |
| 自己資本比率 | 38.0% | 前期 41.6% |
| 配当 | 年10円(配当性向133.7%) | 前期 15円 |
- 会社は、米国関税の影響、中国メーカーの台頭、各国での環境規制の変更など大きな変化が続き、対応に苦慮した1年だったとしています
- 特別損失に、米国環境クレジット評価損161億円などを計上しました
2. 何で稼いでいるか
セグメントは自動車(売上高2兆8,622億円、営業利益725億円)と金融(売上高515億円、営業利益28億円)です。ここでは、会社の所在地別の数字を見ます。
| 所在地 | 外部顧客への売上高 | 営業損益 |
|---|---|---|
| アジア | 5,672億円 | 781億円 |
| 北米 | 6,502億円 | 217億円 |
| オセアニア | 2,708億円 | 60億円 |
| 欧州 | 2,000億円 | 26億円 |
| その他 | 214億円 | 6億円 |
| 日本 | 1兆1,870億円 | −451億円 |
- 営業利益の中心はアジアです。日本の拠点は売上高がいちばん大きいものの、営業損失です
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① アジアでの収益
- アジアの拠点の営業利益は781億円です
② 新型車の投入
- 会社は、新型デスティネーターをはじめとする新型車の販売が立ち上がり、足元の収益性は改善基調にあるとしています。修正後の通期営業利益の予想を上回って着地しました
③ 2027年3月期の回復の見通し
- 2026年度下期に投入した新型車の通年の寄与と仕向け地の拡大で、売上高3兆2,600億円(+12.5%)、営業利益900億円(+19.2%)の増収増益を見込んでいます
4. 弱み・リスク
① 販売台数の減少
- グローバル販売台数は5%減りました
② 外部環境
- 米国関税、中国メーカーの台頭に加え、2026年に入ってからの中東情勢の悪化などの地政学リスク、材料調達や原材料・物流コストの上昇を挙げています
③ 日本の拠点の赤字と低いROE
- 日本の拠点は451億円の営業損失、ROEは1.1%、配当性向は133.7%でした
5. ライバルとの比較
同じく日本の自動車メーカーのマツダと比べます。どちらも日本基準・2026年3月期です。
| 三菱自動車 | マツダ | |
|---|---|---|
| 販売台数 | 79万7千台(−5%) | 122万3千台(−6.1%) |
| 売上高 | 2兆8,965億円(+3.9%) | 4兆9,182億円(−2.0%) |
| 営業利益 | 755億円(−45.6%) | 516億円(−72.3%) |
| 営業利益率 | 2.6% | 1.0% |
| ROE | 1.1% | 1.9% |
- どちらも米国関税などで大きな減益でした(→マツダの強みとは)。自動車メーカーは日産自動車の現状と課題、トラックの会社はいすゞ自動車の強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
三菱自動車の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| グローバル販売台数 | 79万7千台 | 決算短信(経営成績) |
| 所在地別の営業損益 | アジア781億円、日本−451億円など | 決算短信(補足情報) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高3兆2,600億円、営業利益900億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年10円、2027年3月期予想10円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美アジアで稼いでいるけど、日本の拠点は赤字なのね。新型車で来年どこまで回復するかを見ておきたいな
まとめ
- 三菱自動車は、アジアが利益の柱の自動車メーカー
- 2026年3月期は販売台数79万7千台(−5%)、営業利益755億円(−45.6%)
- 日本の拠点は451億円の営業損失、特別損失に米国環境クレジット評価損
- 逆風は米国関税と中国メーカーの台頭
- 2027年3月期は新型車で営業利益900億円の予想
参考文献
- 三菱自動車工業. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/72110/140120260508519452.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- マツダ. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www.mazda.com/content/dam/mazda/corporate/mazda-com/ja/pdf/investors/library/result/2026/result20260512_j.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。