企業分析2026年10月12日

日産自動車の現状と課題:経営再建計画「Re:Nissan」のさなか。2026年3月期は売上高12兆79億円(−4.9%)、営業利益580億円、減損損失などの特別損失で当期純損失5,331億円。小売台数は315万1千台(−5.8%)、2年連続の無配

日産自動車を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日、東証の適時開示)で分析しました。売上高12兆79億円(−4.9%)、営業利益580億円(−16.9%、営業利益率0.5%、米国関税と為替の影響の多くをコスト削減で相殺)、経常利益11億円、特別損失5,768億円(減損損失3,662億円、特別退職加算金850億円など)、親会社株主に帰属する当期純損失5,331億円、自己資本比率24.2%。グローバル小売台数は315万1千台(−5.8%)で、日本は39万9千台(−13.5%)、米国は90万6千台(−3.4%)、中国は65万3千台(−6.3%)。自動車事業のフリーキャッシュフローはマイナス4,808億円、自動車事業のネットキャッシュは1兆1,704億円。配当は0円。2027年3月期は売上高13兆円・営業利益2,000億円・当期純利益200億円の予想で、モノづくりコストの減少で3,400億円の増益を見込む。ホンダとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか(販売台数)
  3. 3. 強み(立て直しの手がかり)
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男日産って大きな赤字が続いているって聞いたよ。何が起きているの?

メル美決算短信には、2025年5月に発表した経営再建計画「Re:Nissan」って書いてあるよ。工場などの資産の減損で、大きな特別損失を出しているみたい

企業分析の連載、110社目は日産自動車です。この会社はいま経営の立て直しの途中にあるため、「強みとは」ではなく「現状と課題」としてまとめます。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のホンダ(本田技研工業)の強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、日産自動車株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

世界で自動車をつくって売り、販売金融(ローン・リース)も手がける自動車メーカー。2025年5月に発表した経営再建計画「Re:Nissan」で立て直しを進めている

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 12兆79億円 −4.9%
営業利益 580億円 −16.9%
営業利益率 0.5% 前期 0.6%
経常利益 11億円 −99.5%
特別損失 5,768億円 前期 6,466億円
親会社株主に帰属する当期純損益 5,331億円の損失 前期は6,709億円の損失
自己資本比率 24.2% 前期 26.1%
配当 0円 前期 0円

2. 何で稼いでいるか(販売台数)

日産のセグメントは自動車と販売金融です。ここでは、地域ごとの小売台数を見ます。

地域 小売台数 前期比 市場占有率
グローバル 315万1千台 −5.8% 3.5%
北米(メキシコ・カナダを含む) 129万1千台 −0.9% ー
うち米国 90万6千台 −3.4% 5.7%
中国 65万3千台 −6.3% 2.4%
日本 39万9千台 −13.5% 8.8%
欧州(ロシアを含む) 31万7千台 −9.7% 1.9%
その他 49万1千台 −8.1% ー

3. 強み(立て直しの手がかり)

会社の資料にある事実から、この連載で立て直しの手がかりと考えた点です。

① コスト削減

② 手元のお金

③ 北米の販売

4. 弱み・リスク

① 販売台数の減少

② 大きな損失とキャッシュの流出

③ 2027年3月期の見通しの前提

5. ライバルとの比較

同じ日本の自動車メーカーのホンダと比べます。会計基準(ホンダはIFRS)が違うので、おおまかな比較です(どちらも2026年3月期)。

日産自動車 ホンダ
売上高(売上収益) 12兆79億円(−4.9%) 21兆7,966億円(+0.5%)
営業利益 580億円 −4,143億円(損失)
当期純損益 −5,331億円 −4,239億円
配当 0円 年70円

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

日産の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
グローバル小売台数 315万1千台(−5.8%) 決算短信(経営成績の概況)
営業利益 580億円 決算短信のサマリー
特別損失(減損など) 5,768億円 決算短信(連結損益計算書)
自動車事業のフリーキャッシュフロー・ネットキャッシュ −4,808億円・1兆1,704億円 決算短信(経営成績の概況)
会社の業績予想 2027年3月期 売上高13兆円、営業利益2,000億円、当期純利益200億円 決算短信のサマリー

メル美販売台数が減って、大きな特別損失も出ているのね。コスト削減の見込みどおりに利益が戻るか、次の決算で確かめたいな

まとめ


参考文献

  1. 日産自動車. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/72010/140120260512525147.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. 本田技研工業. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日). https://global.honda/jp/investors/library/filings/auto_20260513531560/pdfFile.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。