企業分析2026年10月12日

いすゞ自動車の強みとは:トラック・バスの商用車(CV)と、ピックアップトラック(LCV)、産業用エンジンの会社。2026年3月期は売上収益3兆4,791億円(+7.5%)、総販売台数56万5,858台(+8.1%)。米国関税や中東情勢の出荷停止で営業利益は2,037億円(−11.2%)

いすゞ自動車を、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月13日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益3兆4,791億円(+7.5%)、営業利益2,037億円(−11.2%、営業利益率5.9%)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,349億円(−3.7%)、ROE9.5%、親会社所有者帰属持分比率40.4%。総販売台数は56万5,858台(+8.1%)で、国内8万1,741台(+5.5%)、海外のCV(トラック・バス)22万9,898台(+6.0%、中近東・アフリカ・中南米)、LCV(ピックアップトラックと派生車)25万4,219台(+11.0%)。産業用エンジンの売上収益は1,280億円(+21.4%)。米国関税、資材費の上昇、為替、成長関連費用、中東情勢による3月の出荷停止で減益。セグメント利益は自動車1,899億円、金融139億円。年92円の配当(配当性向47.6%)、2027年3月期は中東情勢で400億円の減益影響を織り込み営業利益2,600億円(+27.6%)・年94円の予想。マツダとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男いすゞって、街で見かけるトラックの会社だよね

メル美決算短信を見ると、海外で売るピックアップトラックの台数がトラック・バスより多いんだって

企業分析の連載、113社目はいすゞ自動車です。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月13日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のマツダの強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、いすゞ自動車株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

トラック・バス(CV)、ピックアップトラックとその派生車(LCV)、産業用エンジンをつくって世界で売る会社

項目(IFRS・連結) 2026年3月期 前期比
売上収益 3兆4,791億円 +7.5%
営業利益 2,037億円 −11.2%
営業利益率 5.9% 前期 7.1%
親会社の所有者に帰属する当期利益 1,349億円 −3.7%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 9.5% 前期 10.2%
親会社所有者帰属持分比率 40.4% 前期 41.6%
総販売台数 56万5,858台 +8.1%
配当 年92円(配当性向47.6%) 前期 92円

2. 何で稼いでいるか

販売台数

区分 台数 前期比
国内(車両) 8万1,741台 +5.5%
海外のCV(トラック・バス) 22万9,898台 +6.0%
海外のLCV(ピックアップトラック・派生車) 25万4,219台 +11.0%

売上収益の内訳

セグメント 売上収益 セグメント利益
自動車 3兆4,350億円(+7.5%) 1,899億円(−12.1%)
金融 2,108億円(+13.9%) 139億円(−4.0%)

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 新興国を含む幅広い販売先

② 車を売ったあとの事業

③ 産業用エンジン

4. 弱み・リスク

① 米国関税と中東情勢

② 資材費の上昇

③ 北米の売上の減少

5. ライバルとの比較

自動車メーカーのマツダと比べます。いすゞは商用車・ピックアップトラックが中心で、事業の中身が違い、会計基準(マツダは日本基準)も違うので、おおまかな比較です(どちらも2026年3月期)。

いすゞ自動車 マツダ
売上収益(売上高) 3兆4,791億円(+7.5%) 4兆9,182億円(−2.0%)
営業利益 2,037億円(−11.2%) 516億円(−72.3%)
営業利益率 5.9% 1.0%
ROE 9.5% 1.9%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

いすゞの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
CV・LCVの販売台数 海外CV 22万9,898台、海外LCV 25万4,219台 決算短信(経営成績の概況)
自動車事業のセグメント利益 1,899億円 決算短信(セグメントの業績)
会社の業績予想 2027年3月期 売上収益3兆7,000億円、営業利益2,600億円 決算短信(次期の見通し)
配当 年92円、2027年3月期予想94円 決算短信

メル美トラックだけじゃなく、ピックアップトラックやエンジンも売っているのね。中東情勢で出荷が止まった影響がどこまで続くか見ておきたいな

アジアが利益の柱の自動車メーカーは三菱自動車工業の強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. いすゞ自動車. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/72020/140120260513527748.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. マツダ. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www.mazda.com/content/dam/mazda/corporate/mazda-com/ja/pdf/investors/library/result/2026/result20260512_j.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。