NANKAI(旧 南海電気鉄道)の強みとは:難波を起点にした鉄道と、なんばの不動産・商業施設、通天閣も。2026年3月期は万博とインバウンドで営業利益399億円(+15.2%)。2026年4月に鉄道を分社化
NANKAI(2026年4月1日に南海電気鉄道から商号を変更)を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日)で分析しました。営業収益2,647億円(+1.5%)、営業利益399億円(+15.2%、営業利益率15.1%)、経常利益378億円(+6.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益251億円(+11.5%)、ROE7.8%、自己資本比率31.3%。セグメントの営業利益は、運輸業149億円(+12.4%、大阪・関西万博とインバウンド、泉北高速鉄道との合併)、不動産業143億円(+16.0%)、レジャー・サービス業47億円(+39.9%、通天閣観光の寄与)、流通業39億円、建設業29億円。フェリー事業から2028年3月末をめどに撤退。年50円の配当(配当性向22.0%)、2027年3月期は万博の反動減と日中関係の影響を見込み、営業利益400億円・年55円の予想。阪急阪神HD・近鉄GHDとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美南海電鉄って、空港特急ラピートの会社だよね

プレ男2026年4月に、会社の名前が「NANKAI」になって、鉄道は別の会社に分けたんだって。万博の年は利益が大きく伸びたみたい
企業分析の連載、245社目はNANKAI(旧 南海電気鉄道)です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日)で確認しました。比較には、この連載の阪急阪神ホールディングスの強みとは・近鉄グループホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、NANKAI株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
大阪の難波を起点に、鉄道・バスなどの運輸業、なんばの商業施設や賃貸などの不動産業・流通業、旅行や通天閣などのレジャー・サービス業、建設業を手がける会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 2,647億円 | +1.5% |
| 営業利益 | 399億円 | +15.2% |
| 営業利益率 | 15.1% | 前期 13.3% |
| 経常利益 | 378億円 | +6.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 251億円 | +11.5% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 7.8% | 前期 7.5% |
| 自己資本比率 | 31.3% | 前期 31.7% |
| 配当 | 年50円(配当性向22.0%) | 前期 40円 |
- 運輸業の大阪・関西万博の効果やインバウンド需要の拡大、前年度に子会社にした通天閣観光の寄与で増益でした
- 2026年4月1日に鉄道事業を分社化し、会社の名前を「株式会社NANKAI」に変えました。鉄道の会社が「南海電気鉄道株式会社」の名前を引き継いでいます
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 営業収益 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 運輸業 | 泉北高速鉄道との合併で「泉北線」、万博向けのきっぷ・シャトルバス | 1,173億円(+4.1%) | 149億円(+12.4%) |
| 不動産業 | なんばの再開発、北大阪トラックターミナル7号棟が竣工、米国のファンドに出資 | 533億円(+8.6%) | 143億円(+16.0%) |
| レジャー・サービス業 | 旅行業、ビル管理、通天閣観光 | 528億円(+15.9%) | 47億円(+39.9%) |
| 流通業 | なんばCITY・なんばパークス、駅のコンビニ | 305億円(+5.5%) | 39億円(+7.6%) |
| 建設業 | 完成工事高は減ったが利益率が向上 | 470億円(−13.0%) | 29億円(+18.0%) |
| その他 | — | 44億円(+18.8%) | 1億円 |
- セグメントの営業利益の合計409億円のうち、運輸業が約36%、不動産業が約35%です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 観光・インバウンド向けの列車
- 空港特急「ラピート」や、2026年4月に運行を始めた観光列車「GRAN 天空」など、観光とインバウンドの需要を取り込む取り組みをしています
② 不動産の拡大
- 物流施設(「NANKAI-LOGI」)、賃貸マンション、オフィスビルの取得、米国の不動産ファンドへの出資など、収益用不動産への投資を加速しています
③ 利益率の改善
- 営業利益率は15.1%(前期13.3%)に上がりました
4. 弱み・リスク
① 万博の反動と日中関係
- 会社は、2027年3月期に、運輸業を中心に大阪・関西万博の反動減と日中関係の悪化の影響で減収を見込んでいます
② 支払利息の増加
- 2027年3月期は、支払利息の増加などで、経常利益359億円(−4.9%)・当期純利益238億円(−5.3%)の予想です
③ 不採算事業の整理
- 運航コストの上昇や船の老朽化などから、フェリー事業(和歌山・徳島航路)から2028年3月末をめどに撤退することを決めました
5. ライバルとの比較
関西の私鉄と並べます。どれも2026年3月期です。規模が違うので、おおまかな比較です。
| NANKAI | 阪急阪神HD | 近鉄GHD | |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 2,647億円(+1.5%) | 1兆2,035億円(+8.7%) | 1兆7,503億円(+0.5%) |
| 営業利益 | 399億円(+15.2%) | 1,271億円(+14.7%) | 894億円(+6.0%) |
| 営業利益率 | 15.1% | 10.6% | 5.1% |
| ROE | 7.8% | 7.3% | 9.3% |
| 自己資本比率 | 31.3% | 31.2% | 23.6% |
- 規模は小さいものの、営業利益率は3社でいちばん高い結果です(→阪急阪神ホールディングスの強みとは、近鉄グループホールディングスの強みとは)。首都圏の私鉄は相鉄ホールディングスの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
NANKAIの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 運輸業の営業利益 | 149億円 | 決算短信(セグメントの業績) |
| 不動産業の営業利益 | 143億円 | 決算短信(セグメントの業績) |
| 万博の反動とインバウンドの動き | 2027年3月期は減収見込み(運輸業) | 決算短信(今後の見通し) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 営業収益2,875億円、営業利益400億円、当期純利益238億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年50円、2027年3月期予想55円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美万博が終わったあと、インバウンドや不動産でどこまで稼げるかが大事なのね
まとめ
- NANKAIは、なんばを起点にした鉄道・不動産・商業施設・レジャーの会社
- 2026年3月期は営業利益399億円(+15.2%)、万博とインバウンドが追い風
- 2026年4月に鉄道を分社化し、社名を「NANKAI」に
- 運輸業と不動産業が利益の約7割
- 2027年3月期は営業利益400億円・年55円の予想
参考文献
- NANKAI(南海電気鉄道). 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日). https://www.nankai.co.jp/lib/company/ir/library/tanshin/pdf/260430.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 阪急阪神ホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日). https://www2.jpx.co.jp/disc/90420/140120260325588565.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 近鉄グループホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日). https://www2.jpx.co.jp/disc/90410/140120260514534144.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。