日本電気硝子の強みとは:ディスプレイ用ガラスと半導体・データセンター向けの電子デバイスの「電子・情報」が売上の56%、ガラスファイバなどの機能材料も。2025年12月期は営業利益341億円(前期の5.6倍)、自己資本比率70.2%
日本電気硝子を、2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月6日、東証の適時開示)で分析しました。売上高3,114億円(+4.1%)、営業利益341億円(+457.6%、営業利益率11.0%、ディスプレイ事業の生産性改善と販売価格の引き上げ、電子デバイス事業の増収、複合材事業の収益改善)、経常利益377億円(+203.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益296億円(+144.9%、ノンコア資産の処分と政策保有株式の縮減による固定資産売却益72億円・投資有価証券売却益42億円)、ROE6.1%、自己資本比率70.2%。セグメントはガラス事業の単一で、製品別の売上は電子・情報1,737億円(+10%)、機能材料1,376億円(−3%、複合材は英国子会社の事業活動を停止)。年150円の配当、2023年11月〜2028年12月に総額1,000億円の自己株式取得の方針。2026年12月期は営業利益330億円・年160円の予想。AGCとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美日本電気硝子って、テレビの画面のガラスの会社?

プレ男決算短信を見ると、ディスプレイ用のガラスのほかに、半導体やデータセンター向けのガラス製品も好調なんだって
企業分析の連載、164社目は日本電気硝子です。2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月6日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のAGCの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、日本電気硝子株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
ディスプレイ用ガラスや半導体・データセンター向けのガラス製品(電子・情報)と、ガラスファイバなどの複合材・耐熱・建築用のガラス(機能材料)をつくる、ガラスの専業メーカー
| 項目(日本基準・連結) | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 3,114億円 | +4.1% |
| 営業利益 | 341億円 | +457.6% |
| 営業利益率 | 11.0% | 前期 2.0% |
| 経常利益 | 377億円 | +203.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 296億円 | +144.9% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 6.1% | 前期 2.5% |
| 自己資本比率 | 70.2% | 前期 69.6% |
| 配当 | 年150円(配当性向39.2%) | 前期 130円 |
- 営業利益は、ディスプレイ事業の生産性改善と販売価格の引き上げ、電子デバイス事業の増収、複合材事業の収益改善、物流費の低下などで大きく増えました
- 当期純利益には、ノンコア資産の処分と政策保有株式の縮減による固定資産売却益72億円・投資有価証券売却益42億円が含まれます
2. 何で稼いでいるか
セグメントはガラス事業の単一です。製品別の売上高は次のとおりです。
| 区分 | 中身(決算短信の記載) | 売上高 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 電子・情報 | ディスプレイ事業(堅調な需要と価格の引き上げ)、電子デバイス事業(半導体・データセンター向けが好調) | 1,737億円(+10%) | 56% |
| 機能材料 | 複合材事業(競争が厳しく、英国子会社の事業活動を停止)、耐熱・建築事業など | 1,376億円(−3%) | 44% |
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① ディスプレイ用ガラス
- ディスプレイ事業は、年間を通して堅調な需要が続き、販売価格の引き上げと生産性の改善で利益を伸ばしました
② 半導体・データセンター向け
- 電子デバイス事業は、半導体向けとデータセンター向けの製品を中心に需要が好調でした。会社は、プローブカード用基板やデータセンター向けの製品の販売拡大を見込んでいます
③ 厚い財務と株主還元
- 自己資本比率は70.2%です。2023年11月から2028年12月末までに総額1,000億円の自己株式取得をする方針で、2025年は199億円を取得しました(→自社株買い(自己株式の取得)のしくみ)
4. 弱み・リスク
① 複合材事業
- ガラスファイバなどの複合材事業は、厳しい競争環境で販売が低迷し、英国子会社の事業活動を停止するなどの事業構造改革をしました
② 一度きりの利益
- 2025年12月期の当期純利益には、固定資産や投資有価証券の売却益が含まれます。2026年12月期の当期純利益は230億円(−22.3%)の予想です
③ 費用の増加
- 2026年12月期は、ディスプレイ事業で全電気溶融設備の水平展開や生産性改善にかかる費用の増加を見込み、営業利益は330億円(−3.3%)の予想です
5. ライバルとの比較
ガラス大手のAGCと並べます。会計基準(AGCはIFRS)と事業の範囲が違うので、おおまかな比較です。どちらも2025年12月期です。
| 日本電気硝子 | AGC | |
|---|---|---|
| 売上高 | 3,114億円(+4.1%) | 2兆588億円(−0.4%) |
| 営業利益 | 341億円(+457.6%) | 1,275億円(+1.3%) |
| 営業利益率 | 11.0% | 6.2% |
| ROE | 6.1% | 4.7% |
| 自己資本(帰属持分)比率 | 70.2% | 50.3% |
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
日本電気硝子の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年12月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 電子・情報の売上高 | 1,737億円 | 決算短信(製品別売上高) |
| 機能材料の売上高 | 1,376億円 | 決算短信(製品別売上高) |
| 特別利益(資産・株式の売却益) | 固定資産72億円、投資有価証券42億円 | 決算短信(損益計算書) |
| 会社の業績予想 | 2026年12月期 売上高3,200億円、営業利益330億円、当期純利益230億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年150円、2026年12月期予想160円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美ディスプレイのガラスの値上げと、半導体向けで利益が大きく戻ったのね。複合材の改革が進むかも見ておきたいな
まとめ
- 日本電気硝子は、ディスプレイ用ガラスと半導体・データセンター向けのガラス製品が中心の会社
- 2025年12月期は営業利益341億円(前期の約5.6倍)
- 当期純利益には資産・株式の売却益が含まれる
- 自己資本比率70.2%、総額1,000億円の自己株式取得の方針
- 2026年12月期は営業利益330億円・年160円の予想
参考文献
- 日本電気硝子. 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月6日). https://www2.jpx.co.jp/disc/52140/140120260205548852.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- AGC. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月6日). https://www2.jpx.co.jp/disc/52010/140120260205549320.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。