レンゴーの強みとは:段ボールの原紙(板紙)から段ボール箱までの一貫生産で、板紙・紙加工が営業利益の約7割。軟包装・重包装、海外も。2026年3月期は営業利益371億円(−0.9%)、ドイツの子会社で減損189億円
レンゴーを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日、東証の適時開示)で分析しました。売上高1兆83億円(+1.5%)、営業利益371億円(−0.9%、営業利益率3.7%)、経常利益374億円(−4.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益210億円(−27.5%、ドイツのトライコー社の減損損失189億円)、ROE4.4%、自己資本比率37.3%。セグメントの営業利益は、板紙・紙加工257億円(+9.5%、製品価格の改定)、軟包装94億円(+85.1%)、重包装19億円、海外は16億円の損失(欧州の自動車産業の低迷で重量物段ボールの採算が悪化)。段ボールの生産量は4,231百万㎡。M&Aで国内の段ボール事業を強化、住友林業と合弁会社。年40円の配当、2027年3月期は価格改定の寄与で営業利益460億円(+24.0%)・年50円の予想。王子ホールディングス・日本製紙との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美段ボール箱って、どこがつくっているの?

プレ男レンゴーは、段ボールの原紙から段ボール箱までまとめてつくっている会社なんだって。軟包装や重包装もあるみたい
企業分析の連載、213社目はレンゴーです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の王子ホールディングスの強みとは・日本製紙の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、レンゴー株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
段ボールの原紙(板紙)から段ボール・段ボール箱・紙器までの「板紙・紙加工」を中心に、「軟包装」「重包装」、海外の包装事業をもつ会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆83億円 | +1.5% |
| 営業利益 | 371億円 | −0.9% |
| 営業利益率 | 3.7% | 前期 3.8% |
| 経常利益 | 374億円 | −4.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 210億円 | −27.5% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 4.4% | 前期 6.5% |
| 自己資本比率 | 37.3% | 前期 37.3% |
| 配当 | 年40円(配当性向47.2%) | 前期 30円 |
- 当期純利益が減ったのは、海外関連事業のトライコー社(ドイツ)で、業績が計画を下回ったことから減損損失189億円(のれん90億円など)を計上したためです
- 物流費・労務費の上昇などのコスト構造の変化に対し、板紙・段ボール・紙器の価格改定に取り組みました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 板紙・紙加工 | 固定費・物流費の上昇、製品価格の改定が寄与 | 5,219億円(+1.4%) | 257億円(+9.5%) |
| 軟包装 | 製品価格の改定と販売量の増加 | 1,915億円(+5.5%) | 94億円(+85.1%) |
| 重包装 | 製品価格の改定 | 464億円(+3.2%) | 19億円(+12.6%) |
| 海外 | 欧州の自動車産業の低迷で重量物段ボールの採算が悪化 | 2,091億円(−1.9%) | −16億円(前期は49億円の利益) |
| その他 | 運送事業 | 394億円(+1.5%) | 14億円(−30.4%) |
- 売上高の約52%、セグメントの営業利益の合計367億円のうち約70%が板紙・紙加工です(計算値)
- 生産量は、板紙2,481千トン、段ボール4,231百万㎡、段ボール箱3,597百万㎡でした
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 原紙から箱までの一貫生産
- 板紙から段ボール箱までの一貫生産に加え、軟包装・重包装なども手がけ、会社は「ゼネラル・パッケージング・インダストリー(GPI)」を掲げています
② 価格改定とM&A
- 板紙・紙加工と軟包装は、製品価格の改定で増益でした。国内では、キンキダンボールへの資本参加や、新光の子会社化など、M&Aで段ボール事業を強化しています
③ 新しい取り組み
- 2026年4月に住友林業と合弁会社(RSウッドリファイナリー)をつくり、原料の木材チップの調達と第2世代バイオエタノールの事業化に取り組み始めました
4. 弱み・リスク
① 海外事業の赤字と減損
- 海外関連事業は、欧州の自動車産業の低迷で16億円の営業損失になり、ドイツのトライコー社で減損189億円を計上しました
② 需要の伸び悩み
- 段ボールの業界は、物価高による節約志向や記録的猛暑などで、生産量が前年をやや下回りました。飲料・青果物向けが低調でした
③ コスト上昇と低い資本効率
- 2027年3月期も、原燃料価格・物流費・労務費の上昇を見込んでいます。ROEは4.4%です
5. ライバルとの比較
紙・板紙の会社と並べます。3社とも日本基準・2026年3月期ですが、事業の中身が違うので、おおまかな比較です。
| レンゴー | 王子ホールディングス | 日本製紙 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆83億円(+1.5%) | 1兆8,617億円(+0.7%) | 1兆1,926億円(+0.9%) |
| 営業利益 | 371億円(−0.9%) | 346億円(−48.9%) | 252億円(+27.9%) |
| 営業利益率 | 3.7% | 1.9% | 2.1% |
| ROE | 4.4% | 5.0% | 2.4% |
| 自己資本比率 | 37.3% | 41.0% | 29.2% |
- レンゴーは、営業利益と利益率で3社のうちいちばん大きい数字でした(→王子ホールディングスの強みとは、日本製紙の強みとは)。缶やPETボトルの包装の会社は東洋製罐グループホールディングスの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
レンゴーの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 板紙・紙加工の営業利益 | 257億円 | 決算短信(セグメントの概況) |
| 海外の営業損益 | −16億円 | 決算短信(セグメントの概況) |
| 段ボールの生産量 | 4,231百万㎡ | 決算短信(セグメントの概況) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高1兆900億円、営業利益460億円、当期純利益310億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年40円、2027年3月期予想50円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美国内の段ボールは価格改定で利益が出ているけど、海外の立て直しが課題なのね。来期の予想どおりに増益になるかを見ておきたいな
まとめ
- レンゴーは、原紙から段ボール箱までの一貫生産の包装の会社
- 2026年3月期は営業利益371億円(−0.9%)
- 営業利益の約7割が板紙・紙加工、価格改定で増益
- 海外は赤字、ドイツの子会社で減損189億円
- 2027年3月期は営業利益460億円(+24.0%)・年50円の予想
参考文献
- レンゴー. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/39410/140120260514532868.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 王子ホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日). https://pdf.irpocket.com/C3861/WUpy/rz8q/DvR4.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 日本製紙. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日). https://www2.jpx.co.jp/disc/38630/140120260514535670.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。