企業分析2026年10月12日

王子ホールディングスの強みとは:段ボール・紙器・家庭紙の生活産業資材、特殊紙などの機能材、植林・パルプ・エネルギーの資源環境、新聞用紙などの印刷情報メディアの紙・パルプ大手。2026年3月期はパルプ市況の悪化で営業利益346億円(−48.9%)

王子ホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日)で分析しました。売上高1兆8,617億円(+0.7%、Walki社の買収)、営業利益346億円(−48.9%、営業利益率1.9%、国内の販売数量減と海外のパルプ市況悪化)、経常利益405億円(−40.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益556億円(+20.4%、賃貸不動産の売却益・投資有価証券売却益)、ROE5.0%、自己資本比率41.0%。セグメントの営業利益は、生活産業資材197億円(+7.5%)、機能材108億円(−12.6%)、印刷情報メディア75億円(−43.5%)、資源環境ビジネス67億円(−78.5%)。中期経営計画2027では政策保有株式の売却450億円、自己株式取得1,200億円を計画。年36円の配当、2027年3月期は営業利益600億円(+73.5%、中東情勢による150億円の減益影響を織り込み)・年36円の予想。TOPPANホールディングスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男紙の会社って、ペーパーレスで大変なんじゃない?

メル美王子ホールディングスの決算短信を見ると、新聞用紙は需要が減っているけど、売上のいちばん大きいのは段ボールなどの「生活産業資材」なんだって

企業分析の連載、152社目は王子ホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、同じ決算短信のPDF(IR資料の配信サービスに掲載)を使っています。比較には、この連載のTOPPANホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、王子ホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

段ボール・白板紙・紙器・家庭紙などの生活産業資材、特殊紙・感熱紙・粘着などの機能材、植林・木材加工・パルプ・エネルギーの資源環境ビジネス、新聞用紙・印刷用紙の印刷情報メディアを手がける会社

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 1兆8,617億円 +0.7%
営業利益 346億円 −48.9%
営業利益率 1.9% 前期 3.7%
経常利益 405億円 −40.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 556億円 +20.4%
ROE(自己資本当期純利益率) 5.0% 前期 4.3%
自己資本比率 41.0% 前期 41.8%
配当 年36円(配当性向58.9%) 前期 24円

2. 何で稼いでいるか

セグメント 中身(決算短信の記載) 売上高 営業利益
生活産業資材 段ボール原紙・段ボール加工、白板紙・紙器、包装、家庭紙・おむつなど 9,433億円(+2.8%) 197億円(+7.5%)
機能材 特殊紙、感熱、粘着、フィルム 2,360億円(−0.2%) 108億円(−12.6%)
印刷情報メディア 新聞用紙、印刷・出版・情報用紙 2,721億円(−7.2%) 75億円(−43.5%)
資源環境ビジネス 植林・木材加工、パルプ、エネルギー 3,897億円(−0.7%) 67億円(−78.5%)

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 段ボール・包装

② 資産の見直しと株主還元

③ 植林とエネルギー

4. 弱み・リスク

① パルプ市況

② 紙の需要の減少

③ 中東情勢

5. ライバルとの比較

紙・包装に関わるTOPPANホールディングスと並べます。どちらも日本基準・2026年3月期ですが、事業の中身はかなり違うので、おおまかな比較です。

王子HD TOPPAN HD
売上高 1兆8,617億円(+0.7%) 1兆8,050億円(+5.0%)
営業利益 346億円(−48.9%) 671億円(−21.1%)
営業利益率 1.9% 3.7%
当期純利益 556億円(+20.4%) 648億円(−28.1%)
ROE 5.0% 4.9%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

王子HDの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
資源環境ビジネスの営業利益(パルプ市況) 67億円 決算短信(セグメントの業績)
生活産業資材の営業利益 197億円 決算短信(セグメントの業績)
会社の業績予想 2027年3月期 売上高1兆9,400億円、営業利益600億円、当期純利益350億円 決算短信のサマリー
配当 年36円、2027年3月期予想36円 決算短信

プレ男紙の需要が減る中で、段ボールや包装が中心になっているんだね。パルプの市況と株主還元の進み方を見ておこう

ほかの製紙・板紙の会社は日本製紙の強みとはとレンゴーの強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. 王子ホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日). https://pdf.irpocket.com/C3861/WUpy/rz8q/DvR4.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. TOPPANホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/79110/140120260513531643.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。