企業分析2026年10月12日

ロームの強みとは:LSIと半導体素子(SiCパワーデバイスなど)の半導体メーカー。2026年3月期は営業利益109億円で黒字転換の一方、BEV市場の成長見通しの下方修正でSiC事業の固定資産を中心に減損し、当期純損失1,584億円

ロームを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日)で分析しました。売上高4,811億円(+7.3%、自動車・民生機器・産業機器市場で増収)、営業利益109億円(前期は401億円の損失、構造改革による固定費削減)、経常利益192億円、親会社株主に帰属する当期純損失1,584億円(バッテリー式電気自動車(BEV)市場の成長見通しが想定を下回り、SiC事業の固定資産を中心に減損損失1,936億円)、ROE−19.2%、自己資本比率59.1%、EBITDA679億円。セグメント損益は、LSI245億円の利益(前期は損失)、半導体素子227億円の損失(前期459億円の損失)、モジュール35億円、その他41億円。年50円の配当、2027年3月期は売上高5,100億円・営業利益300億円・当期純利益290億円・年50円の予想。ルネサスエレクトロニクスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男ロームって、営業利益は黒字なのに、最終的には大赤字なの?

メル美決算短信を見ると、電気自動車の市場が思ったほど伸びないとして、SiCという半導体の工場などの価値を大きく減らした(減損した)んだって

企業分析の連載、163社目はロームです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、同じ決算短信のPDF(IR資料の配信サービスに掲載)を使っています。比較には、この連載のルネサスエレクトロニクスの強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、ローム株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

LSI(集積回路)、SiC・Siのパワーデバイスや発光ダイオードなどの半導体素子、プリントヘッドなどのモジュール、抵抗器をつくる会社

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 4,811億円 +7.3%
営業利益 109億円 前期 −401億円
営業利益率 2.3% 前期 −8.9%
経常利益 192億円 前期 −297億円
親会社株主に帰属する当期純損益 −1,584億円 前期 −501億円
ROE(自己資本当期純利益率) −19.2% 前期 −5.4%
自己資本比率 59.1% 前期 61.7%
配当 年50円 前期 50円

2. 何で稼いでいるか

セグメント 主な動き(決算短信の記載) 売上高 セグメント損益
LSI 自動車のボディ向け・xEV向け、アミューズメント向け、サーバー向け 2,184億円(+7.1%) 245億円(前期は損失)
半導体素子 SiCパワーデバイスはxEV向けが堅調、Siパワーデバイス、半導体レーザー 2,053億円(+9.7%) −227億円(前期−459億円)
モジュール プリントヘッド、車載向けLEDモジュール 316億円(−3.0%) 35億円(+30.9%)
その他 抵抗器(シャント抵抗など) 259億円(+3.5%) 41億円(+62.6%)

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 構造改革の効果

② LSIの回復

③ 厚い財務

4. 弱み・リスク

① SiC事業とBEV市場

② 2年続けての最終赤字

③ 低い利益率

5. ライバルとの比較

車載半導体のルネサスエレクトロニクスと並べます。会計基準(ルネサスはIFRS)と決算期(ルネサスは12月期)が違うので、おおまかな比較です。

ローム(2026年3月期) ルネサス(2025年12月期)
売上(売上収益) 4,811億円(+7.3%) 1兆3,212億円(−2.0%)
営業利益 109億円 2,012億円(−9.8%)
営業利益率 2.3% 15.2%
当期純損益 −1,584億円 −518億円
自己資本(帰属持分)比率 59.1% 58.5%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

ロームの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
半導体素子のセグメント損益(SiCを含む) −227億円 決算短信(セグメント別概況)
LSIのセグメント利益 245億円 決算短信(セグメント別概況)
減損損失 1,936億円 決算短信(損益計算書)
会社の業績予想 2027年3月期 売上高5,100億円、営業利益300億円、当期純利益290億円 決算短信のサマリー
配当 年50円、2027年3月期予想50円 決算短信

プレ男本業は黒字に戻ったけど、SiCの減損で大きな最終赤字なんだね。半導体素子の赤字が縮むかを見ておこう

まとめ


参考文献

  1. ローム. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www.daiwair.co.jp/td_download.cgi?c=6963&i=3203502 (閲覧日:2026年10月12日)
  2. ルネサスエレクトロニクス. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)・決算概要(2026年2月5日). https://www.renesas.com/en/document/rep/earnings-report-year-ended-december-31-2025?language=ja (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。