双日の強みとは:7つのセグメントをもつ総合商社。2026年3月期は収益2兆7,574億円(+9.9%)・当期純利益1,036億円(−6.3%)。省エネ・病院PPPなどのエネルギー・ヘルスケアが最大の稼ぎ頭(319億円)の一方、豪州原料炭と豪州中古車で減損
双日を、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月1日、東証の適時開示)で分析しました。収益2兆7,574億円(+9.9%)、税引前利益1,156億円(−14.5%)、親会社の所有者に帰属する当期純利益1,036億円(−6.3%)、ROE10.1%、親会社所有者帰属持分比率29.9%。セグメントの当期純利益は、エネルギー・ヘルスケア319億円(+94億円、省エネ関連事業の新規連結、太陽光発電、ナイジェリアのガス小売事業の売却益)、化学200億円(日本エイアンドエルの新規連結)、航空・社会インフラ155億円(防衛関連・航空機関連取引)、リテール・コンシューマーサービス142億円、生活産業・アグリビジネス59億円、金属・資源・リサイクル48億円(−244億円、豪州原料炭の市況下落と減損)、自動車は53億円の損失(豪州中古車事業の減損)。年165円の配当、2027年3月期は当期純利益1,300億円(+25.5%)・年180円の予想。豊田通商との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美双日って総合商社だよね。三菱商事や三井物産と何が違うのかな

プレ男決算短信を見ると、いちばん稼いでいるのは「エネルギー・ヘルスケア」なんだって。病院の事業もあるみたい
企業分析の連載、127社目は双日です。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月1日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の豊田通商の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、双日株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
自動車、航空・社会インフラ、エネルギー・ヘルスケア、金属・資源、化学、生活産業・アグリ、リテールの7つのセグメントをもつ総合商社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 収益 | 2兆7,574億円 | +9.9% |
| 税引前利益 | 1,156億円 | −14.5% |
| 親会社の所有者に帰属する当期純利益 | 1,036億円 | −6.3% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 10.1% | 前期 11.7% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 29.9% | 前期 31.4% |
| 配当 | 年165円(配当性向33.3%) | 前期 150円 |
- 収益は、省エネ関連事業の新規連結などによるエネルギー・ヘルスケアの増収や、防衛関連取引の増加による航空・社会インフラの増収で増えました
- 利益は、売上総利益が増えた一方、販売費及び一般管理費の増加などで減りました
2. 何で稼いでいるか
セグメントごとの当期純利益(親会社の所有者に帰属)です。
| セグメント | 主な増減要因(決算短信の記載) | 当期純利益 |
|---|---|---|
| エネルギー・ヘルスケア | 省エネ関連事業の新規連結、太陽光発電、ナイジェリアのガス小売事業の売却益 | 319億円(+94億円) |
| 化学 | メタノール価格の低迷の一方、日本エイアンドエルの新規連結 | 200億円(横ばい) |
| 航空・社会インフラ | 防衛関連・航空機関連取引の増加、貨車リース事業の一部売却益 | 155億円(+33億円) |
| リテール・コンシューマーサービス | 水産事業・国内リテールの堅調、国内商業開発運営事業の一部売却益 | 142億円(+28億円) |
| 生活産業・アグリビジネス | 海外肥料事業の取扱数量の減少 | 59億円(−5億円) |
| 金属・資源・リサイクル | 豪州原料炭事業の市況下落、生産効率の低迷、減損 | 48億円(−244億円) |
| 自動車 | 中南米の自動車販売は好調、豪州中古車事業の減損 | −53億円(−69億円) |
- エネルギー・ヘルスケアには、再生可能エネルギー、発電、省エネ関連、通信タワー、病院PPPなどのヘルスケア事業が含まれます
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① エネルギー・ヘルスケアの成長
- 省エネ関連事業の新規連結や太陽光発電の収益貢献で、当期純利益は94億円増えました
② 防衛・航空の取引
- 航空・社会インフラは、防衛関連や航空機関連の取引の増加で増益でした
③ 株主還元
- 配当を年150円から165円に増やし、2027年3月期は年180円の予想です。期末の発行済株式数は2億2,500万株から2億1,000万株に減りました
4. 弱み・リスク
① 資源の市況
- 金属・資源・リサイクルは、豪州原料炭事業の市況下落や生産効率の低迷、減損で、当期純利益が244億円減りました
② 減損
- 自動車では、豪州中古車事業の減損を計上し、赤字になりました
③ 借入の増加
- 連結子会社の新規取得などで資産が増え、有利子負債も増えました。親会社所有者帰属持分比率は29.9%です
5. ライバルとの比較
商社の豊田通商と比べます。どちらもIFRS・2026年3月期ですが、事業の中身が違うので、おおまかな比較です。
| 双日 | 豊田通商 | |
|---|---|---|
| 収益 | 2兆7,574億円(+9.9%) | 11兆5,619億円(+12.1%) |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,036億円(−6.3%) | 3,705億円(+2.2%) |
| ROE | 10.1% | 12.8% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 29.9% | 37.0% |
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
双日の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| セグメント別の当期純利益 | エネルギー・ヘルスケア319億円など | 決算短信(セグメント) |
| 資源の市況の影響(豪州原料炭) | 金属・資源・リサイクル48億円 | 決算短信(セグメント) |
| 一度きりの損益(売却益・減損) | ガス小売事業の売却益、豪州中古車の減損など | 決算短信(主な増減要因) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 当期純利益1,300億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年165円、2027年3月期予想180円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美資源で減益になった一方、エネルギー・ヘルスケアが伸びたのね。売却益や減損のような一度きりの損益も見ておきたいな
まとめ
- 双日は、7つのセグメントをもつ総合商社
- 2026年3月期は当期純利益1,036億円(−6.3%)
- 最大の稼ぎ頭はエネルギー・ヘルスケア(319億円)
- 豪州原料炭の市況下落と豪州中古車の減損で、資源・自動車が減益
- 2027年3月期は当期純利益1,300億円(+25.5%)・年180円の予想
参考文献
- 双日. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月1日). https://www2.jpx.co.jp/disc/27680/140120260327590884.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 豊田通商. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日). https://www.toyota-tsusho.com/ir/earnings-presentations/upload_files/J_tanshin_105_4Q.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。