豊田通商の強みとは:自動車の生産・販売にかかわる取引が中心の商社。アフリカで自動車を売る事業が当期利益の4分の1。2026年3月期は収益11兆5,619億円(+12.1%)・当期利益3,705億円(+2.2%)。米国の金属リサイクルのRadius社を完全子会社化
豊田通商を、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日)で分析しました。収益11兆5,619億円(+12.1%、自動車販売と自動車生産関連の取り扱いの増加)、営業活動に係る利益5,452億円(+9.7%)、親会社の所有者に帰属する当期利益3,705億円(+2.2%)、ROE12.8%、親会社所有者帰属持分比率37.0%。8つのセグメントの当期利益は、アフリカ940億円(+18.2%、西アフリカを中心とした自動車販売)、モビリティ640億円、サプライチェーン528億円、サーキュラーエコノミー448億円、メタル+432億円、デジタルソリューション340億円、ライフスタイル207億円、グリーンインフラ179億円(−51.0%、国内発電事業の一過性損失)。2025年7月に米国Radius Recycling社を完全子会社化、ユーラスエナジーはテラスエナジーと経営統合。年120円の配当、2027年3月期は当期利益4,000億円・年125円の予想。住友商事との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男豊田通商って、車にかかわる商社なんだよね。車の部品を運んでいるの?

メル美決算短信を見ると、いちばん利益が大きいのは「アフリカ」なんだって。アフリカで車を売っているみたい
企業分析の連載、101社目は豊田通商です。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日)で確認しました。比較には、この連載の住友商事の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、豊田通商株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
自動車の生産・販売にかかわる取引を中心に、金属、リサイクル、再生可能エネルギー、アフリカでの自動車販売などを手がける商社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 収益 | 11兆5,619億円 | +12.1% |
| 営業活動に係る利益 | 5,452億円 | +9.7% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 3,705億円 | +2.2% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 12.8% | 前期 14.2% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 37.0% | 前期 37.2% |
| 配当 | 年120円(配当性向34.2%) | 前期 105円 |
- 収益は、自動車販売の増加と自動車生産関連の取り扱いの増加などで増えました
2. 何で稼いでいるか
8つのセグメントの当期利益(親会社の所有者に帰属)です。
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 当期利益 |
|---|---|---|
| アフリカ | 西アフリカを中心とした自動車販売の増加 | 940億円(+18.2%) |
| モビリティ | 豪亜を中心とした海外の自動車販売台数の増加 | 640億円(+11.5%) |
| サプライチェーン | 豪亜を中心とした自動車部品の取り扱いの増加 | 528億円(+7.2%) |
| サーキュラーエコノミー | 資源市況の上昇の一方、一過性要因など | 448億円(−4.5%) |
| メタル+ | 鋼材価格の下落など | 432億円(−0.7%) |
| デジタルソリューション | デバイス関連・ICT事業の増加 | 340億円(+10.5%) |
| ライフスタイル | 国内不動産事業の一過性利益など | 207億円(+34.6%) |
| グリーンインフラ | 国内発電事業の一過性損失など | 179億円(−51.0%) |
- アフリカがいちばん大きく、8セグメントの合計3,714億円の約25%です(計算値)
- アフリカでは、グループ会社のCFAOなどを通じて事業をしています。2025年12月には、ガーナでトヨタ自動車と日野自動車の代理店事業を譲り受け、グループ直営のトヨタ自動車の代理店はアフリカで36か国目になったとしています
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 自動車にかかわる取引
- 自動車の生産(部品の取り扱い)から販売まで、幅広く関わっています。モビリティとサプライチェーンの当期利益は合わせて1,168億円です
② アフリカでの事業
- アフリカの当期利益は940億円(+18.2%)です
③ 資源の循環とエネルギー
- 2025年7月に、米国とカナダなどに100か所を超える再生資源の回収拠点を持つRadius Recycling社を完全子会社にしました。再生可能エネルギーのユーラスエナジーホールディングスは、テラスエナジーと経営統合しました
4. 弱み・リスク
① 自動車への依存
- 利益の多くが自動車の生産・販売にかかわる取引です
② 一過性の損益
- グリーンインフラは国内発電事業の一過性損失で51.0%減、ライフスタイルは国内不動産の一過性利益で増益でした
③ 世界経済の不確実性
- 会社は、米国の関税措置や中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰など、先行きへの懸念を挙げています
5. ライバルとの比較
総合商社の住友商事と比べます。どちらもIFRS・2026年3月期ですが、事業の中身が違うので、おおまかな比較です。
| 豊田通商 | 住友商事 | |
|---|---|---|
| 収益 | 11兆5,619億円(+12.1%) | 7兆3,373億円(+0.6%) |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 3,705億円(+2.2%) | 6,003億円(+6.8%) |
| ROE | 12.8% | 12.9% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 37.0% | 33.9% |
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
豊田通商の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| セグメント別の当期利益 | アフリカ940億円、モビリティ640億円など | 決算短信(セグメント情報) |
| 営業活動に係る利益 | 5,452億円 | 決算短信のサマリー |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 当期利益4,000億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年120円、2027年3月期予想125円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美日本や北米が中心かと思ったら、アフリカでの車の販売がいちばん稼いでいるのね。一過性の損益にも注意して見たいな
7つのセグメントをもつ総合商社は双日の強みとはも参考にしてください。
まとめ
- 豊田通商は、自動車の生産・販売にかかわる取引を中心とした商社
- 2026年3月期は収益11兆5,619億円、当期利益3,705億円(+2.2%)
- いちばん稼いでいるのはアフリカ(940億円)
- Radius社の買収で資源の循環の事業を強化
- 2027年3月期は当期利益4,000億円の予想
参考文献
- 豊田通商. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月30日). https://www.toyota-tsusho.com/ir/earnings-presentations/upload_files/J_tanshin_105_4Q.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 住友商事. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月1日). https://www.sumitomocorp.com/-/media/Files/hq/ir/report/summary/2025/2603Tanshin.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。