サブリース(一括借り上げ・家賃保証)契約の注意点:「家賃保証」でも家賃は減額されることがあり、業者から解約されることも。一方オーナーからの解約には正当事由が必要。2020年12月15日から、誇大広告・不当勧誘の禁止と、契約前の書面での説明が義務に
アパートなどのサブリース(一括借り上げ)契約の注意点を、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(賃貸住宅管理業法)28条〜30条(e-Gov法令検索)、国土交通省「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」のポイント(令和2年10月16日公表)、金融庁・消費者庁・国土交通省「アパート等のサブリース契約を検討されている方は契約後のトラブルにご注意ください!」でまとめました。サブリース業者がオーナーから建物を一括して借り上げるしくみで、一定の賃料収入や管理の手間が少ないことがメリットですが、家賃の減額をめぐるトラブルも起きています。「家賃保証」と書いても、定期的な見直しや借地借家法32条の減額請求で家賃が下がることがあり、契約期間中に業者から解約されることもあります。2020年12月15日から、誇大広告・不当勧誘の禁止と、契約前の書面による重要事項説明が義務になりました。

プレ男アパートを建てたら、業者が「30年間一括借り上げ・家賃保証」してくれるんだって。空室でも家賃が入るなら安心だよね?

メル美「30年保証」って、30年間ずっと同じ家賃っていう意味なのかな…?
今回は、サブリース(一括借り上げ・家賃保証)契約の注意点です。賃貸住宅管理業法(28条〜30条)の条文(e-Gov法令検索)、国土交通省「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」のポイント(令和2年10月16日公表)、金融庁・消費者庁・国土交通省の注意喚起で確認しました。
この記事はしくみと注意点の説明です。アパートの建築や特定の業者をすすめるものではありません。契約内容の判断は、弁護士や相談窓口に相談してください。
サブリースとは
- サブリース業者が、オーナーからアパートなどの賃貸住宅を一括して借り上げ、入居者に又貸し(転貸)するしくみです
- オーナーにとっては、一定の賃料収入が見込める、管理の手間がかからないなどのメリットがあります
- 一方で、賃料の減額をめぐるトラブルなどが起きていると、金融庁・消費者庁・国土交通省は注意しています
「家賃保証」でも家賃は下がることがある
国土交通省のガイドラインは、契約前にオーナーに書面で説明しなければならないリスクとして、次の点を挙げています。
家賃が減額される場合があること
- 定期的な家賃の見直しがあり、見直しで家賃が減額されることがある
- 契約の条件にかかわらず、サブリース業者は借地借家法32条1項に基づいて減額請求ができる(経済事情の変動で家賃が不相当になったときなど、法律の要件を満たす必要がある)
- オーナーは必ず受け入れなければならないわけではなく、協議で相当な家賃が決まる
契約期間中に解約される場合があること
- 契約期間中でも、サブリース業者から解約されることがある
- 一方、オーナーからの解約には、借地借家法28条に基づく正当事由が必要

メル美業者からは減額も解約もできるのに、オーナーからやめるのは難しい。「30年保証」の意味をよく確かめないと
2020年12月15日からのルール(賃貸住宅管理業法)
| ルール | 中身 | 条文 |
|---|---|---|
| 誇大広告の禁止 | 家賃、維持保全の方法、解除などについて、著しく事実に相違する表示や、実際より著しく有利と誤認させる表示をしてはならない | 28条 |
| 不当な勧誘の禁止 | 判断に影響する重要な事項を、わざと告げない、うそを告げるなどしてはならない | 29条 |
| 契約前の書面での説明 | 契約を結ぶまでに、契約の内容などを書面を交付して説明しなければならない(重要事項説明) | 30条 |
| 違反したとき | 国土交通大臣は、1年以内の期間を限って勧誘や契約の業務の停止などを命じられる | 34条 |
国土交通省のガイドラインでは、次のような例が誇大広告・不当勧誘にあたるとしています。
- 「家賃保証」「空室保証」などの言葉のすぐ近くに、定期的な家賃の見直しがあることと、借地借家法32条により減額されることがあることが表示されていない
- 家賃減額のリスクや、業者からの解除の可能性、オーナーからの解約に正当事由が必要なことを伝えず、メリットだけを伝える
また、アパートの建築を請け負う建設業者や土地を売る不動産業者が、サブリースの契約を勧める場合も、規制の対象となる「勧誘者」にあたるとしています。
契約前に確かめたいこと
-
家賃の見直しの時期と方法(何年ごとに、どう決めるか)
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業者からの解約の条件
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修繕費や大規模修繕の負担は誰か
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借入れをするなら、家賃が下がっても返済できるか(→不動産の利回りの計算とローンのリスク)
-
相続対策として建てる場合は「相続対策にアパート経営」のしくみと注意点、強引な勧誘には投資用マンションの強引な勧誘もあわせて読んでください
困ったら
- 消費者ホットライン 188
- 融資については、金融庁の金融サービス利用者相談室
まとめ
- サブリースは、業者が一括借り上げして又貸しするしくみ
- 「家賃保証」でも、見直しや借地借家法32条の減額請求で家賃が下がることがある
- 業者からは解約されることがあるが、オーナーからの解約には正当事由が必要
- 2020年12月15日から、誇大広告・不当勧誘の禁止と契約前の書面での説明が義務に
- 建設会社や不動産会社の勧誘も、規制の対象
参考文献
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(令和2年法律第60号)第28条・第29条・第30条・第34条(e-Gov法令検索). https://laws.e-gov.go.jp/law/502AC0000000060 (閲覧日:2026年10月10日)
- 国土交通省. 「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」(令和2年10月16日公表)のポイント. https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001372797.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- 金融庁・消費者庁・国土交通省. アパート等のサブリース契約を検討されている方は 契約後のトラブルにご注意ください!(平成30年3月27日公表、平成30年10月26日更新). https://www.mlit.go.jp/common/001258496.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。