東映アニメーションの強みとは:「ワンピース」「ドラゴンボール」「プリキュア」などのアニメをつくり、商品化やゲーム化の「版権」で稼ぐ会社。版権がセグメント利益の約73%。2026年3月期は営業利益310億円(−4.4%)、2027年3月期は250億円の予想
東映アニメーションを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日、東証の適時開示)で分析しました。売上高937億円(−7.1%)、営業利益310億円(−4.4%、営業利益率33.1%)、経常利益335億円(+0.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益251億円(+6.1%)、ROE15.5%、自己資本比率84.6%。セグメント利益は版権267億円(+3.1%、海外で「ワンピース」「デジモン」の商品化権・ゲーム化権が好調)、映像製作・販売88億円(−15.7%、前年の「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」や「ドラゴンボール」の配信権の反動)、商品販売7億円、その他4億円。年44円の配当(配当性向35.9%)、2027年3月期は売上高1,000億円・営業利益250億円(−19.4%)・年44円の予想。東宝・サンリオとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男アニメの会社って、アニメをつくって稼いでいるんだよね?

メル美東映アニメーションの決算短信だと、いちばん稼いでいるのはキャラクターをグッズやゲームに使ってもらう「版権」なんだって。利益の7割以上みたい
企業分析の連載、237社目は東映アニメーションです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の東宝の強みとは・サンリオの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、東映アニメーション株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
「ワンピース」「ドラゴンボール」シリーズ、「プリキュア」シリーズ、「デジモンアドベンチャー」シリーズなどのアニメをつくり、映像の販売と、商品化・ゲーム化などの「版権」で稼ぐ会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 937億円 | −7.1% |
| 営業利益 | 310億円 | −4.4% |
| 営業利益率 | 33.1% | 前期 32.2% |
| 経常利益 | 335億円 | +0.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 251億円 | +6.1% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 15.5% | 前期 16.6% |
| 自己資本比率 | 84.6% | 前期 80.2% |
| 配当 | 年44円(配当性向35.9%) | 前期 41円 |
- 前の期のヒット作(映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」「THE FIRST SLAM DUNK」など)の反動で、減収減益でした
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| 版権 | 国内は前年の「ワンピース」周年施策などの反動で大幅減収、海外は「ワンピース」「デジモン」の商品化権・ゲーム化権が好調 | 489億円(−3.3%) | 267億円(+3.1%) |
| 映像製作・販売 | 劇場・テレビ・海外の配信権など。前年の映画や「ドラゴンボール」の配信権の反動 | 312億円(−16.5%) | 88億円(−15.7%) |
| 商品販売 | 「ドラゴンボール」「プリキュア」のショップが好調 | 79億円(−14.0%) | 7億円(+12.3%) |
| その他 | 催事イベント・キャラクターショー | 63億円(+46.6%) | 4億円(+101.7%) |
- セグメント利益の合計のうち、約73%が版権です。売上高にしめる版権の割合は約52%です(計算値、売上高はセグメント間の取引を含む)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 長く続く人気作品
- 「ワンピース」「ドラゴンボール」「プリキュア」「デジモンアドベンチャー」などの主力作品を、グローバルに展開しています
② 利益率の高い版権
- 版権は、売上高489億円に対してセグメント利益267億円です。会社全体の営業利益率も33.1%です
③ 厚い財務
- 自己資本比率は84.6%、現金及び預金は927億円です
4. 弱み・リスク
① ヒット作の反動
- 2026年3月期は、前の期のヒット作の映画(「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」など)や、「ドラゴンボール」の配信権・ゲーム化権の販売の反動で減収になりました
② 2027年3月期は減益の予想
- 会社は、2027年3月期の営業利益を250億円(−19.4%)と予想しています
③ 国内版権の減収
- 国内版権は、前年の「ワンピース」周年施策と「ドラゴンボール」シリーズの新作映像展開の反動で、大幅な減収でした
5. ライバルとの比較
キャラクターや作品(IP)で稼ぐ会社と並べます。事業の中身と決算期が違うので、おおまかな比較です。
| 東映アニメーション(2026年3月期) | 東宝(2026年2月期) | サンリオ(2026年3月期) | |
|---|---|---|---|
| 売上高(営業収入) | 937億円(−7.1%) | 3,607億円(+15.2%) | 1,940億円(+33.9%) |
| 営業利益 | 310億円(−4.4%) | 679億円(+5.0%) | 778億円(+50.3%) |
| 営業利益率 | 33.1% | 18.8% | 40.1% |
| ROE | 15.5% | 10.4% | 41.6% |
| 自己資本比率 | 84.6% | 73.3% | 66.4% |
- 映画の配給と映画館は東宝の強みとは、キャラクターのライセンスはサンリオの強みとは、ゲームや玩具はバンダイナムコホールディングスの強みとはへ
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
東映アニメーションの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 版権のセグメント利益 | 267億円 | 決算短信(セグメントごとの経営成績) |
| 海外版権の動き | 若干の増収 | 決算短信(版権事業) |
| 映像製作・販売の利益 | 88億円 | 決算短信(セグメントごとの経営成績) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高1,000億円、営業利益250億円、当期純利益181億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年44円、2027年3月期予想44円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美アニメそのものより、キャラクターを使ってもらう版権でたくさん稼いでいるのね。前の年のヒット作の反動も覚えておこう
まとめ
- 東映アニメーションは、アニメの版権と映像で稼ぐ会社
- 2026年3月期は営業利益310億円(−4.4%)、営業利益率33.1%
- セグメント利益の約73%が版権、海外の商品化権・ゲーム化権が好調
- 前の期のヒット作の反動で減収
- 2027年3月期は営業利益250億円(−19.4%)・年44円の予想
参考文献
- 東映アニメーション. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/48160/140120260512527159.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 東宝. 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/96020/140120260410501786.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- サンリオ. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年6月23日). https://www2.jpx.co.jp/disc/81360/140120260623576716.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。