企業分析2026年10月12日

東宝の強みとは:映画の配給とTOHOシネマズの興行が営業利益の約半分、アニメなどのIPと不動産も。2026年2月期は映画のヒットで営業収入3,607億円(+15.2%)・営業利益679億円(+5.0%)。2027年2月期は減益の予想

東宝を、2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月14日、東証の適時開示)で分析しました。営業収入3,607億円(+15.2%)、営業利益679億円(+5.0%、営業利益率18.8%)、経常利益701億円(+8.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益518億円(+19.4%)、ROE10.4%、自己資本比率73.3%。セグメントの営業利益は、映画373億円(+30.3%、配給と、映画館入場者数4,900万人(+27.6%)の興行)、不動産190億円(+13.1%、賃貸用不動産の空室率0.4%)、IP・アニメ173億円(−22.2%、TOHO animation作品の配信や商品化権)、演劇35億円(−16.1%、帝国劇場の休館)。年110円の配当(分割前)、2026年3月1日に1株→5株の株式分割。2027年2月期は営業収入3,450億円・営業利益620億円(−8.7%)・年22円(分割後)の予想。バンダイナムコホールディングスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

メル美映画会社の東宝って、どれくらいもうかっているの?

プレ男決算短信を見ると、映画事業の営業利益は30%増えて、映画館の入場者は4,900万人だったんだって

企業分析の連載、187社目は東宝です。2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月14日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のバンダイナムコホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、東宝株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の作品や映画館をすすめるものでもありません。

1. ひとことで言うと

映画の製作・配給と映画館(TOHOシネマズ)の興行、アニメなどのIP、演劇、全国の不動産賃貸を手がける会社

項目(日本基準・連結) 2026年2月期 前期比
営業収入 3,607億円 +15.2%
営業利益 679億円 +5.0%
営業利益率 18.8% 前期 20.7%
経常利益 701億円 +8.8%
親会社株主に帰属する当期純利益 518億円 +19.4%
ROE(自己資本当期純利益率) 10.4% 前期 9.3%
自己資本比率 73.3% 前期 73.3%
配当 年110円(分割前、配当性向35.9%) 前期 85円

2. 何で稼いでいるか

当期から「IP・アニメ事業」を新しい報告セグメントにしています(前期も組み替えて比較)。

セグメント 主な動き(決算短信の記載) 営業収入 営業利益
映画 配給作品のメガヒット、映画館の入場者数4,900万人(+27.6%)、スクリーン数717 1,826億円(+30.6%) 373億円(+30.3%)
不動産 全国の賃貸不動産が堅調(空室率0.4%)、道路事業、ビル管理 792億円(−0.6%) 190億円(+13.1%)
IP・アニメ TOHO animation作品の国内外の配信、商品化権、「ゴジラ」商品 753億円(+8.5%) 173億円(−22.2%)
演劇 2025年2月末で帝国劇場が休館、外部の劇場で公演 223億円(−2.5%) 35億円(−16.1%)

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 映画の配給と興行

② アニメなどのIP

③ 安定した不動産と厚い財務

4. 弱み・リスク

① ヒット作への依存

② IP・アニメの減益

③ 演劇

5. ライバルとの比較

キャラクター・IPのビジネスを手がけるバンダイナムコホールディングスと並べます。決算期(バンダイナムコは3月期)と事業の中身が違うので、おおまかな比較です。どちらも日本基準です。

東宝(2026年2月期) バンダイナムコHD(2026年3月期)
営業収入(売上高) 3,607億円(+15.2%) 1兆3,482億円(+8.6%)
営業利益 679億円(+5.0%) 1,895億円(+5.2%)
営業利益率 18.8% 14.1%
ROE 10.4% 17.0%
自己資本比率 73.3% 72.3%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

東宝の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年2月期 どこに書いてある
映画館の入場者数 4,900万人 決算短信(映画事業)
映画事業の営業利益 373億円 決算短信(セグメントの経営成績)
IP・アニメの営業利益 173億円 決算短信(セグメントの経営成績)
会社の業績予想 2027年2月期 営業収入3,450億円、営業利益620億円、当期純利益410億円 決算短信のサマリー
配当 年110円(分割前)、2027年2月期予想22円(分割後) 決算短信

メル美ヒット作が多い年は利益が伸びるのね。アニメのIPや不動産がどれくらい支えるかも見ておきたいな

アニメの版権で稼ぐ会社は東映アニメーションの強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. 東宝. 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/96020/140120260410501786.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. バンダイナムコホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www.bandainamco.co.jp/files/1_2026E5B9B43E69C88E69C9F_E6B1BAE7AE97E79FADE4BFA1.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。