東京地下鉄(東京メトロ)の強みとは:東京都区部を中心に9路線の地下鉄で、運輸業が営業利益の約86%。2026年3月期は旅客運輸収入3,505億円で営業利益896億円(+3.0%)、営業利益率21.2%。2027年3月期は費用増で減益の予想
東京地下鉄(東京メトロ)を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日、東証の適時開示)で分析しました。営業収益4,224億円(+3.6%)、営業利益896億円(+3.0%、営業利益率21.2%)、経常利益792億円(+2.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益590億円(+9.8%、退職給付制度改定益)、ROE8.1%、自己資本比率35.9%。セグメントの営業利益は、運輸業762億円(+2.7%、旅客運輸収入が好調)、ライフ・ビジネスサービス85億円(+3.2%、Echikaなどの商業施設と駅・車内の広告)、不動産44億円(+4.7%、渋谷マークシティなど)。単体の旅客運輸収入は3,505億円(+3.3%)。年42円の配当(配当性向41.3%)、2027年3月期は営業費の増加で営業利益814億円(−9.1%)・年44円の予想。東急・相鉄HDとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美東京メトロって、毎日乗っている地下鉄の会社だよね

プレ男決算短信だと、ほかの私鉄とちがって、利益のほとんどが鉄道なんだって。営業利益率も20%を超えているみたい
企業分析の連載、246社目は東京地下鉄(東京メトロ)です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の東急の強みとは・相鉄ホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、東京地下鉄株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
東京都区部を中心に9路線の地下鉄ネットワークをもち、鉄道の運行を中心に、駅の商業施設・広告、沿線の不動産賃貸も手がける会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 4,224億円 | +3.6% |
| 営業利益 | 896億円 | +3.0% |
| 営業利益率 | 21.2% | 前期 21.3% |
| 経常利益 | 792億円 | +2.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 590億円 | +9.8% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 8.1% | 前期 7.8% |
| 自己資本比率 | 35.9% | 前期 35.3% |
| 配当 | 年42円(配当性向41.3%) | 前期 40円 |
- 旅客運輸収入が引き続き好調で増収、経費・人件費も増えましたが増益でした
- 当期純利益は、退職給付制度改定益の計上で大きく増えました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 営業収益 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 運輸業 | 旅客運輸収入が好調 | 3,866億円(+3.8%) | 762億円(+2.7%) |
| ライフ・ビジネスサービス | Echikaなどの商業施設の賃貸収入、駅構内・車両内の広告が増加 | 264億円(+2.5%) | 85億円(+3.2%) |
| 不動産 | 渋谷マークシティや新しい物件の賃貸収入 | 147億円(+0.2%) | 44億円(+4.7%) |
- セグメントの営業利益の合計のうち、約86%が運輸業です(計算値)
- 東京メトロ単体の旅客運輸収入は3,505億円(+3.3%)です
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 東京の地下鉄ネットワーク
- 東京都区部を中心とする9路線の地下鉄ネットワークをもっています。旅客運輸収入は好調が続いています
② 高い利益率
- 営業利益率は21.2%です
③ 現金を生む力
- 営業活動によるキャッシュ・フローは1,338億円で、設備投資(有形・無形固定資産の取得917億円)をまかなっています
4. 弱み・リスク
① 鉄道への集中
- セグメントの営業利益の約86%が運輸業で、ほかの事業は小さい規模です
② 2027年3月期は減益の予想
- 会社は、旅客運輸収入は増えるものの営業費の増加で、2027年3月期の営業利益を814億円(−9.1%)、当期純利益を500億円(−15.3%)と予想しています。中東情勢の影響は、精査中で予想に入れていません
③ 大きな負債
- 負債合計は1兆3,124億円です。長期借入金の返済を進めています
5. ライバルとの比較
首都圏の鉄道会社と並べます。どれも2026年3月期です。事業の中身が違うので、おおまかな比較です。
| 東京メトロ | 東急 | 相鉄HD | |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 4,224億円(+3.6%) | 1兆862億円(+3.0%) | 3,076億円(+5.3%) |
| 営業利益 | 896億円(+3.0%) | 1,032億円(−0.3%) | 388億円(+2.7%) |
| 営業利益率 | 21.2% | 9.5% | 12.6% |
| ROE | 8.1% | 10.0% | 12.9% |
| 自己資本比率 | 35.9% | 31.2% | 25.0% |
- 東京メトロは、営業収益が東急の半分以下ですが、営業利益は近い水準です(→東急の強みとは、相鉄ホールディングスの強みとは)。首都圏の私鉄は京浜急行電鉄の強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
東京メトロの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 旅客運輸収入(単体) | 3,505億円 | 決算短信(参考 鉄道事業営業利益) |
| 運輸業の営業利益 | 762億円 | 決算短信(セグメントの業績) |
| 設備投資の支出 | 917億円 | 決算短信(キャッシュ・フロー) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 営業収益4,372億円、営業利益814億円、当期純利益500億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年42円、2027年3月期予想44円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美ほとんど鉄道で稼ぐ会社なのね。乗る人の数と、費用の増え方を見ておきたいな
まとめ
- 東京メトロは、東京都区部を中心に9路線の地下鉄をもつ会社
- 2026年3月期は営業利益896億円(+3.0%)、営業利益率21.2%
- 営業利益の約86%が運輸業、旅客運輸収入は好調
- 2027年3月期は営業費の増加で営業利益814億円(−9.1%)の予想
- 配当は年42円、2027年3月期は年44円の予想
参考文献
- 東京地下鉄. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日). https://www2.jpx.co.jp/disc/90230/140120260428513381.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 東急. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/90050/140120260507517486.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 相鉄ホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日). https://www2.jpx.co.jp/disc/90030/140120260427512011.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。