横浜ゴムの強みとは:乗用車用タイヤと、農機・建設機械向けのOHT(オフハイウェイタイヤ)のタイヤ事業が事業利益の9割超。2025年2月にGoodyear社のOTR事業を買収。2025年12月期は事業利益1,666億円(+24.0%)、5期連続の増収増益で過去最高
横浜ゴムを、2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月19日)で分析しました。売上収益1兆2,350億円(+12.8%)、事業利益1,666億円(+24.0%、事業利益率13.5%)、営業利益1,529億円(+28.3%)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,054億円(+40.7%)、ROE11.0%、親会社所有者帰属持分比率51.6%。5期連続の増収増益で過去最高を更新。セグメント利益(事業利益)は、タイヤ1,550億円(売上収益1兆1,213億円、+14.3%、新車用・市販用の高付加価値商品、OHTはGoodyear社OTR事業の連結)、MB111億円(ホース配管・工業資材)。年134円の配当(前期98円)、2026年12月期は売上収益1兆3,000億円・事業利益1,880億円・年172円の予想。ブリヂストン・住友ゴム工業との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男横浜ゴムって、車のタイヤの会社だよね

メル美決算短信を見ると、乗用車のタイヤだけじゃなくて、農機や鉱山の車両向けの「OHT」というタイヤも大きな柱なんだって
企業分析の連載、180社目は横浜ゴムです。2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月19日)で確認しました。比較には、この連載のブリヂストンの強みとは・住友ゴム工業の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、横浜ゴム株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の商品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
乗用車などのタイヤ(消費財)と、農機・建設機械・鉱山用車両向けのOHT(オフハイウェイタイヤ)を世界で売り、ホース配管・コンベヤベルトなどのMB(マルチプル・ビジネス)も手がける会社
| 項目(IFRS・連結) | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆2,350億円 | +12.8% |
| 事業利益(会社の指標) | 1,666億円 | +24.0% |
| 事業利益率 | 13.5% | 前期 12.3% |
| 営業利益 | 1,529億円 | +28.3% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,054億円 | +40.7% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 11.0% | 前期 9.2% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 51.6% | 前期 51.5% |
| 配当 | 年134円(配当性向20.0%) | 前期 98円 |
- 事業利益は、売上収益から売上原価と販売費及び一般管理費を引いた、会社の指標です
- 5期連続の増収増益で、過去最高を更新しました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上収益(外部) | セグメント利益(事業利益) |
|---|---|---|---|
| タイヤ | 消費財の新車用・市販用が増加、OHTはGoodyear社のOTR事業を連結 | 1兆1,213億円(+14.3%) | 1,550億円 |
| MB | ホース配管、コンベヤベルト・海洋商品などの工業資材、航空部品 | 1,056億円(+0.3%) | 111億円 |
- 事業利益の約93%がタイヤです(計算値)
- OHTの事業では、農機用タイヤの「Mitas」「Alliance」「Galaxy」などのブランドを展開しています
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 高付加価値の消費財タイヤ
- 「ADVAN」「GEOLANDAR」、ウィンタータイヤなどの高付加価値商品やハイインチ品の販売が伸びました。新車用では、欧米でSUVなどを中心にプレミアムカーへの装着を獲得しました
② OHT(オフハイウェイタイヤ)
- 2025年2月にGoodyear社のOTR(建設・鉱山用車両向けタイヤ)事業を買収し、製品ラインナップがそろったとしています。会社は、OHT市場の長期の成長率を年6%と予測しています
③ 構造改革とMB事業の改善
- MB事業は事業再編や収益改善策で、事業利益率が10.5%になり、中期経営計画の目標(10%)を1年前倒しで達成しました
4. 弱み・リスク
① 買収の費用
- Goodyear社のOTR事業の連結化にともなう一過性の費用を計上しました。買収などで総資産は1兆7,355億円→1兆9,984億円に増えました
② 原料価格と為替
- タイヤの利益は、天然ゴムなどの原料価格や為替で変わります
③ 2026年12月期の当期利益は減益予想
- 2026年12月期は、事業利益1,880億円(+12.9%)の一方、当期利益は900億円(−14.6%)の予想です
5. ライバルとの比較
タイヤ大手と比べます。3社ともIFRS・2025年12月期ですが、利益の指標(ブリヂストンは調整後営業利益)が少し違うので、おおまかな比較です。
| 横浜ゴム | ブリヂストン | 住友ゴム工業 | |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆2,350億円(+12.8%) | 4兆4,295億円(−0.0%) | 1兆2,071億円(−0.4%) |
| 事業利益/調整後営業利益 | 1,666億円(+24.0%) | 4,937億円(+2.2%) | 908億円(+3.2%) |
| 利益率 | 13.5% | 11.1% | 7.5% |
| ROE | 11.0% | 8.9% | 7.3% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 51.6% | 63.7% | 49.0% |
- 横浜ゴムは、利益率とROEが3社でいちばん高く、伸び率も大きい水準です(→ブリヂストンの強みとは、住友ゴム工業の強みとは)。農機の会社はクボタの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
横浜ゴムの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年12月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| タイヤのセグメント利益 | 1,550億円 | 決算短信(セグメント情報) |
| OHTの売上の動き | Goodyear社OTR事業の連結で増加 | 決算短信(経営成績の概況) |
| 会社の業績予想 | 2026年12月期 売上収益1兆3,000億円、事業利益1,880億円、当期利益900億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年134円、2026年12月期予想172円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男乗用車のタイヤと、農機や鉱山のタイヤの両方で伸びているんだね。買収した事業がどれくらい利益に貢献するかを見ておこう
まとめ
- 横浜ゴムは、乗用車用タイヤとOHTのタイヤ事業が中心の会社
- 2025年12月期は事業利益1,666億円(+24.0%)、5期連続の増収増益
- 事業利益の約93%がタイヤ
- 2025年2月にGoodyear社のOTR事業を買収
- 2026年12月期は事業利益1,880億円・年172円の予想
参考文献
- 横浜ゴム. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月19日). https://www.y-yokohama.com/release/pdf/2026021914mg003.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- ブリヂストン. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月16日). https://www.bridgestone.co.jp/ir/library/result/pdf/r7_4.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 住友ゴム工業. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/51100/140120260211555148.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。