住友ゴム工業の強みとは:DUNLOP・FALKENのタイヤが事業利益の約9割、ゴルフ(SRIXON・XXIO)・テニスのスポーツも。2025年は欧州・北米などの四輪タイヤのDUNLOP商標権を取得。2025年12月期は事業利益908億円(+3.2%)・営業利益826億円
住友ゴム工業を、2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益1兆2,071億円(−0.4%)、事業利益908億円(+3.2%、事業利益率7.5%)、営業利益826億円(前期112億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益504億円(+410.7%)、ROE7.3%、親会社所有者帰属持分比率49.0%。米国関税などのコスト上昇の一方、値上げ・内部努力・米国タイヤ工場の閉鎖効果で増益。セグメントの事業利益は、タイヤ798億円(+4.8%)、スポーツ68億円(−13.3%)、産業品他42億円(+11.7%)。2025年5月に欧州などの四輪タイヤのDUNLOP商標権等の譲受を完了し、北米でもDUNLOPブランドのタイヤ販売を開始。年77円の配当、2026年12月期は売上収益1兆3,200億円・事業利益1,120億円(+23.4%)・年84円の予想。ブリヂストンとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男住友ゴムって、ゴルフボールもつくってるよね?

メル美決算短信を見ると、ゴルフやテニスのスポーツ事業もあるけど、利益の約9割はタイヤなんだって
企業分析の連載、144社目は住友ゴム工業です。2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のブリヂストンの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、住友ゴム工業株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の商品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
DUNLOP・FALKENなどのブランドのタイヤを日本と世界で売り、ゴルフ用品・テニス用品のスポーツ事業、ゴム部品などの産業品も手がける会社
| 項目(IFRS・連結) | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆2,071億円 | −0.4% |
| 事業利益(会社の指標) | 908億円 | +3.2% |
| 事業利益率 | 7.5% | 前期 7.3% |
| 営業利益 | 826億円 | 前期 112億円 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 504億円 | +410.7% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 7.3% | 前期 1.5% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 49.0% | 前期 48.9% |
| 配当 | 年77円(配当性向40.2%) | 前期 58円 |
- 事業利益は、売上収益から売上原価と販売費及び一般管理費を引いた、会社の指標です
- タイヤの販売本数は、競争の激化やインフレによる市況の悪化、一部の低採算品をやめたことで前期を下回りました。事業利益は、米国関税などのコスト上昇があった一方、値上げや内部努力、米国タイヤ工場の閉鎖効果で増えました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上収益 | 事業利益 |
|---|---|---|---|
| タイヤ | 国内新車用は増、海外新車用(中国などアジア)は大きく減少、欧州はFALKENのオールシーズンタイヤを拡販 | 1兆437億円(−0.3%) | 798億円(+4.8%) |
| スポーツ | SRIXONのゴルフクラブ・ボール、XXIO14が好調、韓国は市況悪化 | 1,256億円(−0.1%) | 68億円(−13.3%) |
| 産業品他 | OA機器用ゴム部品・手袋は減少、ガス管事業から撤退 | 378億円(−5.0%) | 42億円(+11.7%) |
- 3つのセグメントの事業利益の合計908億円のうち、タイヤが約88%です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① DUNLOPブランドの取得
- 2025年1月に、欧州などの地域の四輪タイヤのDUNLOP商標権等の譲受契約を結び、5月にクロージングしました。北米でもDUNLOPブランドのタイヤの販売を6月から始め、12月には自社生産の商品を発売しました
② 構造改革
- 米国タイヤ工場の閉鎖や低採算品の販売の取りやめなど、構造改革を進め、事業利益は増益になりました
③ スポーツのブランド
- ゴルフのSRIXON、XXIO、テニス用品などのスポーツ事業ももっています
4. 弱み・リスク
① 価格競争と市況
- アジア・大洋州では消費者の節約志向が高まり、中華系メーカーの価格攻勢が強まりました。海外新車用は、中国を中心にアジアの自動車メーカー向けが大きく減りました
② 米国関税
- 米国関税の影響によるコスト上昇がありました。米州では、関税影響の販売価格への転嫁などで販売本数が減りました
③ 利益率
- 事業利益率は7.5%、ROEは7.3%です
5. ライバルとの比較
タイヤ大手のブリヂストンと比べます。どちらもIFRS・2025年12月期ですが、利益の指標(住友ゴムは事業利益、ブリヂストンは調整後営業利益)が違うので、おおまかな比較です。
| 住友ゴム工業 | ブリヂストン | |
|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆2,071億円(−0.4%) | 4兆4,295億円(−0.0%) |
| 事業利益/調整後営業利益 | 908億円(+3.2%) | 4,937億円(+2.2%) |
| 利益率 | 7.5% | 11.1% |
| ROE | 7.3% | 8.9% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 49.0% | 63.7% |
- 規模と利益率はブリヂストンが上回ります(→ブリヂストンの強みとは)。スポーツ用品の会社はアシックスの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
住友ゴム工業の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年12月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| タイヤの事業利益 | 798億円 | 決算短信(セグメント別の業績) |
| DUNLOP事業の立ち上がり | 2025年5月に商標権等の譲受を完了、北米で6月に販売開始 | 決算短信(経営成績) |
| 会社の業績予想 | 2026年12月期 売上収益1兆3,200億円、事業利益1,120億円、当期利益550億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年77円、2026年12月期予想84円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男ゴルフの会社だと思ってたけど、利益の中心はタイヤなんだね。DUNLOPのタイヤが海外でどこまで伸びるかを見ておこう
ほかのタイヤの会社は横浜ゴムの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- 住友ゴム工業は、タイヤが事業利益の約88%で、スポーツ・産業品も手がける会社
- 2025年12月期は事業利益908億円(+3.2%)
- 欧州などで四輪タイヤのDUNLOP商標権等を取得、北米でも販売を開始
- 中華系メーカーの価格攻勢と米国関税が逆風
- 2026年12月期は事業利益1,120億円(+23.4%)の予想
参考文献
- 住友ゴム工業. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/51100/140120260211555148.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- ブリヂストン. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月16日). https://www.bridgestone.co.jp/ir/library/result/pdf/r7_4.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。