ブリヂストンの強みとは:世界のタイヤ大手で、売上の約半分が米州。18インチ以上のプレミアムタイヤと鉱山用の超大型タイヤが堅調。2025年12月期は売上収益4兆4,295億円・調整後営業利益4,937億円(+2%)。米国の関税と工場の再編費用も
ブリヂストンを、2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月16日)で分析しました。売上収益4兆4,295億円(前期とほぼ同じ)、会社が重視する調整後営業利益4,937億円(+2.2%、率11.1%)、営業利益3,812億円(−14.0%)、親会社の所有者に帰属する当期利益3,273億円(非継続事業を含む、+14.8%)、ROE8.9%。セグメント別の調整後営業利益は米州2,015億円(+12%)、日本1,981億円(+6%)、アジア・大洋州・インド・中国596億円、欧州・中近東・アフリカ424億円(+42%)。市販用プレミアムタイヤ(18インチ以上など)と鉱山用超大型タイヤが堅調な一方、新車用タイヤと南米が減少。米国の追加関税の影響は対策で打ち返したとしています。営業利益の減少は、海外のタイヤ工場の再編費用などによるもの。防振ゴム事業は非継続事業に分類。2026年1月1日に1株→2株の株式分割。年230円(分割前)の配当、2026年12月期は調整後営業利益5,150億円・分割後で年125円の予想。ミシュランとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男ブリヂストンって日本のタイヤの会社だよね。日本で一番売ってるの?

メル美アメリカで一番稼いでるって聞いたよ。鉱山のダンプの大きなタイヤもつくってるんだって
企業分析の連載、47社目はブリヂストンです。2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月16日)で確認しました。比較には、フランスのタイヤ大手ミシュランの2025年の決算発表(2026年2月11日)を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、ブリヂストン株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
乗用車・トラック・バス・鉱山機械などのタイヤを世界で売る会社。いちばん大きい市場は米州
| 項目(IFRS・連結、継続事業) | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 4兆4,295億円 | −0.0% |
| 調整後営業利益(会社が重視する指標) | 4,937億円 | +2.2% |
| 調整後営業利益率 | 11.1% | 前期 10.9% |
| 営業利益 | 3,812億円 | −14.0% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益(非継続事業を含む) | 3,273億円 | +14.8% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 8.9% | 前期 8.0% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 63.7% | 前期 65.2% |
| 配当 | 年230円(分割前、配当性向46.7%) | 前期 210円 |
- 調整後営業利益は、営業利益に一定の調整項目(事業・工場の再編費用など)を加減して計算したものです
- 営業利益が減ったのは、事業再編・再構築の費用(主に海外のタイヤ工場の再編)を計上したことと、前期に固定資産の売却益があったためです
- 当期利益が増えたのは、過去に計上した不確実な税務処理の取崩しで法人所得税費用が戻ったことなどによります
- 防振ゴム事業は非継続事業に分類され、上の継続事業の数字から除かれています
2. 何で稼いでいるか
セグメント別の売上収益(セグメント間を含む)と調整後営業利益(2025年12月期)です。
| セグメント | 売上収益 | 調整後営業利益 | 前期比(利益) |
|---|---|---|---|
| 米州 | 2兆1,305億円 | 2,015億円 | +12% |
| 日本 | 1兆2,659億円 | 1,981億円 | +6% |
| 欧州・中近東・アフリカ | 8,529億円 | 424億円 | +42% |
| アジア・大洋州・インド・中国 | 5,178億円 | 596億円 | +2% |
- 外部顧客への売上収益では、米州が2兆1,072億円で全体の約48%です
- 日本は利益率が高く、売上は米州の約6割でも、利益は米州とほぼ同じです
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① プレミアムタイヤ
- 市販用プレミアムタイヤ(18インチ以上の高インチタイヤなど)の販売が堅調でした。売値・販売MIX(売る商品の組み合わせ)の改善で、原材料高やインフレの影響を吸収しています
② 鉱山用の超大型タイヤ
- 鉱山用超大型タイヤの販売も堅調でした
③ 事業の再編
- 海外の工場の再編などの事業再編・再構築の効果が出始め、米州・欧州などの収益性の改善に貢献したとしています
4. 弱み・リスク
① 米国の関税と北米の景気
- 米国の追加関税が、原材料費や米国向けの輸出タイヤに影響しました。北米では、新車用トラック・バス用タイヤの需要が大きく減り、関税引き上げ前に安い輸入タイヤの駆け込み需要も増えました
② 新車用と南米
- 新車用タイヤの販売本数が減り、南米のタイヤ事業は販売本数が前期を大きく下回りました
③ 再編の費用と減損
- 事業・工場の再編費用(434億円)、減損損失(277億円)を計上しています
5. ライバルとの比較
フランスのタイヤ大手、ミシュランと比べます。会計基準・通貨が違うので、おおまかな比較です。
| ブリヂストン(2025年12月期) | ミシュラン(2025年12月期) | |
|---|---|---|
| 売上 | 4兆4,295億円(前期並み) | 260億ユーロ(−4.4%) |
| 会社が重視する利益 | 調整後営業利益4,937億円(率11.1%) | セグメント営業利益29億ユーロ(率10.9%、為替一定) |
| 利益率の変化 | +0.2ポイント | −1.5ポイント |
- 両社とも利益率は11%前後です。ミシュランは、販売本数の減少(−4.7%)の8割超が新車用(特に北米のトラック用・農業用)だとしています
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
ブリヂストンの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年12月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 調整後営業利益(率) | 4,937億円(11.1%) | 決算短信のサマリー |
| 米州の調整後営業利益 | 2,015億円 | 決算短信(セグメント) |
| 事業・工場の再編費用 | 434億円 | 決算短信(注記) |
| 会社の業績予想 | 2026年12月期 売上収益4兆5,000億円、調整後営業利益5,150億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年230円(分割前)、2026年12月期予想は分割後で年125円 | 決算短信 |
- 2026年1月1日に1株→2株の株式分割をしたので、配当は分割前後で単純に比べられません(→株式分割と投資単位)
- 自己株式は1億5,084万株(前期5,774万株)に増えており、自己株式の取得があったと考えられます(→自社株買いのしくみ)
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ。タイヤを買う自動車会社はトヨタの強みとは

プレ男アメリカで一番売ってるけど、日本の利益率が高いんだね。関税や工場の再編のニュースも気にしておかなきゃ
タイヤの会社は住友ゴム工業の強みとはも参考にしてください。
まとめ
- ブリヂストンは、世界でタイヤを売る会社で、売上の約半分が米州
- 2025年12月期は調整後営業利益4,937億円(+2%)、率11.1%
- 強みはプレミアムタイヤ、鉱山用超大型タイヤ、売値・MIXの改善
- 課題は米国の関税、新車用と南米、再編費用
- 2026年1月に1株→2株の株式分割
参考文献
- ブリヂストン. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月16日). https://www.bridgestone.co.jp/ir/library/result/pdf/r7_4.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- Michelin. Financial information at December 31, 2025(2026年2月11日). https://www.michelin.com/en/publications/group/financial-information-december-31-2025 (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。