
プレ男昼寝のあいだに、何十年もの夢を見ることってある?

メル美小泉八雲の『怪談』に、まさにそんな話があるよ。しかもオチがアリなの!
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、小泉八雲『怪談(Kwaidan)』(1904年)の「安芸之介の夢(THE DREAM OF AKINOSUKÉ)」です。英語の原文をProject Gutenbergで読みました。本文中の「」の言葉は、英語の原文から Claude が訳したものです。
どんな話?
| 題名 | 安芸之介の夢(THE DREAM OF AKINOSUKÉ) |
| 作者 | 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン) |
| 収録 | 『怪談(Kwaidan)』1904年 |
| 舞台 | 大和の国(注:いまの奈良県)の十市(英語では Toïchi) |
| 主人公 | 郷士(英語では gōshi。八雲は「イギリスの自作農にあたる、武士でもある農民」と説明)の宮田安芸之介 |
杉の木の下で、昼寝
- 安芸之介の庭には、古くて大きな杉の木がありました。暑い日には、その下でひと休みするのがならいでした
- ある暑い午後、安芸之介は友人2人とお酒を飲みながら話していて、急にとても眠くなります。友人にことわって、杉の木の根もとで横になり、夢を見ました
「常世の国」の王女と結婚
- 夢の中で、大名行列のようなりっぱな行列がやってきます。青い絹をかけた漆ぬりの御所車をひいて、家来が安芸之介に言います。「常世(英語では Tokoyo)の国王が、あなたを宮殿におまねきです」
- 宮殿で、国王は安芸之介を王女の婿にむかえ、盛大な婚礼が行われました
- やがて国王は、安芸之介を萊州(英語では Raishū)という島の知事に任命します
23年間の、幸せな島の暮らし
- 島の人々はとてもよい人たちで、病気も貧しさもなく、法律がやぶられることも一度もありませんでした
- 安芸之介は島を治め、23年、悲しみのかげさえない日々を送りました
- ところが24年目、5人の男の子と2人の女の子、7人の子を生んだ妻が、病気で亡くなります。妻は盤龍岡(英語では Hanryōkō)という美しい丘の上に、りっぱな墓とともにほうむられました
- 悲しむ安芸之介のもとに、国王の使いが来ます。「あなたを国へ帰そう。7人の子は国王の孫として、ちゃんと世話をする」
- 船で島をはなれ、島の形が青い海の上で小さくなっていったとき——安芸之介は目をさましました。自分の庭の、杉の木の下で

プレ男23年の人生が、昼寝のあいだの夢だったなんて!
黄色いちょうと、大きなアリ
- 友人たちは言います。「きみが昼寝しているあいだ、小さな黄色いちょうが顔の上を飛んでいた。地面にとまると、大きな大きなアリが穴から出てきて、ちょうを穴に引きこんだ。目がさめる少し前に、そのちょうがまた出てきて、きみの口に入っていったように見えた」
- 「アリなら説明がつくかもしれない。アリはふしぎな生きもので、化けものかもしれない。とにかく、あの杉の木の下には大きなアリの巣がある」
掘ってみると
- 安芸之介がすきで掘ってみると、杉の木のまわりと下は、アリの大群によっておどろくほど掘りぬかれていました。わらや土や茎でつくった小さな建物は、ミニチュアの町のようでした
- まん中のひときわ大きな建物では、小さなアリたちが、黄色っぽい羽と長い黒い頭をもつ、とても大きなアリをとりかこんでいます。「夢の国王だ!あれが常世の宮殿だ!」
- 「萊州は、その南西、大きな根の左にあるはず……あった!」。さらにさがすと、小さな塚の上に、仏塔のような形の川石がのせてあり、その下の土の中に、メスのアリのなきがらがうまっていました

メル美王女さまのお墓まで、ちゃんとあったんだ…!

小泉八雲の「安芸之介の夢」で、安芸之介は杉の木の下で昼寝をし、夢の中で23年を過ごします。杉の根もとを掘ると、大きなアリの巣がありました。
まとめ
- 「安芸之介の夢」は、小泉八雲『怪談』(1904年)の話。舞台は大和の国(いまの奈良県)
- 安芸之介は、杉の木の下で昼寝をし、夢で常世の国の王女と結婚、島の知事として23年暮らした
- 妻を亡くして故郷に帰されたところで、目がさめた
- 友人は、黄色いちょうが大きなアリに巣へ引きこまれたのを見ていた
- 杉の根もとにはアリの巣。国王らしい大きなアリと、王女の墓らしい小さな塚があった
- 『怪談』のほかの話は鏡と鐘、青柳のはなし、十六桜、お貞のはなしもどうぞ
参考文献
- Lafcadio Hearn. Kwaidan: Stories and Studies of Strange Things(1904年). “The Dream of Akinosuké”. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/1210 (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。