
メル美小泉八雲の『怪談』に、柳の木の精が人間と結婚する話があるんだって。

プレ男『雪女』みたいに、正体がわかっていなくなっちゃうのかな…。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、小泉八雲『怪談(Kwaidan)』(1904年)の「青柳のはなし(THE STORY OF AOYAGI)」です。英語の原文をProject Gutenbergで読みました。本文中の「」の言葉は、英語の原文から Claude が訳したものです。
どんな話?
| 題名 | 青柳のはなし(THE STORY OF AOYAGI) |
| 作者 | 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン) |
| 収録 | 『怪談(Kwaidan)』1904年 |
| 時代 | 文明年間(八雲の注では1469〜1486年) |
| 登場人物 | 能登の大名畠山義統(英語では Hatakéyama Yoshimuné)に仕える若い侍友忠、娘青柳 |
吹雪の山小屋で
- 友忠は越前の生まれ。20歳ほどのとき、京都の大名細川政元のもとへ使いに出され、とちゅう越前の母をたずねることをゆるされます
- いちばん寒い季節で、山道ではげしい吹雪にあいます。そのとき、柳の木がはえた丘の上に、わらぶきの小屋が見えました
- 小屋には、おじいさん、おばあさん、そしてぼろを着ていても、とても美しい娘がいました。娘は青柳という名前でした
歌でかわした心
- 青柳がお酒をつぎに来ると、友忠は思わず歌でたずねます。英語の原文にのっている歌は、「たづねつる 花かとてこそ 日をくらせ 明けぬにおとる あかねさすらん」
- 青柳は、まよわず歌で答えました。「いづる日の ほのめく色を わが袖に つつまばあすも 君やとまらん」(わたしの袖で朝日の色をかくせたら、あしたもあなたはとどまってくださるでしょうか)
- その歌のうまさと心に、友忠はすっかり心をうばわれ、その場で両親に結婚をもうしこみました

プレ男歌で告白して、歌で返事!ロマンチックすぎる。
京都で連れ去られる
- 八雲は、「日本のもとの話では、ここで話の流れがおかしな切れ方をしていて、友忠の母のことも、青柳の両親のことも、能登の大名のことも書かれていない」と注をつけ、話がつながるように説明を補っています
- 侍は主君のゆるしなく結婚できません。友忠は京都で青柳を人目からかくしますが、細川の家来に見つかり、青柳は細川の屋敷へ連れていかれます
- 友忠は思いをこめた漢詩を書き、青柳にとどけようとします。その翌日、友忠は細川に呼び出されました。「死を命じられるだろう。でも、青柳が帰らないなら生きていたくない」
「2人がそんなに愛しあっているのだから」
- 広間に入ると、細川は壇からおりてきて友忠の腕をとり、あの漢詩の一句「公子王孫逐後塵」(英語の原文ではローマ字)を口にしました。細川の目には、やさしい涙がありました
- 「2人がそんなに愛しあっているのだから、能登の殿にかわって、わしが結婚をゆるそう。いま、ここで祝言をあげよう」
- ふすまが開くと、花嫁衣装の青柳が待っていました
「私は人間ではありません」
- それから5年、2人は幸せに暮らしました
- ある朝、青柳は家のことを話していて、突然大きな悲鳴をあげ、真っ白になって動かなくなります
- 青柳は弱い声で言います。「私たちは、前の世からの縁で結ばれました。これからの世でも、また会えると思います。でも、この世の縁はもう終わりです。念仏をとなえてください。私は死ぬのです」
- 「私は人間ではありません。木の魂が私の魂、木の心が私の心、柳の樹液が私の命です。いま、だれかが私の木を切っているのです」
- 青柳は袖で顔をかくそうとして、そのまま床の高さまで沈んでいきました。友忠がささえようとしたときには、そこには着物と髪かざりだけが残っていました

メル美「だれかが私の木を切っている」…。人間の知らないところで、命がつながっていたんだね。
3本の柳の切り株
- 友忠は頭を剃って僧になり、国じゅうを旅して青柳のために祈りました
- 越前で青柳の両親の家をさがすと、小屋はなくなっていて、残っていたのは、ずっと前に切られた3本の柳の切り株——2本の古い木と、1本の若い木——だけでした
- 友忠はそのそばに供養の墓を建て、青柳とその両親の魂のために、お経をあげました

小泉八雲の「青柳のはなし」で、青柳は「柳の樹液が私の命です」と打ち明けます。越前に残っていたのは、2本の古い柳と1本の若い柳の切り株でした。
まとめ
- 「青柳のはなし」は、小泉八雲『怪談』(1904年)の話。時代は文明年間
- 若い侍友忠は、吹雪の山小屋で娘青柳と歌をかわして結ばれた
- 京都で細川政元に連れ去られたが、漢詩の思いが伝わり、細川が結婚をゆるした
- 5年の幸せのあと、青柳は「私は柳の木の命。いまだれかが木を切っている」と言って消えた
- 越前には、3本の柳の切り株(古い2本と若い1本)だけが残っていた
- 『怪談』のほかの話は安芸之介の夢、十六桜、お貞のはなし、雪女もどうぞ
参考文献
- Lafcadio Hearn. Kwaidan: Stories and Studies of Strange Things(1904年). “The Story of Aoyagi”. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/1210 (閲覧日:2026年10月5日)
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