自炊の道具の「まさか」:スライサーの刃が横に2mm飛び出して指を切った、買って1か月の雪平鍋の取っ手が外れた、ゆで卵の電子レンジ調理器は水が少ないと卵が破裂、塩入れのふたの縁で手を切った【国民生活センター】
一人暮らしの自炊で使うスライサーや片手鍋、電子レンジ調理器。国民生活センターは、消費生活センターなどの依頼でトラブルのあった商品を調べています。1年ほど毎日使ったスライサーは、野菜を動かす力で刃が本体の横に2mm飛び出していました。買って1か月の雪平鍋は、取っ手の溶接が不完全でした。ゆで卵をつくる電子レンジ調理器は、水が水位線より少ないと卵が破裂しました。塩入れのふたは、ステンレスの縁がギザギザで鋭くなっていました。刃のがたつきやずれに気づいたら使うのをやめましょう。
目次

プレ男自炊を始めて、スライサーと片手鍋、電子レンジでゆで卵ができる道具をそろえたんだ!

メル美どれも、国民生活センターに相談があった道具だよ。気をつけるところを見てみよう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は自炊の道具です。国民生活センターの「相談解決のためのテストから」(No.145・150・156・163、2020〜2022年)と、小径のフライパン・片手鍋の注意喚起(2021年)をもとにまとめました。
刃が飛び出したスライサー(No.145)
相談:スライサーを洗っていたら、横に飛び出していた刃で指を切った。
- 本体の上で野菜を前後に動かして薄く切るスライサーで、約1年ほぼ毎日使っていたとのこと
- 平らな刃は接着されておらず、押しこんで固定するつくりで、本体の横から2mm飛び出していました。野菜を前後に動かすときに、刃が押し出される力がかかるつくりでした
- 刃をもとの位置にもどして玉ねぎを切ると、切れ味が落ちていて、1個切ったところで刃が1mm飛び出しました。同じ型の商品でも、使ううちに固定がゆるむ可能性があると考えられました
- 事業者は「はめこんである刃ががたついたり、ずれたりした場合は、危険なので使用を中止」という注意表示を加えるとしました
見守り新鮮情報 第449号(2023年4月25日)によると、スライサーでは、食材が小さくなったり手がすべったりして指が刃にふれるけがも多く、指先の皮膚をそぎ落とすと血が止まりにくく、治るまで時間がかかることも。野菜が小さくなったら食材をつかむ「安全ホルダー」を使うか、包丁で切りましょう。洗うときや、引き出しから物を取り出すときも刃にふれないよう注意を。

プレ男毎日使ってると、刃がずれてくることがあるのか…。
取っ手が外れた雪平鍋(No.156)
相談:買って1か月の雪平鍋(片手鍋)の取っ手が、数回使っただけで外れた。
- 3回ほど使い、落としたりぶつけたりはしておらず、洗っているときに突然取っ手がとれたとのこと
- 取っ手のとりつけ部分の溶接(スポット溶接)が不完全で、使っているうちにかかる力にたえられなかったと考えられました
- 事業者は、溶接の面積を増やす、機械で力をかける検査に変える、などの改善をするとしました
小さいフライパン・片手鍋は、傾き・取っ手の焦げ・ねじのさびに注意
一人分の調理でよく使う小さめのフライパン・片手鍋について、国民生活センターが注意をまとめています(2021年9月16日)。PIO-NETには、2016年度以降の約5年間に、フライパン・片手鍋の落下に関係する危害・危険の事例が129件寄せられていました。
- 傾く・落ちる:ガスこんろの調理油過熱防止装置(なべ底にあたるセンサー)がなべ底を押し上げ、小さいフライパンが傾いたり落ちたりすることがありました。取っ手を持ちながら調理しましょう
- 取っ手が焦げる:最も強い火では、取っ手の樹脂部分の表面が耐熱温度をこえました。小さいものは取っ手の根もとが炎に近いので、火力に注意
- ねじがさびる:取っ手の先から根もとまで長いねじでとめているものは、中に水が残るとねじがさびて折れるおそれがあります。洗ったあとはよく水を切り、ねじがゆるんでいたら締めなおしましょう
卵が破裂したゆで卵の電子レンジ調理器(No.150)
相談:電子レンジ調理器で卵を調理したら、卵が破裂して調理器の上半分が飛び、レンジの庫内がこわれた。
- 電子レンジの取扱説明書では、ふつう、卵(といたもの以外)の加熱は禁止されています。殻や膜のある食材の中に水蒸気ができると、逃げ場がなく破裂することがあるためです
- この調理器は、卵を金属のカバーでおおって電磁波があたらないようにし、水位線まで入れた水の蒸気で卵を温めるつくりでした
- 再現テストでは、水位線まで水を入れると破裂しませんでしたが、水を半分にしたときと水を入れないときは、卵が破裂しました。事故のときは、水が少なかった可能性があります
- この調理器は、電子レンジで禁止されている卵の加熱や金属の使用にあたるものです。使う人はそれをわかったうえで判断する必要がある、としています
ふたの縁で手を切った塩入れ(No.163)
相談:塩入れのふたを回して開けようとしたら、親指から手のひらにかけて切れた。
- ふたは、樹脂の部品の外側を厚さ0.5mmのステンレス板でおおったつくりで、その縁が鋭くギザギザでした
- 食器などの縁の鋭さを決めた国内の規格はないため、米国の規格などを準用して調べると、「けがにつながるおそれのある鋭い縁」と判定されました。ソーセージを親指の代わりにした再現テストでも、皮が破れました
ハンドブレンダーは、プラグを抜いてから刃にさわる
NITE(製品評価技術基盤機構)の製品安全情報マガジン Vol.437「STOP!事故の秋」(2023年9月26日)より。
- ハンドブレンダーで調理中、刃先に野菜がひっかかったので、スイッチを切り、電源プラグは差したまま手でとろうとしたら、スイッチが入って指をけがした。スイッチを押すと刃がすぐに回るつくりでした
- 取扱説明書には「電源プラグを差しこんだ状態で、カッターの刃に手でふれない」とありました
- つまった食品をとるときや、分解・掃除のときは、必ず電源プラグを抜き、刃に直接手でふれない
- 食品をつめこみすぎない(モーターに負担がかかって発煙した例)。食品以外のものを入れない(ドライアイスを入れて容器が破裂した例)
炊飯器の24時間保温で、ご飯が腐ったにおいに(No.122)
- 買いかえた炊飯器でご飯を炊いて24時間保温したら、腐ったにおいがした、という相談がありました(2018年6月14日)
- 取扱説明書には、においの原因になるので24時間以上の保温はしないと書かれていました
- 保温中の65℃前後では、腐敗臭の原因になる好熱性細菌がふえうることが知られていて、24時間保温したご飯からは多くの好熱性細菌が見つかりました
- 保温中ににおいが気になるときは、取扱説明書にしたがって汚れやすい部分や分解できる部分を掃除・洗浄する。保温時間を短くし、長くなりそうならすぐに冷まして冷蔵、なるべくなら冷凍して、電子レンジで温めて食べるとよい、としています
鍋の表示も見ておこう
アルミ・ほうろう・ステンレス・銅の鍋(10L以下、加熱装置のないもの)は、家庭用品品質表示法で表示が決められています(消費者庁)。
- 表面加工:「ふっ素樹脂塗膜加工」「アルマイト」「ほうろう」など
- 材料の種類と厚さ:鍋底の中央の材料の厚さをミリメートルで(ステンレスは±10%以内など)。火にあたる部分に別の材料を貼ったものは「はり底」
- 寸法(内径、センチメートル)と満水容量(リットル、±5%以内)
- 取扱い上の注意:空だきしない、使ったらよく洗って乾かす、取っ手が熱くなることがある、縁まで水を入れて使わない、鍋の中に料理を保存しない(ほうろう鍋をのぞく)、焦げつきを金属製の固いもので落とさない、天ぷらは油温を200℃以上にしない、など
「ずぼら調理」でも、安全の手間ははぶかない
NITE(製品評価技術基盤機構)の「“ずぼら調理”が招く危険~トリセツをよく読んで『調理家電の事故』を防ぎましょう~」(2024年9月26日)によると、2019〜2023年にNITEに通知された調理家電の事故は494件。原因がわかった226件のうち、使う人の誤使用・不注意が関係するものが44%(99件)でいちばん多くなっていました。
- 調理の前に、取扱説明書と商品パッケージの注意事項を確かめる(禁止された容器や食品を加熱しない、揚げ物は決められた油の量を守る)
- 調理中はその場を離れない、加熱しすぎない
- 調理のあとはこまめに掃除する

スライサーは、毎日使ううちに刃の固定がゆるみ、横に飛び出すことがあります。刃のがたつきやずれに気づいたら、使うのをやめましょう。
圧力鍋の注意は圧力鍋、ふたを開けたら中身が噴き出す?、フライパンやワイン瓶の例はワインのコルク抜きで瓶が割れたのは、電子レンジの注意は電子レンジにアルミホイルで発火へ。

プレ男使う前に、スライサーの刃がずれてないか見る。ゆで卵の調理器は、水位線まで水を入れる。

メル美おかしいと思ったら、販売店や188に相談してね。
電気ポット・電子レンジ・電気ストーブなどの例は、電気ポットに蛇口から水を足したら、注ぎ口から約75℃のお湯が噴き出したへ。
オーブントースターの火災の注意は、オーブントースターで唐揚げを温めたら庫内から火がへ。
缶詰のふた・ガラスのなべぶた・廃油凝固剤のうっかりは、自炊の3つの「うっかり」へ。
お風呂・洗面所・部屋の道具の事例は、家の道具の「まさか」6選へ。
まとめ
- スライサー:使ううちに刃の固定がゆるみ、横に2mm飛び出した。がたつき・ずれがあれば使用中止
- 雪平鍋:取っ手の溶接が不完全で、買って1か月で外れた
- 小さいフライパン:ガスこんろで傾く、強火で取っ手が焦げる、洗ったら水を切る
- ゆで卵の電子レンジ調理器:水が少ないと卵が破裂。電子レンジでの卵の加熱は禁止が基本
- 塩入れ:ステンレスの縁がギザギザで手を切った
- こまったら販売店・メーカー・188へ
- スライサーは野菜が小さくなったら安全ホルダーか包丁で。洗うときも刃に注意
参考文献
- 国民生活センター. 刃が飛び出したスライサー(相談解決のためのテストからNo.145)(2020年11月26日). https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20201126_3.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 国民生活センター. 取っ手が外れた雪平鍋(相談解決のためのテストからNo.156)(2021年9月2日). https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210902_6.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 国民生活センター. ゆで卵を作る電子レンジ調理器で卵が破裂(相談解決のためのテストからNo.150)(2021年3月4日). https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210304_2.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 国民生活センター. ふたを開けようとして指にけがをした調味料入れ(相談解決のためのテストからNo.163)(2022年3月3日). https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20220303_4.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 国民生活センター. 小径のフライパン・片手鍋の取扱いに注意-フライパン等の調理中の落下、取っ手の焼損、固定ねじの腐食が発生しています-(2021年9月16日). https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210916_2.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 製品評価技術基盤機構(NITE). “ずぼら調理”が招く危険~トリセツをよく読んで「調理家電の事故」を防ぎましょう~(2024年9月26日). https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2024fy/prs240926.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 製品評価技術基盤機構(NITE). 製品安全情報マガジン Vol.437「STOP!事故の秋」(2023年9月26日). https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/2023fy/vol437_230926.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 消費者庁. 家庭用品品質表示法 雑貨工業品 鍋. https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/zakka/zakka_28.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 国民生活センター. 電気ジャー炊飯器での保温によりご飯から腐敗臭が発生(相談解決のためのテストから No.122)(2018年6月14日). https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20180614_3.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 国民生活センター. 見守り新鮮情報 第449号 気を付けて! スライサーも刃物です(2023年4月25日). https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen449.html (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。