
メル美友だちが流産と診断されて、「自然に出るのを待つか、手術にするか、決めてください」って言われたんだって。どうやって選べばいいんだろう……。

プレ男つらいときに大きな決断を迫られるのは、本当に大変だよね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、流産と診断されたときに、自然に出るのを待つか、手術にするかの話です。日本産婦人科医会の研修ノート「No116 産婦人科診療 こんなときどうする?」の「自然流産に対し待機的管理もしくは外科的治療となっているが,どちらを選択すべきか?」(医師向け)をもとにまとめました。流産そのものについては流産を見てください。

どちらの方法を選んでも、次の妊娠への影響に差はないとされています。わからないことや不安なことは、遠慮せずに医師に聞いて、納得できる方法を選んでください。
流産の診断は1回では確定しない
研修ノートによると、
- 超音波の性能の限界や、排卵日がずれていたことなどで、赤ちゃんの袋(胎のう)が見えなかったり、週数より小さかったりすることがあるため、1回の超音波で流産と確定しないことが大切です
- 1〜2週間あけて再検査して、診断を確かなものにします
日本で選べる方法は2つ
研修ノートによると、
- 日本では、妊娠12週未満の稽留流産・不全流産に、飲み薬での治療は標準的な選択肢になっていないため、自然に出るのを待つ(待機的管理)か、手術(外科的治療)のどちらかになります
- どちらを選ぶべきかは確立していないため、妊婦さん自身が決めてよく、医療者はその選択を支えるとしています
- どちらを選んでも、次の妊娠率に差はないと説明されます
| 自然に出るのを待つ | 手術 | |
|---|---|---|
| よいところ | 手術を避けられる可能性、費用や体への負担が少ない | 予定が立てやすい、残りや予定外の受診が少ない |
| 気になるところ | いつ出るかわからない、出るときの痛みや出血、受診がふえることがある。全部出きらずに手術が必要になることも | 手術・麻酔の負担、出血や子宮に穴があくなどのリスク |
海外の比較試験では
研修ノートで紹介されている海外の比較試験(MISTトライアル、妊娠13週未満)では、自然に待つ方法と手術をくらべて、
- 予定外の入院:49% 対 8%
- 組織が残った:36% 対 10%
- 追加の手術が必要:44% 対 5%
- 2週間以内の感染症:どちらも約3%
- 次の妊娠率に差はなく、約80%が5年以内に赤ちゃんを授かった
と報告されていて、長い目でみると、どちらの方法にも差はなかったとされています。

プレ男どちらを選んでも、次の妊娠には影響がないんだね。それぞれのよいところと気になるところを聞いて、自分で選べばいいんだ。
どちらを選んでも知っておきたいこと
研修ノートによると、
- 手術を選んでも、手術の日までに自然に出てくることがあり、どちらを選んでも、予期しない出血がありうることを知っておく必要があります
- 待つ方法を選んでも、全部出きらずに手術が必要になることがあるため、必要なときにすぐ手術に移れるよう、手術前の検査をしておくこともあります(保険診療)
- その検査に血液型を入れておくと、Rh(D)陰性がわかります。Rh(D)陰性で抗体がない人には、待つ方法でも、流産のあとに抗D免疫グロブリンの注射がすすめられています(Rh(D)陰性の妊婦さん)
(更新)日本産科婦人科学会の「流産・切迫流産」のページ(2025年1月30日更新)によると、前回の流産から次の妊娠までの間隔が短くても、流産の確率が高まることはなく、流産後にわざわざ避妊期間を設ける必要はなさそうだとしています。ただ、流産後は気分が落ちこみやすく不安も強いといわれ、気持ちが落ち着くまで次の妊娠を少し待つこともあってよいとしています。血液型がRh(D)陰性の人は、次の妊娠に備えて抗D免疫グロブリンを注射します。流産のあとの受診の時期は確認していません。
まとめ
- 流産の診断は1回の超音波では確定せず、1〜2週あけて再検査
- 日本では、自然に出るのを待つか手術のどちらか
- どちらを選んでも次の妊娠率に差はない。自分で決めてよい
- 待つ方法は手術を避けられる可能性、ただしいつ出るかわからず出血や痛みがある
- Rh(D)陰性の人は、流産のあとに注射が必要なことも
参考文献
- 公益社団法人日本産婦人科医会. 研修ノート No116 産婦人科診療 こんなときどうする?「12.自然流産に対し待機的管理もしくは外科的治療となっているが,どちらを選択すべきか?」. https://www.jaog.or.jp/note/no116_2_12/ (閲覧日:2026年10月10日)
- 日本産科婦人科学会. 流産・切迫流産(更新日時:2025年1月30日). https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=4 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。