
メル美中絶をした友だちが、「出血がまだ続いてるけど大丈夫かな」「もう妊娠できなくなったらどうしよう」って不安がってるの。

プレ男相手の男性も、何か支えられることがあるはずだよね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、人工妊娠中絶のあとの体とこころの話です。英国NHSの「Abortion」(回復、合併症、支援のページ、2024年12月更新)と、日本産婦人科医会の「女性の健康Q&A」をもとにまとめました。法律や方法については、人工妊娠中絶の記事を見てください。どんな事情があっても、あなたを責める人はここにはいません。
中絶のあと、よくあること
NHSによると、
- 数日のあいだ、おなかの痛みやけいれんのような痛みがあることがあります
- 腟からの出血は、薬による中絶でも手術による中絶でも、数週間続くことがあります
- 薬による中絶では、使う薬で下痢や吐き気が出ることがありますが、ふつうは1日でおさまります
(更新)日本産婦人科医会の産婦人科ゼミナール「38.経口中絶薬治療後の外来受診タイミング」(2026年8月31日作成、医師向けの連載)で確認しました。中絶手術と同じように、治療の1〜2週間後に受診して、問題がなければ終わりにしている医療機関が多いと考えられるとしています。経口中絶薬のあとは、まれに出血が続き、輸血などが必要になることがあり(千に数件の割合)、海外の研究では出血が治療2週間以降も続くと組織が残っている可能性が高かったため、理想的には治療直後から1週間以内と、3週間後ごろの2回の診察が安全だとしています。日本では、経口中絶薬は2023年4月の承認から1万5千件以上使われているとされています
家でできること
NHSによると、
- 痛むときは、痛み止めを使ってよい(どの薬を使うかは、医療機関に確認しましょう)
- シャワーやお風呂は、ふだんどおりでよい
- 麻酔を受けたときは、眠くなることがあるので、だれかにそばにいてもらう
- ナプキンを使うと、出血の量がわかりやすい
- セックスは、気持ちと体の準備ができるまでしなくてよい
すぐに受診したほうがよいとき
NHSによると、中絶のあとに次のようなことがあれば、すぐに相談・受診しましょう。
- 数日たっても痛みや出血がよくならない
- 1週間ほどたっても、妊娠している感じが続く
- 熱、インフルエンザのような感じ、いつもとちがうおりものなど、感染のサインがある
- 出血がとても多いときは、救急へ(NHSは救急車を呼ぶか救急外来へ、としています)

中絶のあとの出血や痛みはよくあることですが、出血が多い、熱が出る、痛みが続くときは、ためらわず受診を。夜中でも、手術を受けた医療機関に連絡してください。
起こりうる合併症
NHSによると、中絶は一般にとても安全ですが、ほかの医療と同じように合併症のリスクがあり、妊娠週数が進むほどリスクは上がります。
- 妊娠の組織が一部残り、取りのぞく手術が必要になる
- 多量の出血
- 子宮の損傷
- 感染(敗血症を含む)
子宮の感染を治療せずに放っておくと、まれに骨盤内炎症性疾患(PID)になり、不妊や異所性妊娠のリスクが上がることがあります(骨盤内炎症性疾患(PID))。
将来の妊娠
- NHSによると、中絶のあと、将来妊娠できる可能性は、中絶の前と同じにもどるとされています
- 日本産婦人科医会も、中絶を受ける時期は早いほうが体への影響は少なく、手術後も適切に診察を受けていれば、将来の妊娠についてあまり心配はいらないとしています

メル美きちんと診察を受けていれば、将来の妊娠はあまり心配いらないんだね。友だちに伝えてあげよう。
すぐに妊娠できる。避妊を
- NHSによると、中絶のあとはすぐに妊娠することがあります。避妊をしましょう
- 次の妊娠を考えていないなら、中絶のときに、ピルやIUDなどの避妊法について相談しておくと安心です(低用量ピル、IUD・皮下インプラント)
- 避妊できなかったときは、アフターピル(緊急避妊薬)があります
こころのこと
- NHSによると、中絶のあとにいろいろな気持ちになるのは、よくあることです
- 気持ちが落ちこむ、眠れない、ひとりで抱えきれないときは、手術を受けた医療機関や、各地のにんしんSOSなどの相談窓口に話してみてください。窓口は人工妊娠中絶の記事の「相談できるところ」にまとめています
パートナーにできること
- 体を休める時間をつくる。家事などをかわる
- 出血や痛み、熱がないか気にかけて、受診が必要なときは付きそう
- 気持ちを否定せず、責めず、話を聞く
- 次のセックスは、相手の気持ちと体の準備ができるまで待つ。そのときは避妊を一緒に考える
まとめ
- 中絶のあとは、数日の腹痛と、数週間続くこともある出血がよくある
- 痛みや出血が続く、熱やいつもとちがうおりもの、妊娠している感じが続くときは受診。出血が多いときは救急へ
- すぐに妊娠できるので避妊を
- 適切に診察を受けていれば、将来の妊娠はあまり心配いらない
- いろいろな気持ちになるのはよくあること。ひとりで抱えこまないで
参考文献
- NHS. Recovery after an abortion(Page last reviewed: 5 December 2024). https://www.nhs.uk/tests-and-treatments/abortion/recovery/ (閲覧日:2026年10月10日)
- NHS. Complications of an abortion(Page last reviewed: 5 December 2024). https://www.nhs.uk/tests-and-treatments/abortion/risks/ (閲覧日:2026年10月10日)
- NHS. Help and support with an abortion(Page last reviewed: 5 December 2024). https://www.nhs.uk/tests-and-treatments/abortion/support/ (閲覧日:2026年10月10日)
- 日本産婦人科医会. 人工妊娠中絶手術後の、からだへの影響についてや将来の妊娠について教えてください。(2017年7月12日作成). https://www.jaog.or.jp/qa/confinement/ninsinshusanqa7/ (閲覧日:2026年10月10日)
- 公益社団法人日本産婦人科医会. 産婦人科ゼミナール Dr石谷の女性医学四方山話 38.経口中絶薬治療後の外来受診タイミング(2026年8月31日作成). https://www.jaog.or.jp/lecture/38%ef%bc%8e%e7%b5%8c%e5%8f%a3%e4%b8%ad%e7%b5%b6%e8%96%ac%e6%b2%bb%e7%99%82%e5%be%8c%e3%81%ae%e5%a4%96%e6%9d%a5%e5%8f%97%e8%a8%ba%e3%82%bf%e3%82%a4%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0/ (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。