
プレ男北極星になった男の子がいるの?

メル美インドの神話なんだって。はじまりは、お父さんのひざに乗れなかった、っていうさみしい出来事なの。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回はインド神話のドゥルヴァです。『ヴィシュヌ・プラーナ』第1部11〜12章を、マンマタ・ナート・ダットの英訳(1896年、Project Gutenberg)で読みました。ダットの目次には、「ドゥルヴァは天にのぼって北極星となる」と書かれています。インド神話の全体はインド神話の入門へ。
プロフィール
| 父 | ウッターナパーダ王(人類の祖マヌの子) |
| 母 | スニーティ(王にあまり愛されなかった妃) |
| 継母 | スルチ(王のお気に入りの妃) |
| 異母兄弟 | ウッタマ |
| 祈った神 | ヴィシュヌ |
| さいご | 星々をささえる場所(北極星)になった |
1. 父のひざ
- ウッターナパーダ王には、お気に入りの妃スルチとの子ウッタマと、あまり愛されない妃スニーティとの子ドゥルヴァがいました
- ある日、玉座の王のひざにウッタマがすわっているのを見て、ドゥルヴァも乗りたいと思いました。けれども、スルチがいたので、王は息子をひざにのせてやれませんでした
- スルチは言いました。「わたしが生んだ子でもないのに、なぜそんな望みをもつの。この玉座はウッタマのもの。あなたはスニーティの子でしょう」

メル美小さな子に、そんなひどいことを…。お父さんも、だまって見ているなんて。
2. 母のなぐさめ
- ドゥルヴァは、くちびるをふるわせて、母スニーティの部屋へかけこみました。スニーティは、子をひざにのせて話を聞きました
- スニーティは涙ぐみながら言いました。「悲しまないで。もしスルチの言葉に深くきずついたのなら、すべてのよいことをもたらす、正しいおこないをつみなさい」
- 「やさしく、正しい心で、すべての生きものによいことをしなさい。水がひくいところへ流れるように、さいわいは、それにふさわしい人のもとへやってくるのだから」
3. 「自分の力で」
- ドゥルヴァは答えました。「母さん、その言葉でも、こわされたぼくの心はなおらない。世界じゅうがうやまう、いちばん高い場所を、自分の力で手に入れる」
- 「人からあたえられるものはいらない。父さえ手にしたことのない場所を、自分のおこないで手に入れるんだ」
- 町を出たドゥルヴァは、森で7人の聖仙に出会いました。聖仙たちは「おまえはまだ4つか5つの子どもではないか」とおどろきながらも、その心の強さに感心し、「いちばん高い場所をのぞむなら、ヴィシュヌを祈りなさい」と教えました

プレ男4歳か5歳で! 悔しさを、がんばる力にかえたんだね。
4. 修行とまぼろし
- ドゥルヴァは、ヴィシュヌに心を集中して修行をはじめました。その修行の力に、神々はあわてました
- 神々は、インドラとともに、さまざまなまぼろしを見せて修行をやめさせようとしました。母スニーティの姿になって、涙を流して「やめて」とたのむまぼろしもありました。けれども、ヴィシュヌに心をむけたドゥルヴァには、そのまぼろしは見えませんでした
5. 星々をささえる場所
- ついにヴィシュヌがあらわれ、ドゥルヴァに言いました。「ドゥルヴァよ、わたしの恵みにより、おまえは三つの世界の上にある場所にのぼり、星々や惑星をささえるものとなる」
- 「その場所は、太陽や月や星、水星・金星・土星、そして7人の聖仙の領域よりも上にある。ある神々は四つの時代を、ある神々はひとりのマヌの時代を生きるが、おまえはひとつのカルパのあいだ生きるだろう」
- 「おまえの母スニーティも、明るい星となって、同じあいだ、おまえのそばの空にいるだろう」

ダット訳の『ヴィシュヌ・プラーナ』では、ヴィシュヌはドゥルヴァに、太陽や月や星々よりも上の、星々をささえる場所をあたえ、母スニーティも星になると告げました。
まとめ
- ドゥルヴァは、父のひざに乗ろうとして、継母にはずかしめられた幼い王子
- 母は「正しいおこないをつみなさい」となぐさめた
- ドゥルヴァは「人からもらうのではなく、自分の力で」いちばん高い場所をめざし、ヴィシュヌに祈る修行をした
- ヴィシュヌは、星々をささえる場所(北極星)をあたえ、母も星になった
- 同じ『ヴィシュヌ・プラーナ』のクリシュナとゴーヴァルダナ山とヴァーマナ、ヴィシュヌ、インド神話の入門もどうぞ
参考文献
- Manmatha Nath Dutt(英訳). A Prose English Translation of Vishnupuranam(Calcutta, 1896). Contents; Part I, Sections XI–XII. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/66208 (閲覧日:2026年10月10日)
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