
プレ男ファンタジーによく出てくる小人やエルフって、もとは北欧神話なの?

メル美スノッリの『新エッダ』に、小人がどうやって生まれたか、エルフがどこにすむかが書かれているんだって。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回は北欧神話の小人とエルフです。スノッリの『新エッダ』「ギュルヴィたぶらかし」の8節・14節・17節(R.B.アンダーソン英訳、1879年、プロジェクト・グーテンベルク)を読みました。小人がでてくる話はアルヴィースの歌もどうぞ。北欧神話の全体は北欧神話の入門へ。
プロフィール
| 小人(ドヴェルグ) | 光のエルフ | 闇のエルフ | |
|---|---|---|---|
| 生まれ・すみか | 巨人ユミルの肉の中にうまれ、土の中と岩の中にすむ | 天のアールヴヘイム | 地の下 |
| すがた | 神々から人の知恵とすがたをあたえられた | 太陽より美しい | 光のエルフとちがう。瀝青(ピッチ)よりも黒い |
| 名前の例 | モーッソグニル、ドゥリン、ドヴァリン、東・西・南・北の4人 | — | — |
1. 天をささえる4人の小人
- 世界のはじまり、神々は巨人ユミルの体から世界をつくりました。血からは海を、そして「頭蓋骨から空をつくり、大地の上に、4つの面でかかげた。その四すみには、それぞれ小人をおいた。その4人の小人は、アウストリ(東)、ヴェストリ(西)、ノルズリ(北)、スズリ(南)とよばれた」(8節)

メル美空の四すみを、東・西・南・北っていう名前の小人がささえているんだ!
2. うじ虫から小人へ
- 14節です。神々は、高い座について相談し、「小人たちが、肉の中のうじ虫のように、大地の土の中でうまれていたことを思いだした」
- 「小人たちは、まずユミルの肉の中につくられ、うまれて、うじ虫だった。けれども、神々の決めごとによって、人の知恵とすがたをえた。それでもなお、土の中と岩の中にすまなければならなかった」
- 小人のひとりはモーッソグニル、もうひとりはドゥリンでした。スノッリは、巫女の予言の歌を引いています。「そのとき、神々はみな裁きの座につき、だれが小人の一族を、血の海とブラインの骨からつくるかを相談した。人のすがたで、たくさんの小人が大地につくられた。ドゥリンの言ったとおりに」
3. 小人たちの名前
- そのあとに、巫女の歌にでてくる小人たちの名前が、ずらりとならびます。ニュイ、ニジ、ノルズリ、スズリ、アウストリ、ヴェストリ、ドヴァリン、ナーイン、ダーイン、ビヴル、バヴル、ボンブル、オーイン、ガンダールヴ、ソーリン、フィーリ、キーリ……(英訳の表記では Nye, Nide, Nordre, Sudre, Austre, Vestre, Dvalin, Nain, Dain, Bifur, Bafur, Bombor, Oin, Gandalf, Thorin, File, Kile など)
- さらに、「土の中にすむ」小人たちとはべつに、「岩の中にすむ」小人たちの名前もつづきます

プレ男ガンダルフ、ソーリン、フィーリ、キーリ…。どこかで聞いたことのある名前がいっぱい!
4. 光のエルフと闇のエルフ
- 17節で、ガングレリが「ウルズの泉のほかにも、すばらしい場所はあるのか」とたずねると、ハールは答えました
- 「すばらしい住まいがたくさんある。そのひとつがアールヴヘイムで、光のエルフとよばれる者たちがすんでいる。けれども闇のエルフは地の下にすみ、光のエルフとはすがたがちがい、おこないはもっとちがう」
- 「光のエルフは、見たところ太陽よりも美しく、闇のエルフは瀝青(ピッチ)よりも黒い」
- このあと、ハールは、赤い金の壁と銀の屋根の館グリトニル、虹の橋ビフレストが天とつながるところにあるヒミンビョルグ、オーディンの館ヴァラスキャールヴ、そして天と地がほろびても立ちつづける、太陽よりかがやく館ギムレーを紹介しています

『新エッダ』では、小人たちは巨人ユミルの肉の中にうじ虫のようにうまれ、神々の決めごとで人の知恵とすがたをえたが、土の中と岩の中にすまなければならなかった、と書かれています。
まとめ
- 天の四すみは、東・西・北・南という名の4人の小人がささえる
- 小人は、巨人ユミルの肉の中にうじ虫のようにうまれ、神々から人の知恵とすがたをあたえられた
- 小人は土の中と岩の中にすみ、巫女の歌には、たくさんの小人の名前がならぶ
- 光のエルフは天のアールヴヘイムにすみ、太陽より美しい。闇のエルフは地の下にすむ
- 物知りの小人がでてくるアルヴィースの歌、ウルズの泉のある世界樹ユグドラシル、館ヴァラスキャールヴの主オーディンもどうぞ
参考文献
- Snorri Sturluson. The Younger Edda; Also called Snorre’s Edda, or The Prose Edda(英訳:Rasmus B. Anderson、1879年). The Fooling of Gylfe, sections 8, 14 and 17. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/18947 (閲覧日:2026年10月12日)
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