
プレ男ギリシャ神話で、いちばんはじめの神さまってだれ?

メル美ヘシオドスによると、はじめにカオス、そのつぎに生まれたのが大地のガイアなんだって。「万物の母」ともよばれるの。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回はギリシャ神話の大地の女神ガイアです。ヘシオドス『神統記』116〜163行・453〜506行と、『ホメロス風讃歌』第30歌「万物の母、大地へ」(H.G.エヴリン=ホワイト英訳、1914年、プロジェクト・グーテンベルク)を読みました。ギリシャ神話の全体はギリシャ神話の入門へ。
プロフィール
| ガイア | 大地。「不死の神々の、ゆるがない土台」(『神統記』) |
| 生まれ | カオスのつぎに生まれた |
| ひとりで生んだもの | 星空の天(ウラノス)、山々、海ポントス |
| 天とのあいだの子 | オケアノス、ヒュペリオン、テイア、レア、テミス、ムネモシュネ、クロノスなどのティタンたち、キュクロプス、百の腕の巨人たち |
| よび名 | 「万物の母」「いちばん年をとった者」「神々の母」(讃歌第30歌) |
1. カオスのつぎに
- 『神統記』です。「まことに、はじめにカオスが生まれた。そのつぎに、胸の広い大地(ガイア)が生まれた。雪をいただくオリュンポスの頂に住む、不死の神々の、ゆるがない土台である」
- そのあとに、大地の深いところの暗いタルタロスと、不死の神々の中でいちばん美しいエロスが生まれた、と書かれています
2. 天と山と海を生む
- 「大地は、まず、自分と同じ大きさの星空の天(ウラノス)を生んだ。自分をすっかりおおい、幸いなる神々のゆるがない住まいとなるように」
- 「また、長い山々を生んだ。谷間に住む女神ニンフたちの、美しいすみかである。また、愛のむすびつきなしに、あれくるう波の、実りのない深い海ポントスを生んだ」
- そのあと、ガイアは天(ウラノス)とむすばれて、オケアノス、コイオス、クレイオス、ヒュペリオン、イアペトス、テイア、レア、テミス、ムネモシュネ、ポイベ、テテュス、そしていちばん年下のクロノスを生みました
- さらに、額のまんなかに目が1つだけのキュクロプスたち(ゼウスに雷をあたえた)と、肩から百の腕が生え、50の頭をもつ巨人たちも、ガイアと天の子でした

メル美空も山も海も、大地から生まれたんだ! だから「万物の母」なんだね。
3. ゼウスをかくした祖母
- ガイアの娘レアは、クロノスとのあいだに、ヘスティア、デメテル、ヘラ、ハデス、ポセイドン、ゼウスを生みました。ところがクロノスは、「自分の子にうちまかされる」と大地と天から聞いていたので、子が生まれるたびにのみこんでしまいました
- ゼウスが生まれるとき、レアは、両親である大地と天に、子が生まれるのをかくす方法を考えてほしいとたのみました。ふたりは、クロノスとその子についてさだめられていることを、すべて話しました
- そして、レアをクレタのリュクトスへ送りました。「大いなる大地は、広いクレタで、レアからゼウスを受けとり、育てることにした」。ガイアはゼウスをだいて、黒い夜をこえて運び、森の深いアイガイオン山の、聖なる大地のかくれた場所の、遠い洞窟にかくしました
- クロノスには、おくるみにつつんだ大きな石をわたしました。クロノスはそれをのみこみ、自分の子が生きのこっていることに気づきませんでした
- やがて、ガイアのたくみな助言にだまされて、クロノスはのみこんだ子どもたちをはきだし、さいごにのみこんだ石を、いちばんはじめにはきだしました。ゼウスはその石を、パルナッソスのふもとのピュトの地にすえて、人間へのしるしとした、と書かれています

プレ男ゼウスを助けたのは、おばあちゃんのガイアだったんだ!
4. 万物の母への歌
『ホメロス風讃歌』第30歌は、ガイアをこうたたえます。
- 「わたしは、ゆるがない大地、万物の母、すべてのもののなかでいちばん年をとった者を歌おう。大地は、世界にいるすべての生きものを養う。よい土地を行くもの、海の道にいるもの、空を飛ぶもの、すべてが大地のたくわえで養われる」
- 「女王よ、あなたによって、人は子にめぐまれ、実りにめぐまれる。死すべき人間に命の糧をあたえ、またとりあげるのも、あなたのものだ」
- 「ようこそ、神々の母、星空の天の妻よ」

『ホメロス風讃歌』第30歌では、大地は、地を行くもの、海にいるもの、空を飛ぶもの、すべての生きものを、そのたくわえで養うとうたわれています。
まとめ
- ガイア(大地)は、カオスのつぎに生まれた、神々の土台
- ひとりで天(ウラノス)、山々、海ポントスを生み、天とのあいだにティタンたちやキュクロプスを生んだ
- 孫のゼウスをクレタの洞窟にかくし、クロノスにはおくるみの石をわたした
- 『ホメロス風讃歌』は、ガイアを「万物の母」「神々の母」とたたえる
- ガイアがかくした神々の王ゼウス、ガイアの子の怪物テュポン、ガイアの孫のヘリオスとセレネもどうぞ
参考文献
- Hesiod. Theogony, ll. 116–163, 453–506; Homeric Hymn XXX (To Earth the Mother of All)(英訳:H. G. Evelyn-White、1914年). In: Hesiod, the Homeric Hymns, and Homerica. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/348 (閲覧日:2026年10月12日)
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