
プレ男畑をすいたら、土地がまるごと海へ運ばれて島になった!? スケールが大きすぎる!

メル美北欧神話の女神ゲフィウンのお話なんだって。スノッリの『新エッダ』は、この話からはじまるの。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回は北欧神話のゲフィウンの土地すきです。スノッリの『新エッダ』「ギュルヴィたぶらかし」第1章と36節、そしてアンダーソンが解説の中で訳した『ヘイムスクリングラ』(ユングリンガ・サガ)の一節(R.B.アンダーソン英訳、1879年、プロジェクト・グーテンベルク)を読みました。北欧神話の全体は北欧神話の入門へ。
プロフィール
| ゲフィウン | アース神族の女神 |
| 約束された土地 | 4頭の牛が1日と1夜ですけるだけの土地 |
| 4頭の牛 | 巨人の国ヨトゥンヘイムからつれてきた。ゲフィウンと巨人の息子たち |
| できた島 | シェラン島(英訳では Seeland) |
| あとにできた湖 | スウェーデンの湖(英訳では Logrinn、メーラル湖) |
| 女神としての役目 | 乙女のまま亡くなった者たちは、ゲフィウンの侍女になる(36節) |
1. 王の約束
- 「ギュルヴィ王は、いまスウェーデンとよばれる国々を治めていた。王は、話を聞かせて楽しませてくれた旅の女に、そのお礼として、4頭の牛が1日と1夜ですけるだけの耕地をあたえた、と言われている」
- ところが、「この女はアース神族で、名をゲフィウンといった」のです
2. 巨人の国の牛
- ゲフィウンは、北の巨人の国ヨトゥンヘイムから4頭の牛をつれてきました。それは、ある巨人とゲフィウンの息子たちでした
- 牛たちを犂(すき)につなぐと、犂はとても強く深く入って、土地をひきはがしました。牛たちは、その土地を西へ、海の中へとひいていき、海峡でようやく止まりました
- 「ゲフィウンはそこに土地をおき、名前をつけて、シェランとよんだ」

メル美「1日と1夜ですけるだけ」って、こういう意味だったんだ! 王さま、びっくりしただろうね。
3. 湖と島がそっくり
- 「土地がとられたあとは海になり、それはいまスウェーデンで、ログリン(湖)とよばれている」。アンダーソンはこれを、スウェーデンのメーラル湖と書きそえています
- 「そして、その湖の入り江は、シェランの岬と形が合っている」と書かれています
- スノッリは、むかしの詩人ブラギの歌を引いています。「よろこびのゲフィウンは、ギュルヴィから、すばらしい土地をひきだした。デンマークのふえた分を。走るけものたちから湯気がたった。4つの頭と8つの目の牛たちが、うばった広い草の島の前をすすんだ」

プレ男湖の形と島の形が合っている…! ジグソーパズルみたいに、はめたらぴったりってこと?
4. 『ヘイムスクリングラ』の語り
- アンダーソンが解説「歴史上のオーディン」の中で訳した『ヘイムスクリングラ』(ユングリンガ・サガ)の一節では、話が少しちがいます。オーディンがフュン島のオーディンセに住んだとき、ゲフィウンを、海峡をこえて北へ、新しい土地をさがしに送ったとされます
- ゲフィウンはギュルヴィ王から耕地をもらい、巨人の国で4人の息子を生んで、牛のくびきに変え、オーディンセの向かいの海へ土地をひきだしました。それがシェランで、ゲフィウンはのちにそこに住み、オーディンの息子スキョルドと結婚して、レイドラに住んだ、と書かれています
5. 乙女たちの女神
- 「ギュルヴィたぶらかし」36節では、アースの女神たちが紹介されます。フリッグ、サガ、医術にすぐれたエイルにつづいて、「4番目はゲフィウン。乙女で、乙女のまま亡くなった者たちは、その侍女になる」と書かれています(女神たちについてはフリッグへ)

『新エッダ』では、ゲフィウンが巨人の国の4頭の牛で土地をすくと、土地は海へひきだされてシェランになり、とられたあとはスウェーデンの湖になった、と書かれています。
まとめ
- ギュルヴィ王は、旅の女に「4頭の牛が1日と1夜ですけるだけの土地」を約束した
- 女はアース神族のゲフィウン。巨人の国から、巨人とのあいだの息子たちである4頭の牛をつれてきた
- 土地はひきはがされて海へ運ばれ、シェラン島になった。あとは湖になり、その入り江は島の岬と形が合う
- 『ヘイムスクリングラ』では、ゲフィウンはオーディンに送られ、のちにスキョルドと結婚した
- アースの女神たちのフリッグ、万物の父オーディン、同じ『新エッダ』の太陽と月を追う狼もどうぞ
参考文献
- Snorri Sturluson. The Younger Edda; Also called Snorre’s Edda, or The Prose Edda(英訳:Rasmus B. Anderson、1879年). The Fooling of Gylfe, Chapter I “Gefjun’s Plowing” and section 36; “The Historical Odin” の Heimskringla(Ynglinga Saga)の訳文. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/18947 (閲覧日:2026年10月12日)
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