
プレ男名前も知らない人が、毎晩たずねてくる…? それってだいじょうぶなの?

メル美お父さんとお母さんも心配して、糸を使って正体をさぐったんだって。その相手は、三輪山の神さまだったの。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回は日本神話のオホモノヌシと三輪山の糸です。『古事記』(武田祐吉訳、青空文庫)の上つ巻「御諸山(みもろやま)の神」と、中つ巻(崇神天皇)「美和の大物主」を読みました。同じ国づくりの神スクナビコナもどうぞ。日本神話の全体は日本神話の入門へ。
プロフィール
| オホモノヌシ | 大和の三輪山(御諸山)にまつられる神 |
| 上つ巻の御諸山の神 | 海を照らしてやってきて、大国主の国づくりを手伝った神。上つ巻では名前は書かれていない |
| 結婚した相手 | スヱツミミの命の娘、イクタマヨリ姫 |
| 子孫 | オホタタネコ。神の君・鴨の君の祖先 |
| 地名のいわれ | のこった麻糸が3巻(みわ) → 「三輪」 |
1. 海を照らしてくる神
- 『古事記』上つ巻です。国づくりの仲間のスクナビコナが海のかなたへ去ってしまい、大国主は「わたしひとりで、どうやってこの国をつくれようか」となやみました
- そのとき、海の上を照らして近づいてくる神がいました。「わたしをよくまつるなら、いっしょに国をつくろう。そうしなければ、国はできにくいだろう」
- 「どのようにまつればよいでしょう」とたずねると、神は答えました。「大和の国の、青々とかこむ東の山の上にまつりなさい」。これが、御諸山(三輪山)においでになる神です。上つ巻のこの場面では、神の名前は書かれていませんが、訳者の武田祐吉は、この段を「大和の三輪山にある大神神社の鎮座の縁起」と説明しています
2. 疫病と夢のお告げ
- 『古事記』中つ巻、崇神天皇の時代です。疫病がはやって、人々がほとんどいなくなりそうになりました
- 天皇が心をいため、神をまつってねむると、夢にオホモノヌシの大神があらわれて言いました。「病気がはやるのは、わたしの心である。オホタタネコにわたしをまつらせれば、たたりはおこらず、国もおだやかになるだろう」
- 使いを四方に出してさがすと、河内の国のミノの村でオホタタネコが見つかりました。オホタタネコは、自分がオホモノヌシの神とイクタマヨリ姫の子孫であることを語りました
- 天皇はよろこび、オホタタネコを神主にして、ミモロ山でオホモノヌシの神をまつりました。各地の神々にもおそなえをすると、疫病はやんで、国はおだやかになりました

メル美神さまの子孫に、まつってもらいたかったんだね。でも、どうして神の子孫だとわかったの?
3. 夜ごとの男
- オホタタネコが神の子孫だとわかったいきさつは、こうです。イクタマヨリ姫は美しい人でした。そこへ、すがたもふるまいもくらべるもののない、ひとりの男が、夜中にやってきました
- ふたりはたがいに愛しあって結婚し、まもなく姫は子をみごもりました
- 父母はふしぎに思ってたずねました。「夫もいないのに、どうして子をみごもったのか」。姫は答えました。「名も知らない、りっぱな男の人が、夜ごとにたずねてくるのです」
4. 麻の糸のゆくえ
- 父母は、その人の正体を知りたいと思って、姫に教えました。「赤土を床のまわりにまき、麻糸を針に通して、その人の着物のすそにさしなさい」
- 姫が教えられたとおりにすると、朝になって見ると、針をつけた麻糸は戸のかぎ穴をぬけて外へ出ていて、のこった麻糸は3巻(みわ)だけでした
- かぎ穴から出ていったとわかったので、糸をたどっていくと、三輪山の神の社にとどまっていました。こうして、子が神の子だとわかったのです
- 「その麻の三輪(3巻)のこったことから、そこを三輪というのです」と書かれています

プレ男かぎ穴を通れるなんて、やっぱり人間じゃなかったんだ…! 糸がのこった数が地名になったのもおもしろいね。

『古事記』では、麻糸は戸のかぎ穴をぬけ、のこったのは3巻だけでした。糸をたどると三輪山の神の社につき、その「三輪」がそこの地名になったと書かれています。
まとめ
- オホモノヌシは、大和の三輪山(御諸山)にまつられる神
- 上つ巻では、海を照らしてやってきた御諸山の神が、大国主の国づくりを手伝った
- 中つ巻では、疫病をしずめるために、子孫のオホタタネコにまつらせた
- 夜ごと姫のもとへ通う男の着物に麻糸をつけてたどると、三輪山の社についた
- のこった糸が3巻(みわ)だったので、「三輪」という地名になった
- 国づくりの神大国主とスクナビコナ、古事記下つ巻の仁徳天皇と民のかまどもどうぞ
参考文献
- 武田祐吉訳『古事記』(上つ巻「御諸山の神」、中つ巻「美和の大物主」). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/001518/card51732.html (閲覧日:2026年10月10日)
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