
メル美プロメテウスって、人間に火をくれた神さまだよね。

プレ男しかも罰が、毎日肝臓を食べられるっていう…。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、ギリシャ神話のプロメテウスです。ヘシオドス『神統記』(H.G.エヴリン=ホワイト訳、1914年)の英訳を、Perseusデジタル図書館で読みました。
プロフィール
| 名前 | プロメテウス |
| 父 | イアペトス(英訳では「イアペトスの子」とよばれる) |
| きょうだい | 天をささえるアトラス、ゼウスの雷で冥界に落とされたメノイティオス、人間に災いをもたらしたエピメテウス |
| 性格 | 「かしこく、いろいろなたくらみにみちた」 |
| 出典 | ヘシオドス『神統記』507〜569行 |

セバスティアーノ・デ・ヴァレンティニス「プロメテウス」1558年。エッチング。メトロポリタン美術館所蔵(パブリックドメイン)
メコネの牛の分け方
- 神々と人間がメコネで話しあったとき、プロメテウスは大きな牛を切り分けて、ゼウスをだまそうとしました
- 人間たちの前には、脂ののった肉と内臓を皮の上におき、牛の胃でつつんでかくしました
- ゼウスの前には、白い骨をたくみにかざって、かがやく脂肪でつつんでおきました
- ゼウスは「イアペトスの子よ、なんと不公平な分け方だ」と言い、プロメテウスは「どちらでも、お好きなほうをおとりください」と、ほほえんで答えます
- ゼウスはたくらみを見ぬいていましたが、両手で白い脂肪をとり、中が骨だとわかって怒りました。『神統記』は、「だから、地上の人間は、神々の祭壇で白い骨を焼くのだ」と書いています

メル美神さまへのおそなえで骨を焼くわけを、こうやって説明してたんだ!
ウイキョウの茎の火
- ゼウスは、このたくらみを忘れず、地上の人間に「つかれを知らない火の力」をあたえないことにしました
- ところがプロメテウスは、遠くからも見える火の光を、うつろなウイキョウの茎にかくして盗み出します
- 人間のあいだに火の光を見たゼウスは、心を刺されたように怒り、「火の代わり」として、人間に災いをつくりました。足の悪い神(ヘパイストス)が土で乙女の姿をつくり、女神アテナが銀の衣と冠でかざったのです
- この最初の女性を受けとったのが、プロメテウスのきょうだいのエピメテウスだった、と『神統記』は書いています
毎日、ワシに肝臓を
- ゼウスは、かしこいプロメテウスをほどけない鎖できびしくしばりつけました
- そして、翼の長いワシを送り、プロメテウスの不死の肝臓を食べさせます
- ところが、ワシが1日じゅうかけて食べたぶんだけ、夜のあいだに肝臓はすっかり元どおりに育つのでした

プレ男毎日食べられて、毎晩もどる…。終わりのない罰だ。
救ったのはヘラクレス
- このワシを倒したのは、アルクメネの子、勇者ヘラクレスでした。プロメテウスは、むごい苦しみから解放されます
- それは、オリュンポスのゼウスの意思に反してではなく、「テーバイ生まれのヘラクレスの名誉を、地上でいっそう大きくするため」でした。ゼウスは、プロメテウスが自分と知恵くらべをしたことへの怒りを、このときおさめた、と書かれています
- ヘラクレスの話はヘラクレスの記事で。プロメテウスは、ケンタウロスのケイロンの話や、ラドンと黄金のりんごの話にも出てきます

ヘシオドス『神統記』によると、プロメテウスはうつろなウイキョウの茎に火をかくして盗み、罰として、毎日ワシに不死の肝臓を食べられました。肝臓は夜のあいだに元どおりになりました。
まとめ
- プロメテウスは、イアペトスの子。かしこく、たくらみにみちた神
- メコネで、ゼウスに脂肪でつつんだ骨、人間に肉を残す分け方をして、ゼウスをだまそうとした
- ゼウスが人間に火をあたえないと、ウイキョウの茎に火をかくして盗んだ
- 罰は、鎖でしばられ、毎日ワシに肝臓を食べられ、夜に元どおり
- ワシを倒して救ったのはヘラクレス
- 火の代わりにつくられた女性の話はパンドラの記事で。ギリシャ神話の全体の流れはギリシャ神話の入門で
参考文献
- Hesiod. Theogony(英訳:Hugh G. Evelyn-White、1914年). 507–569. Perseus Digital Library. https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus:text:1999.01.0130:card=507 (閲覧日:2026年10月5日)
- メトロポリタン美術館. Sebastiano de’ Valentinis, Prometheus, 1558(1970.605、パブリックドメイン). https://www.metmuseum.org/art/collection/search/361876 (閲覧日:2026年10月5日)
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