
プレ男「ラグナロク」って、世界の終わりのことだよね。映画のタイトルにもなってた。

メル美でも、終わったあとに世界がよみがえる話なんだって。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、北欧神話の世界の終わりラグナロク(神々の最後の日)です。スノッリ・ストゥルルソン『散文のエッダ』の英訳(R.B.アンダーソン訳『The Younger Edda』、1879年)の55〜58節を、プロジェクト・グーテンベルクで読みました。

エミール・ドープラー「ラグナロク」1905年ごろ刊『ヴァルハラ ゲルマンの神々の世界』より(ドープラーは1922年没)。コモンズの説明では、炎の巨人スルトの火に包まれるアースガルズ。ウィキメディア・コモンズ(パブリックドメイン)
前ぶれ:夏の来ない3年
- まず、「フィンブルの冬」がやってきます。雪が四方から吹きつけ、霜はきびしく、風はするどく、太陽にもよろこびがない
- そんな冬が3回、夏をはさまずに続きます。その前にも3回の冬があり、そのあいだは世界じゅうで大きな戦いが起こり、兄弟どうしが利益のために殺しあうのです
- 古い詩「巫女の予言」は歌います。「斧の時代、剣の時代、盾はまっぷたつ。風の時代、狼の時代、世界がたおれるまで」
太陽と月がのみこまれる
- 狼が太陽をのみこみ、もう1匹の狼が月をのみこみます。星は天から投げ落とされます
- 大地と山がはげしくゆれ、木は根こそぎたおれ、山はくずれ、すべての鎖やいましめがちぎれます
- 狼フェンリルが自由になり、大蛇ヨルムンガンドが怒りくるって陸へ上がろうとするので、海が大地にあふれます

プレ男太陽も月もなくなって、海があふれる…スケールが大きすぎる。
炎の巨人スルトと、こわれる虹の橋
- 天がまっぷたつに裂け、そこからムスペルの子らが馬に乗ってあらわれます。先頭はスルト。前にもうしろにも燃える火があり、太陽よりも明るくかがやく剣を持っています
- 彼らが虹の橋ビフレストをわたると、橋はこなごなにくだけます
- 決戦の場はヴィーグリーズの野。四方それぞれ100マイルの広さです。フェンリル、ヨルムンガンド、ロキ、霜の巨人たち、冥界の女王ヘルの仲間たちが集まります
神々の最後の戦い
- 見張りの神ヘイムダルが、ギャラルホルンを力いっぱい吹き鳴らし、神々を目ざめさせます。オーディンはミーミルの泉へ相談に行き、世界樹ユグドラシルがふるえます
- オーディンは金のかぶとをかぶり、槍グングニルを手にフェンリルへ向かいますが、狼にのみこまれます。息子ヴィーザルが、すぐに狼の口を引き裂いて仇をうちます
- トールは大蛇ヨルムンガンドを打ちたおしますが、9歩下がったところで、大蛇の毒でたおれます
- フレイはスルトとたたかってたおれます。むかし、よい剣を使いのスキールニルにあたえてしまっていたからです
- 番犬ガルムとテュールは相打ち。ロキとヘイムダルも相打ちになります
- そしてスルトが大地に火を投げ、世界をすべて焼きつくします

メル美オーディンもトールも、みんなたおれちゃうんだ…。
そして、世界はよみがえる
- 『散文のエッダ』58節によると、大地が海からふたたびあらわれ、緑で美しい。種をまかない畑に実りがなる
- 生き残ったのは、ヴィーザルとヴァーリ。海にもスルトの火にもやられず、むかしアースガルズがあったイダの野(英訳では plains of Ida)に住みます。トールの息子モージとマグニもやってきて、ハンマーミョルニルを持っています
- 冥界からはバルドルとヘズがもどってきます。みんなで集まって、大蛇や狼のことなど、むかしの話をするのです。草の中からは、神々がむかし持っていた金のテーブル(英訳では golden tables)が見つかります
- スルトの火のあいだ、ホッドミーミルの森にはリーヴとリーヴスラシルという2人がかくれていて、朝つゆを食べて生きのびました。この2人から人間の一族が生まれ、世界じゅうを満たします
- 太陽も、狼にのみこまれる前に、自分と同じくらい美しい娘を生んでいて、娘が母の通り道を進みます

『散文のエッダ』によると、ラグナロクのあと、大地は海からふたたびあらわれ、緑で美しく、種をまかない畑に実りがなるといいます。
まとめ
- ラグナロクの前ぶれは、夏の来ない「フィンブルの冬」が3年
- 狼が太陽と月をのみこみ、星が落ち、フェンリルとヨルムンガンドが自由に
- 炎の巨人スルトの軍勢が虹の橋ビフレストをこわし、ヴィーグリーズの野で最後の戦い
- オーディン、トール、フレイ、テュール、ヘイムダルがたおれ、スルトが世界を焼きつくす
- そのあと緑の大地がよみがえり、リーヴとリーヴスラシルから新しい人間が生まれる
- 北欧神話の全体の流れは北欧神話の入門、世界樹はユグドラシル、主役の怪物はフェンリルとヨルムンガンドの記事で
参考文献
- Snorri Sturluson. The Younger Edda; also called Snorre’s Edda, or The Prose Edda(英訳:Rasmus B. Anderson、1879年). Gylfaginning 55–58. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/18947 (閲覧日:2026年10月4日)
- Wikimedia Commons. File:Ragnarök by Doepler.jpg(Emil Doepler『Walhall, die Götterwelt der Germanen』ca. 1905、パブリックドメイン). https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Ragnarök_by_Doepler.jpg (閲覧日:2026年10月9日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。



