
プレ男自分の命の半分を、大切な人にあげる…。そんなことができる話があるの?

メル美『マハーバーラタ』の最初のほうに出てくるお話なんだって。そのあとに、もうひとつ大切な教えもあるの。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回はインド神話のルルとプラマドヴァラーです。『マハーバーラタ』第1巻アーディ・パルヴァの「パウローマの巻」第8〜12章(K.M.ガングリ英訳、プロジェクト・グーテンベルク)を読みました。夫の命をとりもどした妻の話はサーヴィトリーへ。インド神話の全体はインド神話の入門へ。
プロフィール
| ルル | ブリグの子プラマティの息子 |
| プラマドヴァラー | ガンダルヴァの王ヴィシュヴァーヴァスと天女メーナカーの娘。聖仙ストゥーラケーシャに育てられた |
| わざわい | 結婚の数日前、ヘビにかまれて亡くなった |
| 天の使いの言葉 | 「命の半分を花嫁にゆずれば、花嫁は起きあがる」 |
| 聖仙の教え | 「人のいちばんの徳は、ほかの者の命をうばわないこと」 |
1. 川辺の赤ちゃん
- むかし、聖仙ストゥーラケーシャは、川のほとりに、ひとりぼっちでおかれた女の赤ちゃんを見つけました。ガンダルヴァの王と天女メーナカーのあいだに生まれ、置いていかれた子でした
- 聖仙はあわれに思って赤ちゃんをひろい、育てました。その子は、やさしさでも美しさでも、どんな女の人よりもすぐれていたので、聖仙はプラマドヴァラーと名づけました
- ブリグの子プラマティの息子ルルは、プラマドヴァラーを見て、心をうばわれました。プラマティがたのみ、ストゥーラケーシャはむすめをルルと婚約させ、結婚の日を決めました
2. ヘビにかまれた花嫁
- ところが、結婚の日まであと数日というとき、友だちとあそんでいたプラマドヴァラーは、とぐろをまいていたヘビに気づかずにふんでしまい、かまれてしまいました
- プラマドヴァラーは、たちまち気をうしなってたおれ、息をひきとりました。地面によこたわるそのすがたは、ねむっているかのようで、ハスのかがやきのようでした
- 育ての父や、森の聖仙たちがあつまり、みな涙をながしました。ルルは、悲しみにたえられず、その場をはなれました

メル美結婚をまえに、そんなことが…。ルルの気持ちを思うと、つらいね。
3. 命の半分
- ルルは深い森に入り、声をあげて泣きました。「わたしがほどこしをし、修行をし、目上の人をうやまってきたのなら、その功徳で、愛する人をよみがえらせてください」
- すると、天の使いがやってきて言いました。「この世の者で、命の日々がつきた者は、もうもどれない。けれども、偉大な神々は、よみがえらせる方法を、まえもって用意している」
- 「おまえの命の半分を、花嫁にゆずりなさい。そうすれば、プラマドヴァラーは起きあがる」
- ルルは答えました。「よろこんで、わたしの命の半分を花嫁にゆずります」
- ガンダルヴァの王(プラマドヴァラーの父)と天の使いは、死者を裁くダルマ王のもとへ行き、たのみました。ダルマ王がゆるすと、プラマドヴァラーは、ルルの命の半分をさずかって、ねむりからさめるように起きあがりました
- ふたりは、めでたい日に結婚し、たがいを大切にしてくらしました。ただし、命の半分をゆずったことで、ルルの命は、そのぶん短くなった、と書かれています

プレ男迷わず「よろこんで」って言えるなんて…。ルル、かっこいいよ。
4. ヘビのすがたの聖仙
- けれども、そのあとルルは、ヘビを見るたびにたおすという、おそろしい誓いをたててしまいました
- ある日、森で年老いたドゥンドゥバというヘビに出会い、杖をふりあげると、ヘビは言いました。「わたしは、あなたに何も悪いことをしていません。人をかむヘビは、種類がちがうのです」
- ルルが「おまえはだれだ」とたずねると、ヘビは、むかしはサハスラパットという聖仙だったと話しました。友だちをおどかそうと、草でにせのヘビをつくっていたずらをしたため、「毒のないヘビになれ」とのろわれたのでした。そして、「プラマティの子ルルに出会ったとき、のろいがとける」と言われていたのです
- 聖仙はもとのすがたにもどり、ルルに言いました。「まことに、人のいちばんの徳は、ほかの者の命をうばわないことだ。……すべての生きものにやさしく、まことをまもり、ゆるす心をもちなさい」

『マハーバーラタ』では、天の使いが「命の半分を花嫁にゆずりなさい」と言い、ルルがそれにしたがうと、プラマドヴァラーはねむりからさめるように起きあがりました。
まとめ
- プラマドヴァラーは、結婚の数日前にヘビにかまれて亡くなった
- 天の使いの言葉にしたがい、ルルは自分の命の半分を花嫁にゆずり、プラマドヴァラーはよみがえった
- ヘビをうらんだルルは、ヘビのすがたにされていた聖仙サハスラパットに出会った
- 聖仙は「人のいちばんの徳は、ほかの者の命をうばわないこと」と教えた
- 夫の命をとりもどしたサーヴィトリー、死者の王ヤマ、ヘビたちの奴隷にされた母を救った鳥の王ガルダもどうぞ
参考文献
- Kisari Mohan Ganguli(英訳). The Mahabharata of Krishna-Dwaipayana Vyasa, Volume 1. Adi Parva, Pauloma Parva, Sections VIII–XII. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/15474 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。



