
プレ男シーターって、ラーマの奥さんだよね。どんな人なの?

メル美畑の土の中から生まれたんだって。それに、森へ行くとき、夫に「つれていって」ってはっきり言う、つよい人なの。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回はインド神話のシーターです。叙事詩『ラーマーヤナ』を、R.T.H.グリフィスの英訳(1870〜1874年、Project Gutenberg)と注で読みました。夫ラーマの話はラーマへ。インド神話の全体はインド神話の入門へ。

「森の中のラーマ、シーター、ラクシュマナ」1830年ごろ、北インド・カーングラ派。紙にテンペラ、金。クリーブランド美術館所蔵(CC0)
プロフィール
| 父 | ヴィデーハの王ジャナカ(育ての父) |
| 生まれ | 畑をたがやすすきの下の大地から |
| 名前の意味 | 「すき跡(畑のみぞ)」(グリフィスの注) |
| 夫 | コーサラ国の王子ラーマ |
| よび名 | 「ヴィデーハの姫」 |
1. 大地から生まれた子
第1巻の「ジャナカの言葉」の章です。ジャナカ王は、聖仙にこう語ります。
- 「あるとき、わたしが畑をたがやしていると、すきの下から、とつぜん、大地からあらわれる赤ちゃんが見つかった。そのふしぎな生まれから、シーターと名づけた」
- グリフィスの注によると、「シーター」は「すき跡(畑のみぞ)」という意味です
- 「わたしの大切な娘は、つよく、美しく育った。人間から生まれた子ではないので、いちばんりっぱな英雄にこそふさわしいと、わたしはちかった」
- そして、だれもひけなかったシヴァの大弓を折った王子ラーマが、シーターの夫になりました(くわしくはラーマ)

メル美畑のみぞから生まれたから「すき跡」って名前なんだ。大地の子なんだね。
2. 「わたしも森へ行きます」
第2巻の「シーターの言葉」の章です。継母の願いで、ラーマが14年の森ぐらしを命じられたとき、ラーマはシーターを都にのこそうとしました。シーターは答えます。
- 「あなたの言葉は、わたしを軽く見ているから出たものです。そんな言葉は、きっぱりおことわりします」
- 「父も母も子も、それぞれの運命をうけとります。けれども妻だけは、何があっても、夫の運命を分かちあうのです。王さまの命令があなたを森へ送るなら、それはわたしにもおよぶのです」
- 「ダンダカの道なき森へ行くのなら、いばらやしげった草の中を、わたしの足があなたより先にふみわけていきます」
- 「夫のあとをついていくことは、りっぱな宮殿でくらすよりも、空を自由に飛びまわるよりも、ずっとしあわせなのです」

プレ男「わたしが先に歩きます」って! ついていくだけじゃなくて、先頭に立つつもりなんだ。
- ラーマは、森のあぶなさを話してひきとめようとしましたが、シーターの心はかわらず、ふたりは弟ラクシュマナとともに森へ出発しました

グリフィス訳では、シーターは「いばらやしげった草の中を、わたしの足があなたより先にふみわけていきます」と言って、ラーマといっしょに森へ行きました。
3. そのあと
- 森でのくらしのあいだに、シーターは魔王ラーヴァナにさらわれ、ランカーの園にとらわれます。ラーマのつかいのハヌマーンが、ラーマの指輪をとどけてシーターを見つけだし、やがてラーマたちはシーターをとりもどしました
まとめ
- シーターは、ジャナカ王が畑をたがやしていたとき、すきの下の大地から生まれた王女
- 名前は「すき跡(畑のみぞ)」の意味
- シヴァの大弓を折った王子ラーマの妻になった
- ラーマの森への追放が決まると、「妻は夫の運命を分かちあう」「わたしの足が先にふみわける」と言って、いっしょに森へ行った
- シーターを守ろうとした大ワシジャターユ、夫のラーマ、シーターを見つけだしたハヌマーン、インド神話の入門もどうぞ
参考文献
- Ralph T. H. Griffith(英訳). The Rámáyan of Válmíki, translated into English verse(1870–1874年). Book I, Canto LXVI と注246; Book II, Canto XXVII. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/24869 (閲覧日:2026年10月10日)
- クリーブランド美術館. Rama, Sita, and Lakshmana in the forest, Kangra, c. 1830(1989.332、CC0). https://clevelandart.org/art/1989.332 (閲覧日:2026年10月10日)
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