
プレ男ラーマって、ハヌマーンが助けた王子さまだよね。どんな人なの?

メル美弓の名人で、14年も森でくらしたんだって。弟が「サンダル」で国をあずかるお話がすてきなの。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回はインド神話のラーマです。古代インドの叙事詩『ラーマーヤナ』を、R.T.H.グリフィスの英訳(1870〜1874年、Project Gutenberg)で読みました。インド神話の全体はインド神話の入門へ。

「バラドヴァージャ仙の庵をおとずれるラーマ、シーター、ラクシュマナ」(『ラーマーヤナ』アヨーディヤー巻より)1650年ごろ、中央インド・マールワー地方。紙にテンペラ、金。クリーブランド美術館所蔵(CC0)
プロフィール
| 立場 | コーサラ国(都アヨーディヤー)の王子 |
| 父 | ダシャラタ王 |
| 母 | カウサリヤー(継母にカイケーイー、スミトラー) |
| 弟 | バラタ、ラクシュマナ、シャトルグナ |
| 妻 | ジャナカ王の娘シーター |
| とくい | 弓 |
1. だれもひけない弓
第1巻「弓を折る」の章です。
- ジャナカ王の宮廷には、神々の大弓がありました。ジャナカ王は言います。「巨人も魔物も、神も天の楽人も、この弓にはかなわなかった。人間に、どうしてこの弓がひけようか」
- 聖者にすすめられたラーマは、弓の入った箱をあけ、「この弓に手をおきます。もちあげ、引けますように」と言いました
- 「ラーマは、まるでたわむれるように、何千人もの見守る中で、弓のまんなかをもちあげた。しっかりしたうでで弦を引くと、大弓はふたつに折れた」
- 弓が折れると、嵐のさけびのような大きな音がひびき、大地はゆれ、人びとはたおれてしまいました。ジャナカ王は、娘シーターをラーマの妻にすると約束しました

メル美引くだけじゃなくて、折っちゃったんだ! それで結婚が決まったんだね。
2. 2つの約束
第2巻です。
- 年をとったダシャラタ王は、ラーマを次の王にしようとしました。ところが、王妃カイケーイーの侍女が、むかしの約束を思い出させます
- むかし、戦場できずついた王を、カイケーイーが手当てして助けたとき、王は「2つの願いをかなえる」とちかっていました。侍女は言います。「その約束を思い出させ、2つとも求めなさい。バラタを王座につけることと、ラーマを14年のあいだ森へ追放することを」
- 王はなげきました。「あの子たちが小さいころ、おまえはいつも、ラーマもバラタも同じだと言っていたではないか」。けれども、王はちかいをやぶることができず、ラーマは14年の森ぐらしに出ることになりました。妻シーターと弟ラクシュマナもついていきました

プレ男約束をまもる王さまだからこそ、息子を追放しなきゃいけないなんて…。
3. サンダルの王
第2巻「サンダル」の章です。父王がなくなったあと、弟バラタは、王位をうけとらず、森のラーマのもとへむかえに行きました。
- けれどもラーマは、父の約束をまもって、14年がすぎるまでは帰らないと言いました
- バラタはたのみました。「兄上、どうか、この金でかざられたサンダルをはいてください。このサンダルが、国と人びとをまもるでしょう」
- ラーマはサンダルに足をのせ、それをバラタの手にわたしました。バラタは言いました。「14年のあいだ、わたしも修行者の衣を着て、髪をゆい、木の実と根を食べてくらします。国のおさめごとは、このサンダルにまかせます」
- バラタは、サンダルを頭の上にささげもち、王の象の頭にのせて、帰っていきました

グリフィス訳では、バラタは「国のおさめごとは、このサンダルにまかせます」と言い、兄のサンダルを王の象の頭にのせて帰りました。
4. 14年後
- 森でのくらしのあいだに、シーターは魔王ラーヴァナにさらわれ、ラーマはハヌマーンたち猿の軍の助けで、シーターをとりもどします
- 14年がすぎ、ラーマが都に帰ってくると、人びとは「ようこそ、ラーマ。長いあいだ、まっていました」とさけびました
- 「バラタは、もってきたサンダルを、ラーマの足にはかせた。『王よ、長い苦しみの年月のあいだ、あずかっていたものを、どうか、うけとってください。わたしの弱い手にまかされた、国のおさめと主の地位を』」
- ラーマは、弟をだきしめました。そして、最後の章で、ラーマは王として位につきました
まとめ
- ラーマは、『ラーマーヤナ』の主人公で、コーサラ国の王子
- だれもひけなかった大弓を折って、シーターと結婚した
- 継母カイケーイーが王の2つの約束をもちだし、14年の森ぐらしに出た
- 弟バラタは王位をうけず、兄のサンダルを王のかわりにして国をあずかった
- 14年後、バラタはサンダルを兄の足にかえした
- 大地から生まれた妻シーター、山をもちあげて村をまもったクリシュナ、ラーマを助けたハヌマーン、ヴィシュヌ、インド神話の入門もどうぞ
参考文献
- Ralph T. H. Griffith(英訳). The Rámáyan of Válmíki, translated into English verse(1870–1874年). Book I, Canto LXVII; Book II, Cantos IX, XII, CXII; Book VI, Cantos CXXIX–CXXX. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/24869 (閲覧日:2026年10月10日)
- クリーブランド美術館. Rama, Sita, and Lakshmana visit the hermitage of the sage Bharadvaja at Prayaga, c. 1650(2018.129、CC0). https://clevelandart.org/art/2018.129 (閲覧日:2026年10月10日)
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