
プレ男幽霊を売ったって!? そんなことできるの?

メル美中国の『捜神記』にある、ちょっとゆかいな幽霊の話なんだって。この話の「鬼」は、死んだ人の霊、つまり幽霊なの。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回は中国の「宋定伯、鬼をとらえる」です。晋の干宝が書いた『捜神記(そうじんき)』第16巻の原文(ウィキソース)を読みました。同じ『捜神記』の李寄、大蛇を斬る、董永と天女もどうぞ。中国神話の全体は中国神話の入門へ。
プロフィール
| 宋定伯 | 南陽の人。若いころ、夜道で鬼に出会った |
| 鬼 | 夜道で出会った幽霊。体に重さがなく、川をわたっても音がしない |
| 鬼のきらいなもの | 人のつば |
| 行き先 | 宛(えん)の市場 |
| 結末 | 鬼はヒツジに化け、定伯は1500銭で売った |
1. 「わたしも鬼だ」
- 南陽の宋定伯は、若いころ、夜道を歩いていて鬼に出会いました。たずねると、相手は「わたしは鬼だ」と答えました
- 鬼が「おまえはだれだ」とたずねると、定伯はうそをつきました。「わたしも鬼だ」
- 「どこへ行くのか」「宛の市場へ」「わたしも宛の市場へ行くところだ」。こうしてふたりは、いっしょに歩きはじめました
2. 体が重いわけ
- 数里歩くと、鬼が言いました。「歩いていくのはおそすぎる。かわりばんこにおぶっていくのはどうだ」。定伯は「それはいい」と答えました
- まず鬼が定伯をおぶって数里歩くと、鬼は言いました。「おまえは重すぎる。鬼ではないのでは?」
- 定伯は答えました。「わたしは新しく死んだばかりの鬼だから、体が重いのです」。こんどは定伯が鬼をおぶうと、鬼にはまったく重さがありませんでした

メル美「新人だから重い」って言いわけ、うまい!
3. 鬼のきらいなもの
- 何度かおぶりあいをしながら、定伯はたずねました。「わたしは新しい鬼なので、何をおそれ、何をきらえばよいのかわかりません」
- 鬼は答えました。「人につばをはきかけられるのだけは、きらいだ」
- 道で川にさしかかりました。定伯が鬼を先にわたらせると、まったく音がしません。定伯がわたると、ザブザブと音がしました。鬼が「なぜ音がするのか」とたずねると、定伯は「死んだばかりで、川をわたるのになれていないのです。気にしないでください」と答えました

プレ男相手のきらいなものを、さりげなく聞きだしてる…! 定伯、ちえものだね。
4. ヒツジになった鬼
- 宛の市場がちかくなると、定伯は鬼を肩にかつぎ、しっかりとつかまえました。鬼は大声でさけび、おろしてくれとたのみましたが、定伯は聞きいれません
- 市場のまんなかで地面におろすと、鬼は1頭のヒツジに化けました。定伯は、また化けられないように、つばをはきかけてから、それを売りとばし、1500銭を手に入れて去りました
- そのころ、石崇という人が、「定伯は鬼を売って、1500銭をえた」と言ったと書かれています

『捜神記』では、鬼は人のつばだけがきらいだと話し、ヒツジに化けたところで、定伯はつばをはきかけて化けなおせないようにしてから売りました。
まとめ
- 宋定伯は、夜道で出会った鬼(幽霊)に「わたしも鬼だ」とうそをついた
- 体が重いのも、川で音がするのも、「新しく死んだばかりだから」と言いのがれた
- 鬼のきらいなものが「人のつば」だと聞きだした
- 市場で鬼をつかまえると、鬼はヒツジに化け、定伯はつばをはきかけて売りとばした
- 同じ『捜神記』の李寄、大蛇を斬る、董永と天女、動物の恩返し、中国神話の入門もどうぞ
参考文献
- 干寶『搜神記』第十六卷(宋定伯の条). ウィキソース. https://zh.wikisource.org/wiki/搜神記/第16卷 (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

