
メル美出産した友だちが、赤ちゃんの耳の検査で「もう一度くわしく調べましょう」って言われて、すごく落ちこんでるの。

プレ男生まれたばかりで、耳の検査なんてできるんだね。どういう検査なんだろう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、新生児聴覚スクリーニングの話です。日本産婦人科医会の研修ノート「No113 新生児のケア・アップデート」(医師向け)の「新生児聴覚スクリーニング」をもとにまとめました。
何のための検査?
研修ノートによると、
- 生まれた赤ちゃんの約0.1〜0.3%、NICUに入院した赤ちゃんでは2〜4%に、片耳または両耳の難聴があります
- 検査の目的は、難聴の赤ちゃんを早く見つけ、早く支援(療育)につなげることで、子どもが障害を乗りこえる機会を保障することだとしています
- 新生児期に難聴とわかった子どもは、生後9か月ごろにわかった子どもより、3〜5歳での運動の発達、社会性の発達、生活の質がよかったという研究があります
どんな検査?
研修ノートによると、
- 脳の手前(脳幹)までの聞こえを調べる自動聴性脳幹反応(AABR)と、耳の奥(内耳)までを調べる耳音響放射(OAE)のどちらかを行うとされてきましたが、近年はAABRがすすめられています
- 難聴の数%にみられる聴神経の病気は、OAEでは「正常」と出てしまうことがあるためです

新生児聴覚スクリーニングで「要精密検査」と言われたら、できるだけ早く、遅くとも生後3か月までに精密検査を受けてください。早く見つけて早く支援につなげることが大切です。
「要精密検査(リファー)」と言われたら
研修ノートによると、
- できるだけ早く、遅くとも生後3か月までに、各都道府県が指定する精密聴力検査機関を受診できるようにします(地域によっては、先に二次の検査機関を受診することもあります)。精密聴力検査機関の一覧は、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会のホームページに載っています
- 補聴器や人工内耳などをふくめた適切な医療を、できるだけ早く受けられるようにします
- 先天性サイトメガロウイルス感染症は、遺伝によらない難聴のおもな原因のひとつです。検査で異常があれば、その可能性も考え、赤ちゃんの尿の検査などを行います(妊娠中に気をつけたい「サイトメガロウイルス」と「トキソプラズマ」)

プレ男「要精密検査」は、まだ難聴と決まったわけじゃなくて、くわしく調べる段階なんだね。
「正常(パス)」でも
研修ノートによると、結果が「正常」でも、難聴があとからあらわれることがあります。健診では聞こえの確認を慎重に行うとしています。
家族にできること
- 「要精密検査」と言われても、自分を責めずに、早めに精密検査の予約をとる
- 「正常」だったあとも、大きな音に反応しない、ことばが遅いなど気になることがあれば、健診や小児科で相談する
(更新)こども家庭庁の令和6年度「新生児聴覚検査の実施状況等について」(2026年3月27日公表)によると、新生児聴覚検査に公費負担を行っている市区町村(初回検査または確認検査)は95.2%(1,658市区町村)でした(令和5年度は90.8%)。出生児のうち検査を受けた割合は96.3%でした。助成の内容は市区町村ごとにちがいます。「要精密検査」のうち実際に難聴とわかる割合は確認していません。
生まれた赤ちゃんの血液の検査については、赤ちゃんの「新生児マススクリーニング」にまとめています。
まとめ
- 生まれた赤ちゃんの0.1〜0.3%に難聴がある
- 新生児聴覚スクリーニングは、早く見つけて早く支援につなげるための検査
- 検査はAABRがすすめられている
- 「要精密検査」なら、遅くとも生後3か月までに精密検査を
- 「正常」でも、あとから難聴がわかることがある
参考文献
- 公益社団法人日本産婦人科医会. 研修ノート No113 新生児のケア・アップデート「4.新生児聴覚スクリーニング」((1)意義、(2)方法、(3)結果が異常であった場合の対応、(4)結果が正常であった場合). https://www.jaog.or.jp/notes/note21841/ (閲覧日:2026年10月12日)
- こども家庭庁. 令和6年度「新生児聴覚検査の実施状況等について」(2026年3月27日公表、PDF). https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/3857f853-116b-4223-aeb9-499243c26855/6217caac/20260326_press_3857f853-116b-4223-aeb9-499243c26855_01.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。