
プレ男オナ禁するとテストステロンが上がって、モテるようになるってネットで見たんだけど。

メル美本当に科学的な根拠があるのかな?
こんにちは、Dr. Taro です。 「男磨き」から、いわゆるオナ禁(射精をしばらく控えること)の話です。まず大事なことを言うと、マスターベーションはふつうの行動で、それ自体が体に悪いわけではありません。そのうえで、研究でわかっていることを、査読のある論文をもとにまとめました。
テストステロン:7日目に一時的に上がった、という小さな研究
- 中国の研究(2002年)では、28人の男性の血液中のテストステロンを、射精のあと毎日測りました
- 2〜5日目はほとんど変わらず、7日目に一時的に上がり、元の約146%になりました。その後は、決まった変化は見られませんでした
- つまり、「控えるほど、どんどん上がり続ける」という結果ではありません。また、参加者の少ない、1つの研究の結果です

プレ男ずっと上がり続けるわけじゃないんだ…。
- 「オナ禁で筋肉がつく」「モテるようになる」ことを確かめた研究は、見つかっていません
- テストステロンが本当に低くて症状があるときは、医療機関で調べることができます(テストステロン補充療法)
前立腺がん:射精が多い男性のほうが少なかった
- 米国の医療者の男性約3万2,000人を18年間追いかけた研究(2016年)では、1か月に21回以上射精していた男性は、4〜7回の男性にくらべて、前立腺がんになる割合が約2割低いという結果でした
- この研究は、原因と結果を確かめたものではありません。ただ、「射精は体に悪い」という考えは、研究からは支持されていないといえます
精子の質:長く控えればよい、わけではない
- 精液の検査では、WHOのマニュアル(2021年、第6版)で、2〜7日射精を控えてから検査することがすすめられています
- 研究のまとめ(2018年)では、控える期間が長いほど、精液の量や精子の数は増える一方で、精子の動きなどは、研究によって結果が分かれるものの、短いほうがよい傾向が見られるとされています
- 子どもを望むときに、「長く控えたほうが妊娠しやすい」とは言えません
「やめたくてもやめられない」ときは
- 性的な行動が生活の中心になり、やめようとしても何度もできない、仕事や人間関係に大きな支障が出ている、という状態が半年以上続くとき、WHOの国際疾病分類(ICD-11)では「強迫的性行動症」という病気として扱われます
- ただし、道徳的な罪悪感だけでは、この病気にはあたりません
- つらいときは、ひとりで抱えずに、心療内科や精神科、こころの相談窓口に相談してください

控えることで自分をコントロールする練習になる、と感じる人もいます。でも、医学的に「控えないといけない」理由はありません。
まとめ
- マスターベーションはふつうの行動。体に悪いわけではない
- テストステロンは、7日目に一時的に上がったという小さな研究があるだけ。上がり続けるわけではない
- 射精が多い男性は、前立腺がんが少なかったという大きな研究もある
- 精子の質は、長く控えればよいわけではない
- やめたくてもやめられず、生活に支障が出ているときは、相談を
参考文献
- Jiang M. Periodic changes in serum testosterone levels after ejaculation in men. Sheng Li Xue Bao. 2002. https://europepmc.org/article/MED/12506329 (閲覧日:2026年9月28日)
- Rider JR, et al. Ejaculation Frequency and Risk of Prostate Cancer: Updated Results with an Additional Decade of Follow-up. Eur Urol. 2016. https://doi.org/10.1016/j.eururo.2016.03.027 (閲覧日:2026年9月28日)
- Hanson BM, et al. The impact of ejaculatory abstinence on semen analysis parameters: a systematic review. J Assist Reprod Genet. 2018. https://doi.org/10.1007/s10815-017-1086-0 (閲覧日:2026年9月28日)
- World Health Organization. WHO laboratory manual for the examination and processing of human semen, sixth edition(2021年). https://www.who.int/publications/i/item/9789240030787 (閲覧日:2026年9月28日)
- Kraus SW, et al. Compulsive sexual behaviour disorder in the ICD-11. World Psychiatry. 2018. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/am-pdf/10.1002/wps.20499 (閲覧日:2026年9月28日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。